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Beats Fit Pro レビュー。Beatsの大本命イヤホンはAirPods Proを超える?実機で検証してみた

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Apple傘下オーディオブランド 「Beats by Dr. Dre」 は、新型完全ワイヤレスイヤホン 「Beats Fit Pro」 を国内で発売した。

「Beats Fit Pro」 は、2019年に発売した 「Powerbeats Pro」 と、2021年8月に発売した 「Beats Studio Buds」 に続く、Beatsの完全ワイヤレスイヤホンの第3弾にあたる製品。

アクティブノイズキャンセリング (ANC) に対応、ウィングチップで快適な装着感を実現したほか、ダイナミックヘッドトラッキングによる空間オーディオにも対応するなど、まさに 「Pro」 の名にふさわしい仕様になった完全ワイヤレスイヤホンだ。

Beats製品が大好きな筆者は、今回も発売日に 「Beats Fit Pro」 を購入。性能や音質、使用感などをチェックしてみた。Beatsの最新完全ワイヤレスイヤホンが気になっている方は、ぜひ購入時の参考にしていただきたい。

イヤホンのデザインをチェック

こちらが今回レビューする、Beatsの新型完全ワイヤレスイヤホン 「Beats Fit Pro」 だ。プロモデルを謳う製品はiPhone以外ほとんど黒系カラーで統一してきたため、今回もブラックカラーを選んでみた。

「Beats Fit Pro」 のデザインの最大の特徴と言えるのが、本体と一体化した独自のウィングチップ。ぴょんと飛び出した形がチャーミングだが、実はこのウィングチップが製品名にある 「Fit」 、つまり装着感を高めるために重要な役割を担っている。

ワイヤレスイヤホンのウィングチップといえば、すこし硬めの素材が使われていることが多いなか、「Beats Fit Pro」 のそれはフニャフニャと柔らかめのシリコンが使用されていて、耳のくぼみにちょうど良いかたちで固定できるようになっている。

Beats Fit Proはカナル型イヤホン

さらにシリコン製のイヤーチップも適度な柔らかさで、最適なフィット感を実現している。体を激しく動かしても、耳のなかで動いてしまったり、外れてしまったりといったことはなく、安定して装着し続けることが可能だ。

イヤーチップはS/M/Lの3サイズが用意されていて、各ユーザーの耳の穴の大きさに合わせられるようになっている。イヤーチップのサイズは装着具合だけでなく、遮音性にも関係してくるところなので、すべて試したうえで最適なものを使っていただければと思う。

イヤホン背面には、Beatsブランドロゴ 「b」 マークが描かれたボタンが搭載されている。

完全ワイヤレスイヤホンのなかにはタッチセンサー式のコントロールを採用した製品があるが、「Beats Fit Pro」 の場合は物理式ボタン。押しやすく、イメージ通りに操作できるのがとてもグッド。

ボタンの押し方を変えることで様々な操作が可能。1回押しで音楽の再生・停止、かかってきた電話への応答、通話を切断できる。2回押しは曲送り、3回押しは曲戻し、そして長押しでノイズキャンセリングや外部音取り込みなどのリスニングモードの切り替えが可能だ。

長押しに関しては、設定アプリからSiriの起動や音量調整に当てることもできる。ノイズキャンセル/外部音取り込みの切り替えができなくなるので、個人的にはデフォルトのままで使用するつもりだが、ぜひ自分の好みに変更していただきたい。

独自ウィングチップで快適フィット

「Beats Fit Pro」 を実際に装着してみた。着けてみた感想としては、「Fit Pro」 の名のとおり高いフィット感を実現できていて、正直想像以上の快適さだったと感じている。前述のウィングチップとイヤーチップ、そしてユニットの形状もコロンとちょうど良い丸さで、圧迫感も少なく耳の中にすっぽりと収まるからだ。

また、AirPods Proと違ってステム(枝)が存在しないので、物を引っ掛けてポロッと落とす心配もなく、安心して音楽を聴き続けられる。

筐体素材はプラスチック。手触りはスルスル、サラサラといった感じで、長時間着けていても不快感はない。ちなみにイヤホン本体のサイズは高さ1.9cm x 長さ 3cm x 幅2.4 cmでかなり小型、重量は5.6gと軽量。一度装着してしまえば、着けていることもあまり気にならない。

「Beats Fit Pro」 は、イヤホン本体のみIPX4程度の耐汗耐水性能を備えていて、激しく汗をかくスポーツや雨天時にも安心して使用可能。フィット感の高さも含めて、普段使いだけでなくスポーツ用途での購入もオススメ。ちなみに、バッテリーケースは防水仕様ではない点には注意が必要だ。

パカっと開く2枚貝タイプのバッテリーケース

「Beats Fit Pro」 のバッテリーケースは、AirPodsシリーズのケースに比べるとだいぶ大きいが、平たくホタテ貝のような二枚貝タイプでかわいらしいフォルムをしている。

フタをパカっと開くと、イヤホンがふたつ並べて置いてある。イヤホンはマグネットでくっつく仕様になっているので、逆さまにしてポロッと落ちてしまうような事故は起きないので安心してほしい。

イヤホン下にある丸いボタンはペアリングボタン。新しいデバイスとペアリングする際などは、このボタンを長押しすることになる。

ケース前面には、イヤホンやケースの状態を示すLEDインジケータが搭載されている。Bluetoothペアリング中は赤色、充電中は白色に点灯するなど、イヤホンの状態が一目でわかって便利だ。

ケース背面には、充電用のUSB-Cポートが搭載。BeatsのイヤホンやヘッドホンはLightningで充電する形式のものが多かったが、昨年夏に発売した 「Beats Studio Buds」 からはUSB-Cポートが採用されるようになっている。

なお、充電用のUSB-C to USB-Cケーブルは同梱されてくるが、電源アダプタは同梱されてこない。iPad ProやMacBook、Androidスマートフォンなどに同梱されてきた充電器があるならそれらが使用できるが、もし持っていない場合は別途購入しておこう。Appleの純正品にこだわるなら、こちらの製品がオススメだ。

ちなみに、「Beats Fit Pro」 のバッテリーケースはワイヤレス充電には対応しない。筆者は完全ワイヤレスイヤホンの充電にワイヤレス充電を多用するわけではないので、あまりマイナスポイントとは思っていないものの、ワイヤレス充電をマストとしている方はここは要チェックポイントとなる。

充電ケーブルや交換用イヤーチップなどが同梱

「Beats Fit Pro」 の同梱物について。本体充電用のUSB-C to USB-Cケーブルや、交換用のイヤーチップ。取扱説明書のほか、Beatsのステッカーや各種デバイスとのペアリング方法が記載された紙、Apple Musicのトライアルオファーが同梱されていた。

H1チップで快適ペアリング、Androidも対応

AppleやBeatsの完全ワイヤレスイヤホンといえば、「W1/H1チップ」 による “近づけるだけの簡単ペアリング” が有名だが、「Beats Fit Pro」 にもH1チップが搭載されていて、AirPodsシリーズと同じようにiPhoneやiPadなどApple製品に近づけるだけでペアリングを完了できる。

また、接続先の切り替えもスムーズ。おなじApple IDでログインしている製品同士ならわずか数秒で切り替え可能。デバイスを切り替えて音楽を聴き始めるまで、なんと10秒もかからない。この一度この快適さを味わってしまうと、他のイヤホンを使うのが億劫に感じてしまうくらい便利だ。

そのほかH1チップは、「Hey Siri」 への対応やレイテンシの低減にも役立っている。また、接続の安定性にも優れていて、たくさんの電波が混線する大型ターミナル駅でもブツブツと切れることはほとんどなく、接続距離も50mくらいまでなら安定して音楽を再生し続けられる。

「Beats Fit Pro」 はAndroidデバイスとの接続にも対応している。Androidデバイスとは専用のBeatsアプリを利用することでワンタッチペアリング、コントロールのカスタマイズ、バッテリー残量の確認、ファームウェアアップデートなどが可能だ(GoogleのFast Pairには非対応)。

ちなみに、エントリータイプの 「Beats Studio Buds」 にはH1チップは搭載されておらず、デバイス間のシームレスな接続切替えはできなかったが、最近のファームウェアアップデートでそれができるようになっている。とはいえ、H1チップの切替速度にはどうしても負けてしまうことから、このふたつのデバイスで悩んだ際は (予算が許すのなら) 個人的には 「Beats Fit Pro」 をオススメしたいところ。

関連記事:Beats Studio Buds レビュー | ノイキャン対応Beats新型ワイヤレスイヤホンはAppleワールドへの水先案内人

AirPods Proには劣るが違和感なくノイズを消去

「Beats Fit Pro」 は、昨年8月に発売した 「Beats Studio Buds」 とおなじくアクティブノイズキャンセリング (ANC) に対応したイヤホンだ。

ANCは、イヤホン本体に搭載されたマイクが周囲のノイズを検知し、その音を打ち消すアンチノイズを出力することで、不要な音を聞こえづらくするというもの。同機能があると、周囲が多少騒がしくても静かな環境で音楽を聴くことができたり、目の前の作業に集中することができる。

ANCが消せる音は幅広いが、特に効果を発揮してくれるのは風切り音や街の雑踏、飛行機のエンジン音、エアコンの送風音など低い音が鳴り続ける場面。エアコンの送風音程度であれば、ほとんど無音に近いくらいまで音を遮断することが可能。日常生活だけでなく、旅行・出張などでも役に立つ機能だ。

では、Beats Fit Proのノイズキャンセリング性能はどれほどのものなのか。ANC対応イヤホンの中には、キーンと耳が詰まるような違和感が感じられるものもあるが、Beats Fit Proはかなり自然にノイズを消してくれて、快適なリスニング環境を提供してくれる。

実際に部屋の中でBeats Fit Proを使うと、エアコンの音などの継続的なノイズはしっかりと消せていたように思う。キーボードの打鍵音は完全に消えてしまうわけではなかったものの、ある程度は軽減できているようだった。

とはいえ、純粋なノイズキャンセリング性能はやはりAirPods Proの方が上で、耳栓のような使い方 (ANCをオンにして何の音楽もかけない状態) でいるとホワイトノイズが多少発生しているようだった。

Beats Fit Proは耳栓ではなくあくまでイヤホンなので、小さな音で作業の邪魔にならないBGMをかけておくとよさそうだ。なお、Beats Fit ProとBeats Studio Budsのノイズキャンセリング性能はほぼ同等で、あまり性能差はないように感じている。

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イヤホンをつけたままで外の音が聞ける 「外部音取り込み」 に対応

Beats Fit Proには、ANC機能に加えて 「外部音取り込み」 機能が備わっている。

同機能は外の音をあえてイヤホンに取り込むことで、イヤホンをつけたままで電車のアナウンスを聞いたり、誰かと会話できる便利機能。特にBeats Fit Proはしっかりと耳に装着する必要があるイヤホンのため、いちいちイヤホンを外さなくても気軽に外の音が聴ける同機能は必須とも言えるだろう。

外部音取り込み機能を利用するには、右もしくは左のイヤホンのボタンを数秒長押しするだけ。ポコンと気持ちいい音が鳴り、外の音が聞こえるようになる。もちろん、iPhoneなどの接続デバイスからモードを 「外部音取り込み」 に切り替えることでも利用できるが、ボタン長押しによる切り替えの方が簡単なのでオススメ。

実際にBeats Fit Proの外部音取り込み機能を使ってみた。少し音が遠くから聞こえてくるような違和感はあるものの、電車のアナウンスなど外の音は十分に聞き取ることができた。

イヤホンをつけた状態で誰かと会話することも可能だったが、Beats Fit Proはイヤホンの形状からパッシブノイズキャンセリングが効いていることもあり、自分の声がこもってしまうことによる会話のしづらさを感じることはあった。あくまで会話用としてではなく、外の音を取り込むための機能と考えた方がよいだろう。

中〜低音重視のメリハリの効いたサウンド

長年音にこだわってきたBeatsのイヤホンということで、「Beats Fit Pro」 でどんなサウンドが楽しめるのか気になっている人も多いはず。人気のAirPods Proとの比較も含めつつ、Beats Fit Proの音質について紹介していきたい。

Beats Fit Proは、独自のアコースティックプラットフォームにより、パワフルかつバランスに優れたサウンドが楽しめるほか、2枚の振動板を採用した独自ドライバを搭載したことで、クリアなサウンドと高度なステレオセパレーションを実現しているという。

実際に音を聞いてみたところ、音の傾向はかつての低音バリバリのBeatsというよりかはバランス型。そのなかでも中・低音域を重視したものになっていて、ひとつひとつの音がキュッと引き締まった、パワフルかつクール、それでいてメリハリの効いたサウンドに仕上がっていると感じた。ポップスのような明るい楽曲は最大限に楽しめること間違いなし。

また、Beatsらしく低音の表現に秀でていて、空気を震わせるようなベースの音などがしっかり再現できている。ジャズやロックなど、ずっしり重めの楽曲はかなり楽しめるのではないだろうか。

さらにBeats Fit Proはそれぞれの楽器の音の再現度が高く、目をつぶって楽曲を聞いていると、まるで生演奏を聞いているかのようなリアルな音が楽しめるのも大きな特徴だ。思い出のライブのBlu-rayなどを持っているなら、ぜひBeats Fit Proで聴いてみてほしい。懐かしい気持ちを思い出せるはずだ。

ただし、Beats Fit Proは得意な楽曲をステキに聴かせてくれる反面、苦手な楽曲もある。たとえばクラシックの管弦楽曲や交響曲のようにたくさんの音が交錯するような楽曲の表現はあまり得意ではなさそう。どの音にクローズアップしていいのか分からず、ふわふわと全体的に曖昧なサウンドになってしまっているようなイメージだ。

これらの特徴を踏まえた上で、Beats Fit ProとAirPods Proを比較してみた。

AirPods Proは癖のないフラットなサウンドでどんな楽曲もそつなく楽しめるオールラウンダー型。対するBeats Fit Proは楽曲による得意不得意はあるけれど、得意な曲はAirPods Proよりも生き生きとした豊かなサウンドが楽しめる、いわば長所特化型。

さまざまなジャンルの音楽を聴くなら、最終的な満足度はAirPods Proの方が高くなりそうではあるが、中・低音域を強調して音楽を聴きたいという方には、全力でBeats Fit Proをオススメさせていただきたい。

空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキングに対応

「Beats Fit Pro」 は、空間オーディオ機能をフルサポートした完全ワイヤレスイヤホン。空間オーディオに対応した音楽・映画を立体感のある音で視聴することができるほか、ダイナミックヘッドトラッキングにも対応しているのが大きな特徴だ。

ダイナミックヘッドトラッキングは、ジャイロスコープと加速度センサーを活用して、イヤホンをつけているユーザーの頭の動きを認識し、音の出る位置を調整する機能。たとえば、右側で鳴っている音があるとすれば、右側を向いたときにその音が正面から聞こえるようになるなど、自分の向いた方向によって音の聞こえ方が変わってくるため、音に包まれているような不思議な体験が楽しめる。

これまで空間オーディオのダイナミックヘッドトラッキングは、AirPods ProやAirPods(第3世代)、AirPods MaxなどAppleブランドのイヤホン・ヘッドホンのみでしか利用できなかったことから、実質的に、Beats Fit ProがAppleブランド以外でダイナミックヘッドトラッキングに対応した初のイヤホンということになる。

実際にBeats Fit Proで空間オーディオ対応コンテンツを視聴してみたところ、筆者の頭の動きに応じて音の聞こえ方が変わることが確認できた。トラッキングはしっかりとできているようで、AirPods Proなどの対応デバイスとほぼ同じような感覚で立体音響を楽しめる。最近は対応コンテンツも徐々に増えてきていることから、次世代のリスニング体験を楽しみたい方にもBeats Fit Proはオススメと言えるだろう。

ちなみに、Beats Fit ProはAirPodsシリーズなどと同様、ハイレゾロスレスオーディオやロスレスオーディオには非対応なので注意していただきたい。

Appleの 「探す」 対応で紛失リスク減少

画像:Apple

「Beats Fit Pro」 はAppleの 「探す」 機能に対応していて、Appleデバイスの 「探す」 アプリを通じて、最後に通信した場所を確認することができる。万が一イヤホンを落としてしまったとしても、アプリに表示される場所を手がかりに見つけ出せる可能性がある。

また、「探す」 アプリではイヤホンからビープ音を鳴らすこともできる。部屋のどこかにあるはずなのにイヤホンがどうしても見つからないというときには、ビープ音を頼りにイヤホンを探すことができる。

実際にBeats Fit Proからビープ音を鳴らしてみたところ、40平米程度の部屋では音を頼りに無事イヤホンを見つけることができた。急いで出発しなければいけないのにどうしてもイヤホンの片耳が見つからない、そんなときにはまずは一旦落ち着いてアプリからビープ音を鳴らしてみよう。

ノイキャンありでも驚異のバッテリー持ちを実現

「Beats Fit Pro」 のバッテリー駆動時間の公称値は、ノイズキャンセリング状態で最大6時間、なしの状態では最大7時間。バッテリーケース込みで最大24時間使えるという。

実際のバッテリー持ちをチェックするため、バッテリーフルの状態からノイズキャンセリング機能をオンにして、音楽を聴き続けてみた。結果は以下。

バッテリー持ち (ノイキャンあり)
経過時間 バッテリー残量
0:00 100%
0:30 93%
1:00 85%
1:30 77%
2:00 69%
2:30 61%
3:00 53%
3:30 46%
4:00 38%
4:30 31%
5:00 23%
5:30 15%
6:00 8%
6:30 0%

上記のテスト結果から、ほぼAppleが案内しているとおりのバッテリー持ちになっていることが確認できた。

6時間も持つのなら、通勤/通学時や散歩など日常生活においてはバッテリー持ちを気にせず使えるだけでなく、ランニングやウォーキング、この冬時期で言えばスキーやスノーボードといった長時間におよぶアクティビティでも十分活躍できるはずだ。

ちなみにこのバッテリー持続時間は、AirPods(第3世代)とほぼ同等(最大6時間)で、AirPods Pro(4.5時間)やBeats Studio Budsよりも長い。つまり、「Beats Fit Pro」 はApple、Beatsのイヤホンのなかで、最も長く駆動できるノイズキャンセリング機能付きイヤホンということになる。ノイズキャンセリング機能ありで、かつ長くバッテリーが持つイヤホンが欲しいならば、「Beats Fit Pro」 を購入するのはアリかもしれない。

どんな場所でもクリアな音声で通話可能

最後は 「Beats Fit Pro」 のマイク性能について。結論から言うと、非常に優秀だ。

昨日、筆者はテストがてら友人に電話をかけてみたのだが、人通りの多い市街地を歩いているにも関わらず、相手にハッキリと声が聞こえていたとのこと。Beats Studio BudsやAirPods Proとも切り替えてテストしてみたが、いずれもクリアに聞こえていたとのことなので、同等の性能はもっているものとみられる。

Appleによれば、Beats Fit Proにはデュアルビームフォーミングマイクが搭載されていて、話者の声を認識して、周囲の音や風切音などのノイズを取り除き、クリアな音質を実現しているという。

このクリアなマイクを搭載しているおかげで、イヤホンを装着した状態で電話が突然かかってきても、イヤホンは外さずそのまま話し始めることが可能。電話がかかってきたら、イヤホンの 「b」 ボタンを1回押すだけで通話できるため、電話がかかってきた時はぜひお試しいただきたい。

まとめ:Beats Fit Proはどんなユーザーが購入するべきなのか

左からBeats Studio Buds、Beats Fit Pro、Powerbeats Pro

今回は、発売したての 「Beats Fit Pro」 をレビューした。上記検証から、Beats Fit Proは人気のAirPods Proに負けないくらい、高い性能を持った完全ワイヤレスイヤホンであることがお分かりいただけたかと思う。

AirPods Proのようにワイヤレス充電機能はないものの、代わりにバッテリー駆動時間が長く、ノイズキャンセリング機能も使える。

しかも、「Fit Pro」 の名のごとく高いフィット感で、日常使いはもちろんスポーツユースにもバッチリ。IPX4の防水性能もあるので、グズついた天気の中でも安心して使うことが可能だ。

音質についても、フラット気味ですこし無難さのあるAirPods Proに比べて、Beats Fit Proは低音域・高音域を強調したダイナミックな音が持ち味。音の好みは人それぞれとは思うが、実際に聴き比べてみたら、AirPods ProよりもBeats Fit Proの音が好みと感じる人も結構多いと思う。

そんな特徴を持ったBeats Fit Proは、実はAirPods Proよりも約5,800円安く手に入る。そう考えればBeats Fit Proはかなり魅力的に見えてくる。

AirPods Proにはないブラックやセージグレイ、さらにはストーンパープルといったかわいいカラーが用意されている点もグッドなポイントだ。Googleの 「Androidのデバイスを探す」 機能やFast Pair機能には対応しない (Appleの探すアプリには対応) ものの、Apple製品との連携はAirPodsシリーズと同様に強い。

もし今、AirPods ProとBeats Fit Proのどちらを買う?と聞かれたら、筆者ならBeats Fit Proの方を選んでしまうだろう。全体的にとても高い完成度をもつ製品で、発表された段階から 「大本命」 と言ってきたが、筆者の眼力に狂いはなかったと正直安心している。

最も懸念すべきは、ワイヤレス充電機能が必要か否か。もし必要なら、これまでどおりAirPods ProあるいはAirPods(第3世代)を選ぶべきだが、もし必須と感じていないのなら、ちょっぴりお得に買えるBeats Fit Proを選んでみても良いのかもしれない。

おまけ:Beats Fit Pro、Beats Studio Buds、AirPods Proの3台で機能比較

以下の表はそれぞれ似た特徴をもつ3台のイヤホン、Beats Fit Pro、AirPods Pro、Beats Studio Budsを比較したものになる。各機能の違いはこれで一目瞭然。購入の参考になればと思う。

AirPods Pro・Beats Fit Pro・Beats Studio Budsの比較
  AirPods Pro Beats Fit Pro Beats Studio Buds
サイズ 高さ:30.9mm
長さ:24.0mm
幅:21.8mm
高さ:19.0mm
長さ:30.0mm
幅:24.0mm
高さ:15.0mm
長さ:20.5mm
幅:18.5mm
重量 片耳5.4g 片耳5.6g 片耳5.0g
ケースサイズ 高さ:45.2mm
長さ:60.6mm
幅:21.7mm
高さ:28.5mm
長さ:62.0mm
幅:62.0mm
高さ:25.5mm
長さ:72.0mm
幅:51.0mm
ケース重量 45.6g 55.1g 48.0g
防水性能 IPX4 IPX4 IPX4
アクティブノイズキャンセリング
外部音取り込み
空間オーディオ
ダイナミックヘッドトラッキング ×
H1チップ ×
Hey Siri
Google Fast Pair × ×
Apple 「探す」
Android 「デバイスを探す」 × ×
バッテリー持ち

イヤホン単体:最大5時間
ケース使用:最大24時間

ANC/外部音取り込みモード時
イヤホン単体:最大4.5時間
ケース使用:最大24時間

イヤホン単体:最大7時間
ケース使用:最大24時間

ANC/外部音取り込みモード時
イヤホン単体:最大6時間
ケース使用:最大24時間

イヤホン単体:最大8時間
ケース使用:最大24時間

ANC/外部音取り込みモード時
イヤホン単体:最大5時間
ケース使用:最大15時間

充電ポート Lightning USB Type-C USB Type-C
ワイヤレス充電 × ×
カラー ・ホワイト ・Beatsブラック
・Beatsホワイト
・ストーンパープル
・セージグレイ
・ブラック
・ホワイト
・Beatsレッド
価格(税込) 30,580円 24,800円 17,800円
発売日 2019年10月30日 2022年1月28日 2021年8月11日

各機能・性能の違いは当レビュー記事のなかでいくつか紹介しているが、最も注目すべきはBeatsのイヤホンがどちらもワイヤレス充電に対応していない点。ワイヤレス充電が必要な場合はAirPods Proを選ぶのが最適だろう。

また、Androidでの使用を考えるならば、Beatsシリーズにやや軍配が上がる。特にBeats Studio Budsは空間オーディオの面で弱いものの、GoogleのFast Pairに対応しており、対応するAndroidデバイスでスムーズにペアリング可能だ。手軽なお値段でノイズキャンセリング機能を利用できるというメリットもある。

そして今回のBeats Fit Proは高い装着感と、ダイナミックな音質。そしてコストパフォーマンスの高さが魅力。AirPods ProとBeats Studio Budsの良いところを併せ持った、ある意味一番完成度の高い製品とも言えるかもしれない。Beatsのイヤホンの中では最高の製品のひとつだろう。

上記比較は、どれが一番優れているかというものではなく、あくまで参考程度に考えていただきたいが、筆者個人的にはオールラウンダーのAirPods Proあるいはコストパフォーマンスに優れるBeats Fit Proをオススメしたい。

▼ Apple公式サイトで各イヤホンを購入する
AirPods Pro
Beats Fit Pro
Beats Studio Buds

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Beats、Beats by Dr. Dreおよび 「b」 のロゴは、Appleの子会社であるBeatsの商標、サービスマークです。

(当サイトで使用している画像は、いずれも正しい形での引用を行うか、各権利者に許諾を得て掲載しています。)

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。