『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』レビュー。「壱岐」 が舞台の新規ストーリー、新たな動物たちとの触れ合いや新防具など新要素多数

2020年7月に発売し、世界中で大ヒットを巻き起こしたオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー『Ghost of Tsushima』。

その発売から約1年となった2021年8月20日、完全版にあたる『Ghost of Tsushima Director’s Cut (ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット)』が発売した。

ディレクターズカットには、新たなエリア 「壱岐」 で展開する完全新規ストーリー 「壹岐之譚」 をはじめ、新たな防具や技、手強い敵との遭遇など、多数の新要素が含まれている。

今回、『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』の発売に伴い、実際に本作をプレイする機会をいただいた。本記事では主に新要素の内容を中心に、『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』の魅力についてご紹介したい。

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』とは

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』は、2020年に発売したPS4タイトル『ゴースト・オブ・ツシマ』に、様々な新要素を追加した、いわば完全版にあたる作品だ。

主人公の境井 仁 (さかい じん) が対馬に上陸したモンゴル帝国の大軍勢に立ち向かう『ゴースト・オブ・ツシマ』本編に加えて、新たな探索エリア 「壱岐」 を舞台に展開する新規追加ストーリー 「壹岐之譚」 や、戦闘や探索が有利になる新たな防具・技の追加、対馬では出会うことがなかった手強い敵との遭遇など、多数の新要素が追加されているのが特徴だ。

PS5版については最大4K/60fpsの美麗映像でのプレイに対応しているほか、Dual Senseのハプティックフィードバックとアダプティブトリガーをサポート。日本語音声にあわせたリップシンクも特徴となっている。

また、オンライン協力型マルチプレイモード 「Legends/冥人奇譚」 ももちろん収録する。従来までのモードに加えて、2対2で対戦する新モード 「群雄」 が9月3日に配信予定だ。

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』は、セーブデータの引き継ぎに対応していて、すでにPS4で『ゴースト・オブ・ツシマ』をプレイしたことがあるユーザーはタイトル画面から引き継ぎが可能だ。

PS5でデータを引き継ぐ場合は、セーブデータをPS4からPS5本体に移行しておくことで、問題なくデータを引き継げるので安心していただきたい。

本作のプレイフィールについて

ここからは、実際に筆者が本作をプレイしてみて感じたことを書いていきたい。まずは、プレイフィールについて。

筆者がプレイしたPS5版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』では、没入感をさらに高めるための新たな工夫が複数導入されていることが確認できた。

その中でも最も効果的に感じたのは、DualSenseのハプティックフィードバックとアダプティブトリガーの対応によるエクスペリエンスの向上。

主人公である仁の歩みや剣を抜く動作、剣戟などの際にDualSenseが小刻みに震える。以前のDUALSHOCK 4のようなブルブル震える振動ではなく、時には激しく時には小さく、シーンやプレイヤーの動作に応じて振動の仕方が変わる。たとえば、馬の走りにあわせてコツコツと小さく震えたり。仁の体験をコントローラー越しに伝えてくれる。

また、内蔵するスピーカーからは進行方向を導いてくれる ”導きの風” の音や、矢をつがえたり放ったりする音も鳴る。さらにアダプティブトリガーは弓矢や鉤縄使用時に導入されている。弓を引き絞るとトリガーが重くなるなど、仁のリアルな手捌きを手のひらの中で表現。プレイヤーがあたかも戦場(いくさば)にいるかのような錯覚を生み出してくれるのだ。

PS5版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』では、映像体験が最大4K/60fpsに向上している。『ゴースト・オブ・ツシマ』の頃から映像は綺麗だったからか、PS5版ディレクターズカットであっても大きな進化を感じることはなかった。

とはいえ、キャラクターのディティール、風景、そして剣の一太刀一太刀が滑らかに動く本作の美麗な映像は、やはり流石といったところ。生きている人間を切るという生々しい表現は時として目を逸らしたくなることもあるものの、それゆえに、この時代に生きる侍たちの人生観や死生観を身をもって体験することができる。

なお、PS5は高速SSDによる爆速ロードがひとつ特徴だが、本作でもそれは大活躍。オープンワールドはハード性能の向上とともにフィールドが巨大してきたが、同時にファストトラベルのロード時間の短縮が求められてきた。

PS5版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』ではロード時間はわずか1〜3秒。一昔前のステージ切り替えよりも速くロードが完了する。ユーザーが意図的にプレイを止めない限り、ずっと『ゴースト・オブ・ツシマ』の世界を堪能できる。

こうした進化のおかげで、『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』のプレイフィールは大幅に向上している。時代劇ファンの方はもちろん、普段こうした作品を触らないユーザーでも、迫力ある手に汗握る剣戟アクションに没入することができるはずだ。

新規ストーリー 「壹岐之譚」

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』では、完全新規ストーリーをはじめ、様々な新要素が追加されている。ここからは、新要素について深く掘り下げて紹介していきたい。

まずは、最も注目の完全新規ストーリー 「壹岐之譚」 について。

「壹岐之譚」 の舞台は対馬の隣島である 「壱岐」 。主人公の仁は、対馬を侵攻したコトゥン・ハーンとは別の蒙古の一族によって壱岐が侵攻されている事実を知り、この脅威に対抗すべく、壱岐の地を訪れることになる。

壱岐を侵攻した蒙古の一族を率いるのは、「オオタカ」 と呼ばれる呪師 (シャーマン) のアンクサー・ハトゥン。彼女は不思議な霊薬による幻覚で仁の過去のトラウマを掘り起こし、仁を精神的に追い詰めていく。果たして仁はトラウマを克服し、オオタカが率いる蒙古たちを壱岐から退けることができるのか。これが 「壹岐之譚」 のストーリーのおおまかな内容だ。

本編でも仁の過去に触れる部分はいくつかあったが、「壹岐之譚」 は本編では語られることがなかった仁や境家の過去について深く掘り下げる内容になっている。すでに本編をクリア済みの方でも、より『ゴースト・オブ・ツシマ』のストーリーへの理解度を高めることができるはずだ。

「壹岐之譚」 をプレイするには、本編を第二幕まで進めると豊玉に出現するミッションをクリアする必要があり、クリア後に新エリア 「壱岐」 に渡ることができるようになる。

壱岐に渡ると、ストーリーの関係上しばらくは対馬に戻って来れなくなってしまう。「壹岐之譚」 の各ミッションは、本編第二幕まで進んでいるようであれば十分クリア可能な難易度ではあると思うが、心配なら技の習得や武器の強化などの準備をある程度済ませてから向かうことをオススメする。

経で仲間をパワーアップさせる新たな敵 「呪師」

対馬でも強大な敵として描かれていた蒙古兵たちは、壹岐でさらにパワーアップ。

壱岐にいる蒙古兵たちは、オオタカが率いていることから 「オオタカ族」 と呼ばれている。その中でもっとも厄介なのが呪師だ。大きな槍を持っていることから槍兵にも見えるのだが、この敵は経を唱えることで仲間である蒙古兵を鼓舞するという特徴がある。

経を聞いた蒙古兵たちは攻撃・体力が大幅に増加するため、たったひとり相手でも倒すのにかなり苦労してしまう。それが大群で襲ってきたときには絶体絶命のピンチとなる。

このシチュエーションを解消するには経を止めるほかない。呪師を率先して倒していくことが基本的な戦い方となるだろう。

また、プレイヤーの型にあわせて複数の武器を巧みに切り替えてくる敵など、対馬にはいなかった強者も登場する。プレイヤースキルで多少どうにかできるようにはなっているものの、全体的に難易度が上がっていることから不安な方は対馬で修練を積んできた方が無難だろう。

モフれる動物が増加&修練場や刀競べなどのミニゲームも追加

追加された新要素の中でも特に注目していただきたいのが、キツネ以外の動物たちをモフモフできるようになったこと。

新たにモフモフできるようになった動物は、鹿・猿・猫の3種類。「獣の霊地」 と呼ばれる場所に行き、曲の音階に合わせてコントローラーを上下して笛を吹くミニゲームを成功させることで、動物たちを心ゆくまでモフモフしまくることが可能だ。

ちなみに、「獣の霊地」 では動物たちをモフモフできるだけでなく、それぞれの動物たちの護符を手に入れることもできる。いずれも便利な効果がついているので、自分の戦略にあった護符があればぜひ使っていただきたい。

また、上記の 「獣の霊地」 のほかにも、弓矢で灯篭を素早く射抜く「弓の修練」 や、屈曲な戦士たちを相手に剣の腕を競い合う 「刀競べ」 というミニゲームもプレイ可能。

プレイヤーが自身の弓矢・刀の腕を試せる良い機会なので、見かけたらぜひプレイしてみてはどうだろうか。

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』レビューまとめ

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』は、「壹岐之譚」 をはじめとする多数の新要素が加わったことで、ストーリーの奥深さが増したり、収集要素が拡大し、より『ゴースト・オブ・ツシマ』の世界観を楽しめるようになった。

また、便利な技の追加やよりたくさんの種類の動物たちがモフれるようになるなど、多くのプレイヤーが望んだであろう要素が実現されたことで、よりプレイしやすく、親しみやすくなった本作。

PS5版では画質やフレームレートの向上、DualSenseのハプティックフィードバックとアダプティブトリガーへの対応なども行われたことで、元から良かったストーリー・ゲーム性がさらに向上したように思う。

すでにオリジナル版『ゴースト・オブ・ツシマ』をクリアした方はもちろん、ディレクターズカットの発売を機に初めてプレイする方も、ぜひとも楽しんでプレイしていただきたい。

『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』は、PS4・PS5でプレイ可能で、価格はPS5版が8,690円、PS4版が7,590円 (どちらも税込) 。『ゴースト・オブ・ツシマ』などからのアップグレード料金は以下のとおりだ。

  • PS4版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』からPS5版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』:1,100円(税込)
  • PS4版『ゴースト・オブ・ツシマ』からPS4版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』:2,200円(税込)
  • PS4版『ゴースト・オブ・ツシマ』からPS5版『ゴースト・オブ・ツシマ ディレクターズカット』:3,300円(税込)

また、9月3日にはオンラインマルチプレイモード 「Legends/冥人奇譚」 のコンテンツを単体でプレイ可能な『Ghost of Tsushima: Legends/冥人奇譚』が発売する。同単体版はPS4・PS5ともに2,200円(税込)で購入可能だ。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。