【比較】「Galaxy S9 / S9+」は前モデル「Galaxy S8 / S8+」からどれほど進化したのか 購入すべきかどうか検証

日本時間26日午前2時、韓国Samsungは新型フラグシップスマートフォン「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」を発表した。

当ブログでは、「Galaxy S9 / S9+」の詳細について速報記事(以下)を掲載したが、ブログに寄せられた声の中に、「前モデルからの変化が少し分かりにくい」というものがいくつかあった。

Samsung曰く、今回の新型モデルはカメラ性能の向上に力を入れたという。しかし、「Galaxy S9」は前モデルに比べるとデザインの変化に乏しい上に、少々マニアックなアップデートとなっている感も否めず、ユーザー目線的には何が変化したのか分かりづらいのかも知れない。

そこで同記事では、「Galaxy S9」シリーズが昨年に発売した「Galaxy S8」シリーズに比べて、何がどれほど進化したのかを分かっている範囲でお伝えしたいと思う。また、海外メディアを中心に早くもハンズオン動画が公開されているので、記事の最後で併せて紹介しておきたい。

「Galaxy S9」と「Galaxy S8」の変更点一覧

それでは早速、「Galaxy S9」と「Galaxy S8」の違いを見つけていこう。まずは、アップデートされた箇所を一気に羅列してみた。変更点は以下の通り。

「Galaxy S8」→「Galaxy S9」
  • 新プロセッサの搭載で処理性能が30%向上
  • 内蔵ストレージは64GB/128GB/256GBの3種類(ラインナップは販売地域やキャリアによって異なる)
  • 外部ストレージ(SDXC)最大容量が400GBまでサポート
  • レンズの絞りがF/1.5〜F/2.4の可変に
  • スーパースローモーション映像の撮影が可能に(960fps)
  • スピーカーがモノラルからステレオに
  • 指紋センサーがカメラ下に配置され、認証がしやすく
  • 自身のアバターを作る「AR Emoji」が利用できるように
「Galaxy S8+」→「Galaxy S9+」
上記に加えて、

  • RAM容量が4GBから6GBに
  • 背面カメラがデュアルレンズ(広角+望遠)に

以上がほぼ全ての変更点だ。

上記をご覧いただければお分かりいただけるだろう。「Galaxy S9」シリーズには大幅な変更点はほとんどなく、いわゆるマイナーアップデートが実施された、ということが。

ただし、外見の変化もいくつかある。まずは、背面の指紋センサーの位置の変化から。

本体デザインはわずかに変化 ただし指紋センサーの位置変更は大きな改善か

S8シリーズはカメラの右に指紋センサーがある

これまではカメラの真横に配置されていたセンサーが、新型モデルではカメラの真下に配置されることになった。これはデュアルレンズカメラを搭載した「Galaxy S9+」でも一緒。

これによって指紋認証をする際に、指紋認証をしやすくなった。海外のユーザーからは、同変更を喜ぶ声がチラホラ。ただ、一方でセンサーの位置を変更するよりも、画面にセンサーを内蔵することを熱望していたユーザーもいたようだ。

その他にもわずかな違いだが、端末上下のベゼルが少しだけ狭くなっていることや、エッジの曲面ディスプレイがわずかに”立った”デザインになったことも明らかになっている。

この辺りは同記事下のハンズオン動画で触れられているので、実機はそちらをご覧になっていただきたい。

処理性能の向上

「Galaxy S9」シリーズで大きな変更点の一つが、処理性能の向上。「Galaxy S8」シリーズは「Snapdragon 835」もしくは同等の性能を持つ「Exynos 8895」が搭載されていたが、「Galaxy S9」には「Snapdragon 845」もしくは「Exynos 9810」が搭載されている。

Samsungによると、これらのプロセッサにアップグレードされたことで、処理性能は従来の30%速く、またAI処理に関しては従来比較で3倍の速度で処理できるようになったという。劇的な進化とは言えないかも知れないが、1年越しのアップデートとして着実な進化を遂げていることがわかる。

S9シリーズに搭載されている「Exynos 9810」

ちなみに、RAM容量は4GBのままとなっているが、「Galaxy S9+」のみ6GBのメモリを搭載するという。なぜ「S9+」だけ同変更が施されるのかは不明だが、デュアルレンズカメラの合成処理のためにメモリ容量を増やした可能性がある。

その他、ストレージ容量も64GBの一択から、128GBと256GBの選択肢が新たに加わった(ラインナップは販売地域やキャリアによって異なる)。また、SDXCの最大容量も256GBから400GBまで増加していることから、撮った写真や動画をバシバシ保存しておくことができるようになっている。

カメラ性能が大幅に向上、絞りの可変やスーパースローモーションの撮影が可能に

そして、ここからは最も重要なアップデート。「Galaxy S9」シリーズのアップデートの大部分は、カメラにあると言っても過言ではない。

まずは注目されていたレンズの可変機能について。

発表によると、「Galaxy S9」は暗所での撮影が得意なF値1.5の絞りと、十分に光を得ることができる明るい場所での撮影が得意なF値2.4の絞りを適宜変更することができるようになった。具体的には、カメラモジュール内にある絞り羽根が機械的に動くことで実現しているという。

これまでも、前モデルの「Galaxy S8」が暗所での撮影が得意と言われていたが、「Galaxy S9」で絞りが可変になったことで、どんなシチュエーションでも綺麗な写真を撮影することが可能になったということだ。

そして、写真のノイズを低減する機能「マルチフレームノイズリダクション」も、カメラにメモリを内蔵したイメージセンサーを採用したことで大幅に向上。

「Galaxy S8」や「Galaxy Note 8」では3枚の画像を1枚に合成することでノイズの低減を測っていたが、「Galaxy S9」では合計12枚の写真を1枚に合成することで、30%のノイズの低減を実現している。Samsungは、これまで強みだった「暗所での撮影」に磨きをかけたようだ。

  Galaxy S9 Galaxy S9+
背面カメラ

シングルレンズ
1,200万画素

F/1.5〜F/2.4

デュアルレンズ
広角:1,200万画素(F/1.5〜2.4)
+
望遠:1,200万画素(F/2.4)

インカメラ 800万画素
F/1.7
800万画素
F/1.7

また、「Galaxy S9+」にはシリーズ初のデュアルレンズカメラが搭載される。デュアルレンズカメラが搭載されることで、今まで以上に遠近感のある写真の撮影が可能になり、広角・ズーム撮影が可能になっているとのこと。

また、カメラのスローモーション撮影(最大960fps)も可能になった。0.2秒の動画を6秒に引き延ばすことで実現した機能となっている。スローモーション撮影は自身の手で撮影することも可能だが、被写体の動きを検知し、自動でスローモーションにしてくれる機能が搭載されているため、ベストなタイミングでスローモーション撮影をすることが可能だ。

また、カメラ関連で最後の注目ポイント、「AR Emoji」について。

これは、Appleの「Animoji」に対抗するべく作られた機能。Galaxyが提供する「AR Emoji」は、ユーザーの顔をスキャンして、ユーザーにそっくりのアバターを作る機能。

この「AR Emoji」は、Appleの「Animoji」ほどキュートなものではないようで、海外からの反応では「イマイチ」という声も。この「AR Emoji」は作成後に、GIFアニメとして端末内に保存し、メッセージアプリから送信することが可能であるとのこと。このGIFアニメに対応したアプリケーションであれば、利用することができるとのことなので、TwitterなどのSNSに投稿することも可能なのかもしれない。

顔認証と虹彩スキャンを組み合わせて同時に認証する「インテリジェントスキャン」

「Galaxy S9」シリーズの生体認証には、「Galaxy S8 / S8+」や「Galaxy Note 8」と同様、顔認証と虹彩スキャン、指紋認証が採用されている。

従来までは、この顔認証と虹彩スキャンの2つは同時に有効にすることができず、必ずどちらかを選んで使用する必要があったが、「Galaxy S9」シリーズでは顔認証と虹彩スキャンを組み合わせて同時に認証を行う「インテリジェントスキャン」が搭載されている。

同機能により、明るいところでの認証に弱い虹彩認証と、暗いところでの認証に弱い顔認証の弱点を補って認証できるので、従来よりもスムーズに認証を行うことが可能だ。

また、2つのチェックを同時にすることで、セキュリティー性の向上にも一役買っている。以前の「S8」シリーズでは顔写真で認証を突破されてしまうという脆弱性があったが、「S9」シリーズでは認証をそう簡単に突破させてはくれなさそうだ。

ステレオスピーカーがGalaxyシリーズで初めて搭載

カメラ性能の向上に比べると比較的地味ではあるが、「Galaxy S9 / S9+」ではステレオスピーカーが搭載されるという、とても重要なアップデートが行われている。

これまで、Galaxyシリーズのスピーカーにはモノラルスピーカーが採用されており、ステレオスピーカーを搭載したスマホに一歩遅れをとってしまっていたが、今回の「S9」シリーズでようやくステレオスピーカーが採用された。

1つしかなかったスピーカーが2つになったことで、音量が1.5倍に増幅し、動画やゲームなどで本体から音を出す際に、より高音質で迫力のある音で楽しめるようになった。

このステレオスピーカーは、Samsungの傘下のAKGがチューニングを担当しており、クオリティの高いサウンドを提供してくれるとのこと。

また、ステレオスピーカーとは直接的には関係ないが、同梱のイヤホンもAKGが開発したものとなっており、音質はお墨付きだ。

「Galaxy S9」シリーズは買い?

同記事では、「Galaxy S9 / S9+」が前モデルからどの程度変化したのかを詳しくまとめてみた。

外見上の変更は割と少ないものの、ほぼすべての変更点を解説していくと、なんだかんだ言って6000文字を超えるほどの分量になってしまった。案外、少ない変化に感じていたが、実は中身は大きく変わっていたのかもしれない。

ただし、ここまで書いたからには「Galaxy S9」シリーズは買いかどうか、言及せざるを得ないだろう。果たして、「Galaxy S9」は魅力的な端末なのだろうか。

もちろん、「Galaxy S9 / S9+」は現行のAndroid端末の中で最も性能の高い端末であると言って間違いないはずだ。まだ比較はしていないが、おそらくAppleの最新フラグシップモデル「iPhone X」と肩を並べる性能だと思われる。2年以上前の端末を使っているユーザーであれば、良い買い物になると言えるだろう。

ただし、前モデルの「Galaxy S8 / S8+」から乗り換えるには、少々物足りないアップデートであると筆者は感じている。そのため、「Galaxy S8」のカメラ性能に不満がないようであれば、購入せずに来年のアップデートを待ってみても良いのではないだろうか。もしくは今年の後半に登場する可能性のある「Gakaxy Note 9」に期待するのもアリかもしれない。

記事の下に海外メディアから公開されたばかりのハンズオン動画を掲載しておく。また、合わせて「Galaxy S8 / S8+」と「Galaxy S9 / S9+」のスペック比較表も掲載しておいた。新型モデルがどのような端末に仕上がっているのか、また前モデルとどの点が変化したのか確認したい方は是非一度ご覧になっていただきたい。

「Galaxy S9」と「Galaxy S9+」の価格は、「Galaxy S9」が719.99ドル(約7.5万円)から、「Galaxy S9+」が839.99ドル(約8.3万円)から。

発売は米国内で3月16日、すでに予約受付は開始されているが、海外キャリアでの予約は3月2日から開始されるとのこと。日本での発売に関しては未発表だが、おそらく国内大手キャリアから発表されることが予想される。

カラーラインナップは、ミッドナイトブラック、コーラルブルー、ライラックパープル、チタニウムグレーの4色が用意されている。

  「Galaxy S8」シリーズ 「Galaxy S9」シリーズ
Galaxy S8 Galaxy S8+ Galaxy S9 Galaxy S9+
ディスプレイ SUPER AMOLED(有機EL)
解像度:2,960 × 1,440
SUPER AMOLED(有機EL)
解像度:2,960 × 1,440
ディスプレイサイズ 5.8インチ 6.2インチ 5.8インチ 6.2インチ
プロセッサ Snapdragon 835
Exynos 8895
Snapdragon 845
Exynos 9810
OS Android 7.0 Android 8.0
メモリ 4GB 4GB 6GB
ストレージ容量 64GB 64GB / 128GB / 256GB
外部メモリ
(microSDXC)
最大256GB 最大400GB
通信 Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.0
Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.0
背面カメラ

シングルレンズ
1,220万画素
F/1.7

シングルレンズ
1,200万画素
F/1.5〜F/2.4

デュアルレンズ
広角:1,200万画素(F/1.5〜F/2.4)
+
望遠:1,200万画素(F/2.4)

インカメラ 800万画素
F/1.7
800万画素
F/1.7
ビデオ 4Kビデオ撮影 スーパースローモーション(960fps)
4Kビデオ撮影(30fps / 60fps)
QHDビデオ撮影(30fps)
1,080p HDビデオ撮影(30fps / 60fps)
720p HDビデオ撮影(30fps)
センサー 気圧センサー
加速度センサー
ジャイロセンサー
地磁気センサー
ホールセンサー
心拍センサー
近接センサー
照度センサー
気圧センサー
加速度センサー
ジャイロセンサー
地磁気センサー
ホールセンサー
心拍センサー
近接センサー
照度センサー
生体認証 虹彩認証 / 顔認証 / 指紋認証 虹彩認証 / 顔認証 / 指紋認証
バッテリー容量 3,000mAh 3,500mAh 3,000mAh 3,500mAh
充電端子 USB-C USB-C
ワイヤレス充電
スピーカー モノラル ステレオ
防水・防塵 IP68 IP68
本体サイズ
重量
149×68×8.0mm
150g
160×73×8.1mm
173g 
147.7 × 68.7 × 8.5 mm
163g
158.1 × 73.8 × 8.5 mm
189g
カラー ミッドナイトブラック
オーキッドグレー
コーラルブルー(S8のみ)
アークティックシルバー(S8+のみ)
ミッドナイトブラック
コーラルブルー
ライラックパープル
チタニウムグレー
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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。