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『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』レビュー。映像体験が向上、新装備を駆使して再び北米大陸を繋げ

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小島秀夫監督率いる 「コジマプロダクション」 の初作品であり、「ストランドゲーム」 という新たなゲームジャンルを作り上げたPS4タイトル『DEATH STRANDING』。

9月24日、いよいよそのリマスター作品にあたる『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』が、PS5向けに発売する。

本作は新たなストーリーやミッションに加えて、配達をサポートする便利アイテムなど多数の新要素が追加されている。

今回、『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』の発売に先立ち、先行プレイの機会をいただいた。PS5版ならではの特徴や新要素など、本作の魅力について詳しくご紹介したい。

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』とは

主人公のサム・ポーター・ブリッジズ

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は、2019年に発売したPS4タイトル『DEATH STRANDING』をPS5向けにリマスター化し、多数の新要素を追加した作品だ。

『DEATH STRANDING』は、ノーマン・リーダス、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、リンゼイ・ワグナーら世界的名優たちが出演したことをはじめ、プレイヤー自身のゲームプレイによって誰かと繋がりお互いに助け合う 「ソーシャル・ストランド・システム」 という斬新なシステムが話題を呼んだオープンワールド・アクション・アドベンチャーゲームだ。

「デス・ストランディング」 と呼ばれる現象により人々や都市が分断され、荒廃してしまった世界。人類は互いの繋がりを失い、滅亡の危機を迎えていた。主人公のサム・ポーター・ブリッジズは、孤立し動くことができなくなった人々のために”未来”を運ぶ任務に赴く。

サムが請け負った任務は、北米大陸を東から西に横断し、分断されてしまった各都市をふたたび 「アメリカ合衆国」 としてひとつにすること。

他プレイヤーと資材を出し合い建設物を設置

広大な北米大陸を横断するという一見無謀な任務を遂行する上で重要になるのが、「ソーシャル・ストランド・システム」 の存在だ。

オンライン上の “誰か” とフィールド上の梯子などのアイテムや建設物などを共有し合うことで、より安全に、かつ効率よく荷物を配達できるようになる。橋などの大型の建設物を作る際には、お互いに資材を出し合って作り上げることもできる。

他のプレイヤーから共有されたものには 「いいね」 ができるようになっていて、逆に自分が配置したものが他のプレイヤーから 「いいね」 されることも。常に他のプレイヤーが見える完全なオンラインというよりは、何らかの形でほんのりと他のプレイヤーとの繋がりを感じられる不思議なオンライン体験、それが 「ソーシャル・ストランド・システム」 だ。

誰かがかけてくれた梯子で崖を登る

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は、PS5でのプレイに最適化されたことで、DualSense ワイヤレスコントローラーのハプティックフィードバックやアダプティブトリガーによるリアルな体験ができるようになったほか、超高速SSDによる高速ロードで、途切れないスムーズなゲームプレイが可能になった。3Dオーディオにも対応し、臨場感あふれるサウンドを楽しめる。

また、新要素の追加やゲームプレイに関する改良により、さらにゲームプレイが楽しく、快適になったのも大きな特徴だ。新ミッションやエリアなど、さまざまな要素も追加されており、すでにゲームをクリアしたプレイヤーが楽しめる要素も充実している。

プライベートルームではサムのお茶目な一面も見れる

ちなみに、『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は、PS4版『DEATH STRANDING』からのセーブデータの引き継ぎに対応している。すでにゲームをクリア済みの方も、まだ途中の方も、データを引き継いだ状態でプレイすることが可能だ。

ただし、本作はゲーム序盤からさまざまな調整が行われていたり、新要素によりこれまでとは違うプレイスタイルが選択できるようになるなど、さまざまな工夫が加えられていることから、この機会にまた初めからプレイし直すのもオススメだ。

本作のプレイフィールについて

時には荷物を奪い取ろうとする敵と戦うことも

ここからは、実際に筆者が本作をプレイしてみて感じたことを書いていきたい。まずは、プレイフィールについて。

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は、PS4からPS5にプラットフォームを移し、随所がアップグレードされたことで、前作からさらに没入感が高められている。

特に、フレームレート向上による画質の向上は目を見張るものがあり、PS4版で慣れたプレイヤーなら初回起動直後からその進化を感じられるはずだ。

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は、拡張4K/60fpsのパフォーマンスモードと、ネイティブ4Kのフィデリティモードが用意されている (どちらもHDR対応)。オリジナルの『DEATH STRANDING』も元より美麗な作品ではあったのだが、PS4 Proでも4K/30fpsを上限としたこともあり、モッサリしていた印象を受けた。

しかし、今作のパフォーマンスモードのヌルヌル度は段違い。カメラをグルグル回したり、ダッシュするサムの脚の動きなどがクッキリ見えるように。

また、フレームレートの向上は “時雨 (タイムフォール)” の表現もより豊かになり、降りしきる雨の中をサムが歩いていく様子がハッキリと見えるようになった。テクスチャのクオリティは前作とそんなに大きく変わってはいないものの、フレームレートの向上のおかげで世界はよりクリアに見えるようになっている。

乗り物を使って荷物を運搬できる

そして、個人的にすごく嬉しかったのが、PS5の高速SSDによるローディングの高速化。PS4版『DEATH STRANDING』はロードがすこし長めだったが、今作の場合、待機時間はほとんどなくなったと言っても過言ではない。

最低でも2〜3分はかかっていたゲーム起動は、最短数秒で完了する。都市間の移動に使用するファストトラベル機能 「フラジャイル・ジャンプ」 も、約1秒後には移動が完了してしまう。そのほかにも、ムービーシーンとプレイアブルシーンとの繋ぎ目のローディングも高速に。もうPS4時代に戻ることはできなくなるだろう。

他の配達人 (ポーター) と出会うことも

また、PS5の特徴のひとつであるDualSenseワイヤレスコントローラーの内蔵スピーカー、ハプティックフィードバックとアダプティブトリガーの対応によってエクスペリエンスが向上している。

たとえば、荒々しい溶岩平原地形を歩くとき、コントローラーからは 「ザリザリッ」 とサムが岩を踏んだ音が聞こえてくる。また、地面の形状に合わせて細かい振動も伝わってきて、サムがどんな地形を歩いているのかを手元で感じとることができる。

サムは基本ゴツめのブーツを履いているので、これくらいの地形なら足の痛みを感じることはあまりなさそうだが、アスファルトの安全な道路を歩く筆者には、この音を毎回聞くだけで 「痛そう…」 「歩きにくそう…」 と感じられてしまう。

アダプティブトリガーは主に武器の使用時に真価を発揮。たとえば敵を拘束できるボーラガンを撃つ際は、拘束用ロープを張る手応えが感じられたり、グレネードを投げる際にはわずかだがトリガーに重みを感じることも。武器によってトリガーの感触が違うのも地味に面白かったりする。

新要素①新たな便利アイテム

新実装のメーザー銃

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』をプレイするにあたり、多くのプレイヤーが期待しているのが新しい装備や武器などの追加ではないだろうか。

すでにプレビュートレーラー等で紹介されているものも多いが、ゲーム序盤で便利に感じたのが 「メーザー銃」 と 「サポートスケルトン」 だ。

「メーザー銃」 は、電撃によって敵に気絶ダメージを与える非殺傷武器。車両を攻撃すれば、乗っている敵に気絶ダメージを与え、同時に車両から下ろすこともできる。電撃が届く距離は比較的短めだが、ヘッドショットを狙えば一発で相手を気絶させることも可能。

サポートスケルトンを装着し配達の負荷を軽減

「サポートスケルトン」 も優秀な装備だ。同アイテムはアクティブスケルトンの一種で、装備することで荷物を持ったときの負荷を軽減したり、ブースト時の速度がアップする。

配達中には、誰かの落とし物や建設物を作るための素材を見かけることも多く、ついつい任務に関係ないものも拾ってしまいがち。そんなときにはサポートスケルトンを使えば、荷物の負荷を軽減し、快適に移動できるようになる。

サポートスケルトンはブースト時の速度も速くなるため、時間制限が設けられた配達依頼のときなど、ひたすらダッシュするときにはとても便利。ただしブースト時にはバッテリーを消費するため、バッテリー切れには注意しよう。

メーザー銃やサポートスケルトンの詳しい入手方法は、プレイしてからのお楽しみということで伏せさせていただくが、かなり序盤でも手に入れられるようになっている。

遠距離攻撃ができる武器や荷物の負荷を軽減するアイテムは従来から存在するものの、それなりにストーリーを進めないと入手できず、序盤はかなり地道なプレイが求められていた。これらの武器・装備を駆使すれば、最初からプレイする場合でも以前より快適にプレイできるはずだ。

新たな建設物 「荷物カタパルト」

新要素②訓練場

ターゲットを撃って武器の練習が可能

新しい武器を手に入れたら、早速試してみたくなるのがゲーマーの性。しかし、いきなり慣れない武器を使って本物のミュールやBTと戦うのはちょっと腰が引けるもの。そんなときに便利なのが 「訓練場」 だ。

訓練場では、さまざまな武器を自由に使ってターゲットを撃ち、武器の使い方を練習することができる。初めて使う武器の仕様を把握するのにはぴったりだ。

演習では敵との戦い方を練習できる

また、訓練場ではただターゲットを撃つだけでなく、「演習」 という訓練モードのようなものも用意されている。用意された武器を使ってミュールやBTを相手に戦うことができるモードで、先ほどのターゲットを撃つのが練習編とすると、こちらは実践編といったところか。

演習では失敗してもすぐにリスタートすることができるので、気兼ねなしにミュールやBTとの戦い方を研究できる。演習はストーリーが進むにつれてどんどん種類が増えていくので、たまに確認してあらゆるシチュエーションで戦えるように備えておこう。

ちなみに、演習クリア時には通常の配送ミッションと同じようにプレイヤーの行動がスコア化され、具体的な評価を確認できるようになっている。すべての演習でSランク評価を受けられるよう、やり込んでみるのも面白そうだ。

新要素③新エリア 「廃工場」

新エリア 「廃工場」 内部の様子

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』では、新しいエリアが追加されている。プレビュートレーラーでも紹介されていた謎の施設 「廃工場」 だ。

廃工場には比較的早い段階で行けるようにはなるものの、1回のミッションで内部をすべて探索できるようになるわけではなく、ミッションの進行度に合わせて何度か訪れることになり、その度に徐々に深部に進んでいくことになる。

廃工場の内部は目出し帽をかぶった多数の敵が周囲を見回っており、どこか某潜入ゲームを彷彿とさせる雰囲気。ひとたび見つかってしまうと狭い空間で多数の敵を相手にしなければならなくなるため、隠密行動を取るのが吉だ。

はたして深部に進むにつれて明らかになる真相とは?普段の配達ミッションとは少し違う雰囲気の 「廃工場」 ミッション、ぜひあなたの手でプレイして確かめていただきたい。

新たに追加された 「レース場」 ではカーレースも楽しめる

『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』レビューまとめ。プレイしてみて感じたこと。

筆者は以前にPS4版『DEATH STRANDING』をプレイしていたのだが、今回『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』に触れたことで、改めて『DEATH STRANDING』がどのような作品なのかじっくりと考えてみることができた。

広大な北米大陸を歩き回り、各地に荷物を届けながら西を目指していく過程で、サム(プレイヤー)はさまざまな困難に直面する。岩だらけで車両では通れないような悪路や行く手を阻む深い川、ミュールやBTなどの手強い敵たち。

サムの前に立ちはだかる強大な敵

サムに襲いかかる幽霊のような敵 「BT」

悪路で転んだり、川に流されてしまうと心が挫けてしまいそうになるし、大量のBTに囲まれると怖くて手汗が止まらなくなってしまう。現実で困難に直面しているわけではないのに、それぞれの体験が妙にリアルに感じられるおかげで、いつも画面の中のサムと同じような表情をしながらプレイしている自分がいる。

やっとの思いで拠点に辿り着き、カイラル通信を繋ぐと、自分と同じように苦労してここまで辿り着いた他のプレイヤーたちの痕跡を見ることができる。「この道が便利なのか」 「こういう地形に梯子をかければ便利だ」 など、それぞれの痕跡から新たな “気付き” に出会うこともある。

筆者は便利な場所に梯子やパイル、建設物などを置いてくれたプレイヤーには、大量の 「いいね」 を送るようにしている。いいねしたり、されたり。こうやって見ず知らずの他人に色々な知識を教えてもらったり、感謝しながら進んでいくのが『DEATH STRANDING』の醍醐味なのかなと感じている。

昨年や今年は、人と人が繋がりを持つことの重要性が再認識された年だった。移動や外出が制限され、人々はリモートでコミュニケーションを取ることを強いられ、直接会う機会を失った。

思い返してみれば、コロナ禍以前コミュニケーションにまつわる話はネガティブなものが多かったように思う。仕事の話、家族の話、将来の話などなど……。人々は日々の生活のなかで感じた不満や不安をSNSなどに書き込む。

人との繋がりが薄くなったことで、かつて感じていた不満や不安は解消されたという声を耳にしたことがある。人との繋がりがなくなれば、他人を気にする必要がなくなる。自由は楽しい。ただ、これも度が過ぎれば孤独になってしまうことも。この “孤独” を生みだす元凶が、本来人々を繋げるはずの “コミュニケーション” だったのなら、これほど悲しいものはない。

『DEATH STRANDING』は、コミュニケーションの本来の楽しさを思い起こさせてくれる。誰か見知らぬプレイヤーのために橋や梯子などのインフラを設置したり、看板を置いて危険であることを注意喚起したり。これに対する不必要なネガティブな反応は存在しない。

コミュニケーションは本来、相手を思いやることで成り立っていたはず。相手がそれを感じ取ってくれたなら、両者の間には ”信頼” が生まれ、新たな関係が構築されていく。

一般的なオンラインゲームとは違い直接的な交流は生まれないが、『DEATH STRANDING』でも人と密接に繋がる場面がある。信頼が生まれサムを指名した依頼が舞い込んできたり、いっぱい 「いいね」 してくれたり、役に立つものを多く設置してくれた他プレイヤーと “ストランド契約” を結んだり。

困難な配達の先で生まれた優しさが、新たな出会いを作り、最終的には物語終盤までプレイヤーを良い方向に導いてくれる。こんなやさしさに溢れた体験をできるゲーム作品、筆者は『DEATH STRANDING』以外には思い当たらない。まさに唯一無二な本作、こんなご時世だからこそ、ぜひ多くのプレイヤーにプレイしてもらえたらと思う。

もちろん、オリジナルの『DEATH STRANDING』をプレイしたプレイヤーにも本作はオススメ。新規コンテンツが入ったことで、楽しみ方も変わるはず。フレームレート向上で映像も綺麗になったことだし、分断された世界を再び繋ぐサムの旅を改めて体験してみてはどうだろうか。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。