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「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 レビュー。Apple初のデュアル充電器の便利な使い道を頑張って探る

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M2チップ搭載のMacBook Airと同時に、Apple純正の新しい電源アダプタが発表された。

そのうちの一つが 「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 。2つのUSB Type-Cポートを搭載し、最大35Wの充電に対応した電源アダプタだ。

本製品はM2チップ搭載の新型13インチMacBook Proの予約受付開始と同時にApple公式サイトでの販売が開始。販売開始直後に購入した筆者の元にも、本日無事に製品が到着したので、仕様など詳しく紹介したい。

デザイン

デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 は、従来の電源アダプタを真ん中から半分に割ったようなデザインになっている。カップ焼きそば型と言えば、もっとわかりやすいかもしれない。

本体表面はツルツルとしていて、従来の電源アダプタと使われている素材は同じ。触り心地も特段変わらない。本体サイズは幅5cm x奥行5cm x 高さ3cm、重量は105g。コンパクトかつ軽量なので、据え置きだけでなく旅行や出張時にも役立ちそうだ。

左:30W電源アダプタ/右:35Wコンパクト電源アダプタ

30W電源アダプタくらいのサイズ感なら共存可能

ちなみに、Appleの純正30W電源アダプタからひと回り小さくなっていることが確認できた。サイズ・性能ともに進化したと考えても良いだろう。

プラグは折りたたみ式

壁のコンセントに挿すとコネクタは上/下を向く

プラグは折りたたみ式になっていて引き出して使用する。側面ではなく底面にプラグがあることで、コンセントに挿したときに壁からポコっと出ないので邪魔にはならず、また壁と家具の隙間など狭い場所にあるコンセントで使うことも可能だ。

側面には窪み

本体側面の中央には細長い窪みが設けられていて、ここに指を置いて引っ張ることでコンセントからすこし取り外しやすくなっている。薄い形状になったことに対する配慮とみえる。

同梱物

実際に充電してみた

本製品に搭載された出力ポートは2口。どちらもUSB Type-Cコネクタになっており、最大2台のデバイスを同時に充電することが可能だ。

電源アダプタ全体の出力は合計35W。ひとつのデバイスを単体で接続したときは最大35Wで出力できる。2台のデバイスを充電する場合は、電力要件に基づいて自動的に電力が分配される。

ほとんどのデバイスは、電力が均等に分けられてそれぞれ17.5W出力になるが、もしApple WatchやAirPodsを片方のポートで充電した場合、Apple WatchやAirPodsは最大7.5W、もう片方のポートは最大27.5W出力で充電できる。

各Appleデバイスを接続したときの挙動は以下。

単体で接続したときの出力
デバイス名 最大出力
iPhone 20W
iPad Air/Pro/mini 30W
(12.9インチiPad Pro:35W)
MacBook Air/Pro 35W
Apple Watch 7.5W
2台同時に接続したときの出力
デバイス名 最大出力
MacBook+iPhone 17.5W+17.5W
MacBook+iPad 17.5W+17.5W
MacBook+Apple Watch/AirPods 27.5W+7.5W
iPhone+iPad 17.5W+17.5W
iPhone+Apple Watch/AirPods 20W+7.5W

やはり純正品というだけあって、Apple製品を正しい形で充電することが可能だ。単体で充電するときはiPhoneやiPad Proを除くiPad、Apple Watch、AirPodsをフルスピード充電できるほか、接続するデバイスの組み合わせに応じて適切に電力の供給量を按分できるというメリットもある。

他サードパーティの製品の場合は、デバイスごとに最適なカタチで電力を供給することはできなかったりする。たとえば、iPhone 13は20Wの電力供給を受け付けるが、一部を除くサードーパーティ製品は18Wが上限であることも意外と多い。同じ20W出力に対応するなら純正もサードパーティ製も充電速度に違いはないものの、最適なカタチで “安心して充電できる” という点で本製品に勝る製品はない。

一方で、デメリットとしてはフルスピード充電ができるのは1台のデバイス単独で繋いだときだけであるということ。最近のApple製品はほとんどが17.5W以上で充電することができるからだ。

ふたつのポートを使って2台のデバイスを “満足” に充電できるのは、iPhoneとApple Watchを繋ぐとき、あるいはiPhoneとAirPodsシリーズなど、iPhone+アクセサリ商品を繋ぐときだけとなる。この場合の電力供給は、iPhoneが27.5W、Apple Watch (or アクセサリ)が最大7.5Wに振り分けられることが多い。

逆に言えば上記以外のパターンで製品を2台接続する時は、各デバイスいずれもフルスピードで充電できないため、早く充電したい場合にはサードパーティ製品を使うか、あるいは他のAppleの電源アダプタを複数使用する必要がある。

右のHomePod mini (黒) は電力不足でランプが点灯

ちなみに本電源アダプタの形状的に、HomePod miniを2台同時に使用できると想像したユーザーもいるかもしれないが、それは残念ながらできない。

HomePod miniが動作するには最低18Wが必要であるため、2台合計で最低36W必要。電源アダプタの出力は合計35W、不足分はわずか1W。一番使い方が合っているだけにとても残念な仕様。

実際に2台のHomePod miniを接続すると、先に接続した1台のみが動作し、もう1台は動作できないことを知らせるオレンジのランプが灯もる。

MacBook Air単体では約32Wで充電できた

そもそもAppleは、本電源アダプタのことを 「MacBook Airにオススメの電源アダプタ」 と紹介している。MacBook Airは67Wで充電できるうえに、標準で付属する電源アダプタでも30Wで充電できる。

つまり、MacBook Airを充電するには30Wは最低でも欲しいところだが、「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 はMac+αで充電すると出力が最大17.5W〜27.5Wに下がってしまう。なぜなんだぜ……。

MacBook AirとiPhoneを同時充電 (MacBook Airは約15Wで充電できた)

MacBook AirにiPhoneを挿したほうがMacBookは早く充電できる (このときのiPhoneは10W程度で充電できる)

Appleとしては、普段はMacBook Airを単体充電しつつ、MacBook Airの充電が終わったらiPhoneやApple Watchを2台同時に充電できる、というように、ひとつの充電器で複数のデバイスを “流動的に” 充電できることを推したかったのかもしれない。ただ、もしそこを推すのなら30W+5Wや20W+15Wの振り分けはできて欲しかったし、合計出力も45Wくらいあっても良かったのではと筆者は感じている。

ちなみに、安心と信頼のAnker社製アダプタ 「Anker PowerPort III 2-Port 65W」 なら45W+20W=合計65Wで電力供給が可能。単体で挿すと65W出力できてMacBook Airをフルスピードに近い速さで充電できるうえに、iPhoneとMacBook Airの2台を繋いだときには、iPhoneをフルスピード充電しながら、MacBook Airを満足なレベルで充電できる。

HomePod mini 2台も稼働させられるし、HomePod mini+MacBook Airでもなんなら運用が可能……ユーザーが求めていた電源アダプタはこれだったのでは…?なんて思ってしまう。

まとめ

半日ほどかけてさまざまなデバイスを充電してみたが、残念なことに 「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 をうまく活用できる場面を見つけることは難しかった。

強いて言えば、普段はMacBook Airを単体で充電し、たまにApple WatchやAirPodsも同時に充電、という感じだろうか。iPhoneを同時に接続すると17.5W+17.5Wに振り分けられてしまうので、Macのほうを早く充電したいなら、MacBook AirにiPhoneを直接繋ぐほうが効率良い。どちらかというとMacBook Air+アクセサリの充電に向いた電源アダプタだ。

また、iPhoneとApple Watch、AirPodsを同時に充電したい場合にもそこそこ優秀だろう。とはいえ、20Wのフルスピード充電はできないので筆者がiPhoneの充電用途に利用する機会はほぼないだろうが。

(画像:Apple)

「デュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタ」 は、7月に発売するMacBook Airの購入時にオプションとしてつけることも可能だ。+3,000円を追加で支払うことで、標準の30W電源アダプタの代わりに本電源アダプタをつけることができる。

この3,000円の差額で得られるのは、①2口のUSB Type-Cポート、②+5Wの合計35W出力、③コンパクトさの3点、マルチポート充電器を持っていないなら、悪いアップグレードではないはずだ。

ただし、おなじく3,000円で最大67Wの電源アダプタをオプションとしてつけることも可能。MacBook Airは最大67WのMagSafe充電に対応している。標準30W電源アダプタに比べて(圧倒的に)高速に充電できるため、筆者なら35Wデュアル充電器よりも67W電源アダプタへのアップグレードをオススメする。

ちなみにM2 MacBook Airは、内蔵プロセッサをCPU8コア/GPU10コアのM2チップに変更することでデュアルUSB-Cポート搭載35Wコンパクト電源アダプタを無料で付属させることが可能。その際の67W電源アダプタへのアップグレードも無料になる。

では単体で購入する場合だが、お値段はなんと7,800円(税込)。これを高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれだと思うものの、前述のAnker製品が6,490円(税込)で売られているようにサードパーティ製の製品はもっと良い性能でもっと安い品を購入できると考えると……?

この製品の魅力はやはり “純正であること” だろう。当レビューの結論としては、純正品にこだわらなければわざわざ単体で購入する必要はない。もしM2チップを搭載した新型MacBook Airを購入するユーザーで、2口の電源アダプタを購入したいと思うなら、追加で3,000円を払って本電源アダプタを購入してみてはどうだろうか。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。