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【週刊イモリ】 毒を以て毒を制す (2015/12/05号)

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サイバーマンデーも終わり、いよいよホリデーシーズンも近くなってきた。
12月に入ってからは、僕の住んでいる街もクリスマス一色だ。年末が近いことを意識せざるを得ない。

今年から自宅の水槽でのんびりしてもらっているイモリたちも、12月に入っても相変わらずのんびりし続けている。

家の中は多少暖かいからか、冬眠などする気配もなく、僕が水槽の前をウロウロすると餌をねだる姿は完全に「自然界にいたことを忘れてしまっているな」といつも思う。

実は凄い能力を持つイモリ

最近彼らをジーっと見ていると、こんな疑問がふと頭に浮かぶ。こんなのんびりとした生き物が自然界で生き残ることができるのはなぜだろうか。

餌をねだる彼らを見ていると、普段ついつい忘れてしまう彼らの能力を思い出した。彼らの凄いところは冬眠ができるところや、水中と陸上を行き来できるところだけではない。

結論を言うとイモリの凄さは、適応力の強さと防御能力だ。

適応力の高さはかなりの物

彼らの「適応力」は今まで当サイトで様々ご紹介してきた。いくつか例を挙げてみよう。

スリープモード

例えば「冬眠できる」能力も一種の適応力であることは間違いない。気温・水温が極端に低くなったらイモリは冬眠を始める。寒くなったら陸に上がり、葉っぱの下などの隠れられる場所で春の訪れを待つ。

スーパー低燃費

他にも「代謝の低さ」や「再生力」が挙げられる。代謝に関しては、他の生き物に比べてもかなり低く、1ヶ月近く食べ物がなくても生きていけるという事実は驚きだ。

リカバリーモード

あともう一つ、「適応力」とは直接関係ないかもしれないが、イモリの「再生力」が高いことは非常に有名な話だ。実験では「目を何度もくり抜いても正常に再生する」ことが実証されている。最近注目を浴びている再生医療の分野に大きく貢献している生き物なのだ。

これらの能力から、どんな環境でも水があれば生きていけるのではないかと思うほどの生存能力なのがわかっていただけるだろうか。

適応力に関してはこれ以上あるだろうが、それを全て挙げ続けると本題に入れないのでとりあえずここまで。

本題は、彼らの「防御能力」についてだ。

防御の要、テトロドトキシン

一応断っておくが、これから説明する「防御能力」とは、相手の攻撃に対して防御姿勢をとるということではない。ガードボタンがあるわけではないので、格闘ゲームのように相手の攻撃を無効化することはできない。

ではどうやって防御するのかというと、彼らが体内・体表に持つ物質が彼らの防御力を高めている。

彼らイモリは「テトロドトキシン」という毒を持っている。
聞いたことがある人が多いとは思うが、トラフグなどが持つ毒と全く一緒で非常に有名な毒だ。

イモリ一匹が持つ程度の量では、人間は致死量に至らず誤って食べてしまっても死ぬことはないらしいが、我々人間以外の動物が彼らを食べるということはそれなりのリスクを負うことと同義なのは間違いない。

また、このテトロドトキシンは彼らの体内だけでなく、体表にも存在する。体表のテトロドトキシンは食べられないようにするだけでなく、体表から細菌が侵入することを防ぐ効果もあるとのこと。

全ての細菌を防ぐことはできないが、自分の体の周りにフィルターを付けているのと同じなのだ。

そんなにすごいのか君たちは!

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ちなみに、物理的にイモリを攻撃すると、自身の真っ赤な腹を見せて「自分には毒があるんだお」と威嚇することがあるらしい。(我が家のイモリたちに威嚇されたことは一度もないのだが)

スーパーイモリズ

彼らの凄さが分かっていただけただろうか。
小動物の割には自分を守る術が確立されている優れた生き物なのだ。

だがこれだけ強い生き物だからと言って、自然のイモリを虐めたり、飼っているイモリを放置するようなことはやめよう。体が小さいこともあり、彼らも生きるために精一杯なのだ。

彼らの強さに甘んじるのは飼い主としてはやってはいけないことだけは認識しておこう。

ちなみに、記事のタイトルの「毒を以て毒を制す」ということわざは、「悪を除くために別の悪を利用すること」という意味だ。イモリは毒を制してはいるが、ことわざの意味とは全く異なるので、誤用はしないよう気を付けよう!

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。