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『Horizon Forbidden West』レビュー。機械獣で溢れる “禁じられし西部” でアーロイの人類救う旅路再び

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2017年に発売し、人気を博したオープンワールドアクションRPG『Horizon Zero Dawn』の続編『Horizon Forbidden West』が、5年の時を経て遂に登場。

本シリーズは人類文明が崩壊し、かつての都市が自然に飲み込まれた美麗な世界。闊歩しつづける恐るべき機械獣たち。そして、その世界を生きる人類を描く、“ポストアポカリプス” な世界観、ストーリーが魅力の作品。

『Horizon Forbidden West』ではグラフィック・表現力が大幅に向上。さらに、装備や新たなアクションが追加されたことで、冒険はよりダイナミックなものにパワーアップした。

舞台はタイトルにもあるとおり、“Forbidden West (禁じられし西部)” 、つまりアメリカ大陸の西部へと足を踏み入れる冒険。アーロイの世界を救う旅が再びはじまるーー。

今回、『Horizon Forbidden West』を発売前にプレイできたため、本作のレビューをお届けする。読者の方々に本作の魅力がすこしでも伝われば幸いだ。

なお、今回のレビューはPlayStation 5版を解像度優先でプレイした。掲載されているスクリーンショットはいずれも解像度優先モードで撮影したものであることにご留意いただきたい。

また、本作は重厚なストーリーがひとつの魅力であることを考慮して、当レビュー記事はネタバレに配慮して書いている。これからプレイする方もぜひ安心してご覧いただければと思う。

『Horizon Forbidden West』ストーリー:“禁じられし西部” アーロイの新たな旅路

前述したとおり『Horizon Forbidden West』の舞台はアメリカ西部にある “禁じられし西部”。前作『Horizon Zero Dawn』の舞台のさらに西に位置する禁断の土地とされ、東部側では見られなかった獰猛な機械獣や攻撃的な部族たちがいる、危険に満ちたフロンティアだ。アーロイは『Horizon Zero Dawn』のエンディングから6ヶ月後、この “禁じられし西部” に足を踏み入れることになる。

アーロイが生きる世界は、人類文明が崩壊した大厄災から1,000年以上が経過した世界。散り散りになりながらも生き残った人類は、恐ろしい機械獣に脅かされながら、苦しい生活を送っている。なぜ機械獣に襲われるのか、地球上の生命が絶滅に向かっているのかを知る者はおらず、この謎を解き明かして世界に秩序と調和を取り戻せるのはアーロイただひとり。

“赤い腐食” が世界を蝕む

この荒廃し続けた世界で、人類は一度アーロイによって救われたものの (前作の『Horizon Zero Dawn』) 、いま再び崩壊の危機に瀕している。世界を侵食する “赤い腐食” が広がりを見せており、生き物たちの命を奪ってしまうからだ。この謎の解明のため、アーロイはかつての仲間と協力しながら、機械獣を操るレガーラの軍勢と戦いながら、緑豊かな森や荒廃した街、そびえる山々を奔走。プレイヤーはアーロイとなり、この旅の一部始終を体験する。

あまり深く書いてしまうとネタバレになってしまうので言及はしないが、本作では各キャラクターの個性や表情がより色濃く描かれており、ストーリーに深みを与えてくれている。

旧友のエレンド

たとえば、オセラムの精鋭部隊 「ヴァンガード」 の隊長を務める 「エレンド」 。剛腕だけど繊細な一面が表情と態度ともにうまく表現できている。前作をプレイしたことのある人なら、きっとかつての冒険におけるエレンドを思い出し、温かい気持ちになるはずだ。

前作との繋がりもしっかりカバーされている上に、前作を未プレイの人にもなるべく理解できるように配慮されている点にも好印象を受けた。もちろん前作の壮大なストーリーすべてがカバーされているわけではないので、細かい設定や人間関係は理解できないこともあるだろう。というわけで、ストーリーをしっかり追いたい方は、前作『Horizon Zero Dawn』を先にプレイしておくことを筆者としては強くオススメしたい。

ゲームシステム:前作『Horizon Zero Dawn』がベースで新要素が追加

『Horizon Forbidden West』のゲームシステムは前作をベースにしたものになっており、前作をプレイしたことのある人ならすんなりと受け入れられるはずだ。

さらに、前作にはなかった新たな要素や各種ブラッシュアップが施されている印象。自由度も高くなっていて、ゲーム開始から終盤まで飽きることなくシームレスな冒険を続けることができる。

本シリーズの最大の特長のひとつと言えるのが、広大なフィールドを探索できるオープンワールドプレイ。自然あふれるフィールドを自由に探索できるのは前作と変わらないが、本作では新たなツール 「プルキャスター」 「シールドウイング」 によって水中・空中をより自由に移動できるようになり、フィールドの隅々まで探索が可能になっている。

プルキャスターで登ることも可能

「プルキャスター」 は、グラップルポイントにロープを張ることで移動できる新たなツール。物に引っ掛けて近くまで引き寄せたり、崩れて脆くなった壁や天井を破壊することで新たな道を拓くこともできる。

シールドウイングで空中を滑空

「シールドウイング」 は傘のようなシールドを張ることで高い場所からグライダーのように滑空できるツール。高所から降りるときや高い場所から高い場所へ渡り歩くときなどに便利だ。

ストーリーは、前作同様クエストによって進行していく。ストーリーの進行に直結するのは 「メインクエスト」 だが、そのほかにもストーリーを補足したり、特別な報酬を手に入れることができる 「サイドクエスト」 もやはり用意されている。

各クエストをクリアすることで、レベルアップに必要な経験値や新しい戦闘アクションを覚えるためのスキルポイントが手に入る。また、サイドクエストの中には特別な武器が手に入るものなどもあるため、気が向いたらメインクエストだけでなく、サイドクエストも積極的に進めることをオススメする。

背後からステルスキル

戦闘においても前作をベースに作られていることもあり、前作をプレイしたことのある人なら、強大な機械獣とも積極的にバトルできるはずだ。機械獣相手の場合は装甲を剥がして弱点を露出させたり、人間相手にはステルスキルをすることで大人数との戦いを楽にできるなどの要素はこれまでどおりだ。

武器や防具の進化により多彩な攻撃・スキルが利用できるようになったほか、敵への攻撃で溜まる義勇ゲージを使って発動する技 「勇技」 によって強力な攻撃が繰り出せたり、「プルキャスター」 や 「シールドウイング」 などの新しいツールの追加によって、すばやく敵から距離をとったり、空中から強襲するなどの新しい戦術も利用できるように。前作から戦い方の幅が大幅に広がっているため、ぜひ色々な戦闘手法を模索してみていただきたい。

スキルツリーでスキルを解放

前作にもあったスキルツリーは今作も健在。メニュー内の 「スキルツリー」 からスキルポイントを割り振っていくことで、新しい攻撃アクションを覚えることができる。スキルは 「戦士」 「生存」 など全6種類のツリーが用意されているので、自身の戦術にあったスキルを優先的に覚えていくことで、戦闘を有利に進められるようになる。

ちなみに本作では、フィールドで拾うアイテムの手持ちから溢れたら、自動で 「アイテム保管庫」 に送られ、冒険途中のアイテム整理が不要になるグッジョブなシステムが導入されている。モッタイナイ性分である筆者は、フィールドで目についたアイテムをポンポンと拾ってしまうので、基本手持ちは溢れがち。前作では頻繁にアイテムを売却しに行っていた。

しかし今作では、手持ちのアイテムが溢れてしまっても 「アイテム保管庫」 の整理さえしっかりしておけば、いくらアイテムを取っても所持アイテム数に気を取られることはない。地味ながら個人的にとても嬉しい進化ポイントだった。

プレイフィール:進化した美麗なグラフィックとアダプティブトリガーで高い没入感

本作をプレイしてみて、筆者がとにかく驚いたのがグラフィックの向上。PS4からPS5になったことで、グラフィックは大幅に進化しているとプレイ前から想像していたのだが、その “進化の幅” はお世辞抜きで想像以上。新世代機のパワーをフルで活かした、超美麗グラフィックとなっていた。

特に筆者が進化を感じたのが、遠くの風景の描写力。前作のグラフィックでも広大さは十分に伝わっていたものの、本作では遠くに見える古の遺跡や集落などが以前よりもハッキリと見えるようになったことで、よりフィールドの広大さが伝わるように。

筆者も開けた場所にはじめて出たときには、思わず 「おお〜!!」 と声をあげてしまった。これはPS5の高いグラフィック性能および高速SSDによる読み込み速度の恩恵と言えるだろう。

本作には本格的な水中アクションも

フォーカスで登れる箇所がハイライト

そのほかにも、植物の葉っぱの先や川の流れ、人物の肌や機械獣の装甲板の金属っぽさ(質感)など、細かいところまでが丁寧に描写されていて、ついつい目を奪われてしまう。もちろんフォトモードでの撮影もとても楽しい。あまりに映像が美しすぎて、ついストーリーや戦闘そっちのけで撮影してしまうこともあったくらいだ。

プルキャスターで道を切り拓く場面も

操作においては、ハプティックフィードバックやアダプティブトリガーにより、弓を引き絞ったときや、扉をこじ開けるときの感覚などがコントローラー越しにリアルに伝わってきて、より没入感を高めてくれる。

筆者が個人的にリアルだなと思ったのが、新ツール 「プルキャスター」 で物を引っ張るとき。アーロイの動きに応じてググッとトリガーが重くなり、「引っ張っている感」 を手元でしっかりと感じることができた。

そして、冒険をする上で避けて通れないのが、危険な機械獣や敵対勢力である人間との戦闘だ。今回、筆者は難易度 「ノーマル」 でプレイしたのだが、序盤からかなりハードな戦いが多かったように感じている。

割と早い段階で巨大な機械獣が出てきたり、大人数との戦闘が発生したりするため、序盤だからと舐めてかかると痛い目に遭う。ここは “禁じられし西部” であり、危険な地域であることは常に頭に入れて戦闘に挑むべきだろう。

また、本作では機械獣を従わせて一緒に戦う敵対勢力が登場する。機械獣と人間で戦い方を変えている人も多いとは思うが、両方が同時に襲いかかってくるため、より難易度が上がった印象だ。

フォーカスでスキャンすると敵の弱点が分かる

特にスキルを覚えていない序盤は苦戦しやすく、ゴリ押し戦法が効きづらく感じることも。プレイヤースキルでどうにかできることもあるが、複数の敵に囲まれないようにする、罠を使って敵の動きを封じる、フォーカスでスキャンして弱点を確実に突いていくなど、今一度基本に立ち返って戦うことも重要かもしれない。

また、街の中を探検していて気づいたのが、本作のNPCの動きが生活感に溢れていること。たとえば、ビール工場で働くNPCは、クレーンを上下左右に動かしてビール樽を置き場に設置。その作業が終わると今度はビール製造作業をはじめるといった、本物のビール工場の作業員がしそうな連続性のある動きが再現されていた。

オープンワールド作品におけるNPCは単に突っ立っていることが多いなか、本作のNPCは本当に生きているかのよう。『Horizon Forbidden West』の高い没入感は、こういった細かい作り込みが生み出してくれているのかもしれない。

『Horizon Forbidden West』レビュー:まとめ

お馴染みのオーバーライドで機械獣を操れるように

あれだけの壮大なストーリーを展開した『Horizon Zero Dawn』の続編ということで、筆者は『Horizon Forbidden West』の発売を心から待ち遠しく思っていたところがあった。

一方で 「前作を越えるにはどうするんだろう?」 「戦闘のシステムが難しくなってたらどうしよう……」 など、前作が優秀すぎたゆえに今作の出来栄えにすこし不安も感じていた。面白かった作品が、後継作でコケてしまうことがたまにあるからだ。

しかしながら、それは杞憂に過ぎなかったようだ。『Horizon Forbidden West』は前作の美麗なグラフィック、大迫力のバトルシステムを(想像以上に)うまく昇華させた、正統続編作としてふさわしいタイトルだった。

本タイトルを起動してからは終始この世界に没頭しっぱなしで、締切が迫る仕事も忘れてプレイしていたことも。前作の『Horizon Zero Dawn』をプレイしたときと同じく、アーロイたちの生きる “ポストアポカリプス” の世界が再び楽しめたことに今とても充実感を感じている。

アクションが苦手な人は最初はすこし手こずるかもしれないが、チュートリアルや訓練場などで徐々に慣れていけばエンディングまで辿り着けるはず。また、難易度も複数用意されている上に、プレイ中に難易度を下げることもできるので安心してプレイできるはずだ。

個人的に気になったのは、前作をプレイしていないユーザーに対するカバーがやや少ないこと。ゲームの最初の解説や会話の端端などから前作の出来事を把握することは可能ではあるが、もしストーリーを堪能したいのなら前作『Horizon Zero Dawn』を先にプレイしておきたい。むしろ『Horizon Zero Dawn』の全容を知ると『Horizon Forbidden West』がかなり楽しめるので、個人的には2本連続でプレイすることをオススメしたい。

『Horizon Forbidden West』はグラフィック、バトル、ストーリーなどすべてが緻密に作り込まれた最高クラスの作品。新世代機のゲームにおいて、いま最もオススメするタイトルのひとつと評価しても差し支えないだろう。

©2022 Sony Interactive Entertainment Europe. Developed by Guerrilla. Horizon Forbidden West is a registered trademark or trademark of Sony Interactive Entertainment LLC.
(画像:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。