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HomePodやApple TV 4Kは1台あたりの利益はゼロ、HomePodはむしろ赤字

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HomePodやApple TV 4Kを1台売ることで得られる利益はほぼゼロ。しかも、HomePodに至ってはむしろマイナスであることが判明した。Appleの実情について詳しいJohn Gruber氏が、自身のポッドキャスト 「The Talk Show」 内で明かした。

HomePodやApple TV 4Kは1台あたりの利益がゼロ

Apple TV 4KとHomePodを販売するにあたって、Appleはコストを払っているようだ。

米国でのApple TV 4KおよびHomePodの販売価格は、Apple TVが179ドル(最安モデル)、HomePodは349ドル。しかし、John Gruber氏の情報では、Apple TV 4Kは1台製造するのに180ドル、HomePodに関しては具体的なコストが分からないが、少なくとも販売価格よりもコストの方が高いのだとか。

このコスト計算には部品や各パーツだけでなくR&D(研究開発)費用や各種マーケティング費用等が含まれているとのことで、単に部品だけの費用ではないという点に注意が必要。HomePodは部品費用だけなら216ドルで作られていることがBloombergの報道から分かっている。だが、Gruber氏の言う通りであれば、現状ではAppleがどんなに一生懸命売っても、Apple TV 4KとHomePodは黒字化できない、ということになる。

冒頭でもお伝えした通り、Apple製品は利益率が高いことで有名だ。Gruber氏曰く、Appleの製品の平均的な利益率は38%前後であるということだが、Apple TVとHomePodに限っては例外。本来であれば、Apple TV 4Kなら179ドルではなく、249ドル以上で販売するべきところ。

そうとは知らずに、筆者もApple TV 4KとHomePodを購入した。しかも、Apple TV 4Kについては運送業者に配送を依頼しているため、Appleにとっては負担の方が大きかったはず。

なぜ、AppleはApple TVやHomePodを赤字覚悟で売っているのだろうか。おそらくその理由に最もふさわしいのは、「Apple Music」 などのサブスクリプションサービスの充実を重要視しているから、もっと言うとApple Musicへの加入者を増やすためであると推測される。

Appleは 「Apple Music」 のサービスをiPhoneやiPad、Macだけでなく、Apple Watchでも利用できるようにしているが、さらにApple TVやHomePodといったデバイスでも使えるようにすることで、Apple Music自体の魅力を高めている。

また、Apple TVなら映画やドラマの販売にも繋がる。これらのサービスの利用者を増やすことでApple TVやHomePodで生まれた損失をペイすることを考えたのではないか。

現状ではいくら販売しても黒字化できないかもしれないが、将来的には徐々に製造コストが下がっていくことで赤字から黒字に転換することも十分に考えられる。Appleはこれらを想定した上で、各製品の価格を設定した可能性がある。

こういった戦略は、利益率38%のAppleにとっては珍しいものかもしれないが、実は世界的に見ると似た戦略をとっている企業も多い。

有名なのはゲーム機メーカーであるSONY。「PlayStation 3」 時代に製造コストが販売価格を上回る、いわゆる ”逆ざや” 状態で販売するビジネススタイルを取っていたことがあった。ハードウェアで赤字を生み出すが、代わりにソフト販売で損失を回収するという手法だ。

ただし、この戦略は結果的にゲーム事業の収益を圧迫することになり失敗。のちにSONYはこの失敗を生かし、次世代ハード 「PlayStation 4」 で本体販売だけで利益を生み出せる価格設定を行いソフト開発にも注力、世界的大ヒットを記録する端末を生み出すことができた。この例から分かる通り、”逆ざや” 戦略が必ずしも功を奏すというわけではない。

もちろん、製造原価と販売価格で ”逆ざや” が発生していたSONYとAppleでは事情が大きく異なる。今後、Appleは定額制の雑誌・ニュース読み放題サービスゲーム配信サービス独自映像コンテンツの提供などを計画していると伝えられている。これらのサービスがどれほどの利益を生み出していくかによって、Appleの戦略が正しかったかどうかが明らかになっていくだろう。

[ via 9to5Mac ]

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。