【週刊イモリ】人間は哺乳類、イモリは両生類 (2016/01/16号)

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僕たち人間は哺乳類だ。

突然何を言い出すのかと思うかもしれないが、自分自身が一体何者なのか考えたことはあるだろうか。

僕たち哺乳類の祖先は2億5000万年前から既に存在し、それ以来様々な種に分化してきた。この2億5000万年の間には多くの種が絶命し、また生まれを繰り返してきたはずだ。

哺乳類の最初の種はアデロバシレウスというネズミのような外見をした生き物で、母から生まれた僕らの体も歴史を遡れば、一つの哺乳類から分化した結果であることが研究から分かっている。

「週刊イモリ」は少し目線を変えて、普段よりも大きいスケールでイモリと人間についてお伝えしようと思う。

イモリの祖先は3億5400万年前に発生

人間を含めた哺乳類の発生は約2億5000万年前と言われているが、それではイモリなどの両生類はいつ頃生まれたのだろうか。

研究によると、最古の両生類は3億5400万年前のデボン紀末期であることが明らかになっている。最古の両生類とは違うが、最も原始的な両生類として知られる「アカントステガ」という種類は、形はどことなくイモリやサンショウウオに似ている。

Acanthostega [ img via Wikipedia ]

両生類はもともと水中で生活していたのだが、何らかの環境変化により水中から出て、陸上生活をする必要があった。陸上生活に適応できるようになった種類としては「アカントステガ」などの種類が最古で、両生類の祖先に近いものであるとのことだ。

最も「アカントステガ」の場合は肋骨の発達が足りず、完全に陸上を歩くことができなかったため浅瀬や湿地帯を這って歩くことしかできなかったようで、それ以降の生物の進化で陸上を歩けるようになっていったようだ。

哺乳類も元々は両生類

我々人類のような哺乳類も元々は両生類だったことはご存知だろうか。

当時海で生活していた我々の祖先は、ある時陸上に上がることを選択した。

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なぜ陸上生活を始めようとしたかについては諸説あるが、それまで海で生活していた生物が海での生活を辞めて突然上陸するのは容易ではない。その結果、水の中でも陸の上でも生活できるように進化する必要あった。

その頃の名残を残した生物が現在の両生類であり、完全に陸上生活に適応したのが哺乳類などの陸上生物だったというわけだ。

つまり、僕の家にいるイモリたちも過去を遡れば、人間と従兄弟のような存在だったというわけだ。うちのイモリたちは好きな時に水に潜ったり、出たりを繰り返している。気まぐれで出入りしているようにしか見えないが、それはおそらく生物的な理由があるはずだ!(あってくれ)

ちなみに現在生息している両生類の中で世界最大の種類が日本にいる。

それは「オオサンショウウオ」だ。名前はおそらく聞いたことはあるだろう。

oosanshouo[ img via Wikipedia ]

オオサンショウウオはイモリやカエルと同じ両生類で、非常に大きな体や尻尾を持つという特徴がある。ただ身体的な特徴よりももっとすごい生態が彼らにはある。

彼らは「生きた化石」と呼ばれ、3000万年という長い年月を姿や形を変えずにいるということだ。それだけの長い年月を進化せずに現代まで生存できている理由は、それだけ種の保存や適応力が強いということなのだろうか。

イモリは本当に強い

うちのイモリたちを見ていると、そのおっとりした性格から「よく自然界で生きていけてるな」と感心することがある。

僕が近づいていっても逃げるどころか、むしろ寄ってくるし、木の枝を綱渡りしようとしても、足を踏み外して声もなく水に落ちる始末。

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イモリの生存能力の凄さについては過去にも触れた通りだが、基本的に両生類には強い生き物が多い。この小さい体で十年以上も寿命がある上に、再生能力も強いときたら生き物として最強の部類に入るのではないか。

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イモリ最強生物説。

でも実は、両生類の個体数は年々減少しており、両生類のほぼ全てが100年以内に絶滅するのでは、と最近の研究では言われている。それはなぜなのかについては来週のイモリ号でお伝えする。

ただ何が言いたいかというと、僕たち人間もイモリも同じくらいの時間を経て進化してきた生き物だ。頭の良し悪し、生きる能力などお互い差はあるが、同じ生き物として生きている。

そんな従兄弟のような生き物が絶滅の危機に晒されているという現実を僕たちはもっと知らないといけない、ということだ。

次号: 【週刊イモリ】イモリ、絶体絶命 カエルツボカビ症襲来 (2016/01/23号)
前号: 【週刊イモリ】一富士二鷹三イモリ (2016/01/09号)
Acanthostega
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