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【週刊イモリ】イモリとサンショウウオの違いとは (2016/02/06号)

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「イモリとはどんな生物か」と聞かれた時に、「週刊イモリ」をいつも読んでくださっている方はおそらく簡単に説明ができると思うが、「サンショウウオとはどんな生物か」と聞かれた時、あなたはすぐに説明できるだろうか。

イモリとサンショウウオ、どちらも同じ両生類、見た目もなんとなく似ていて、愛嬌のある小型生物だ。前に水族館で「トウホクサンショウウオ」を見た時、僕としては「完全にイモリだな〜」としか思わなかった。うちのイモリと少し見た目が違うのだが、「これは違う生き物だ」というほど明確に違いを見出せなかったからだ。

でも両者は、確かにどちらも同じ両生類で、愛嬌がある見た目もなんとなく似ているが、実は結構大きな違いがある。今回はそんな「イモリとサンショウウオの違い」についてちょっと勉強してみよう。

イモリとサンショウウオはそもそも分類から違う

salamanderスライミーサラマンダー[ image via charm ]

ペットショップなどでよく売られている「〇〇サラマンダー」は、ほとんどが「〇〇サンショウウオ」であることが多い。「サラマンダー」という言葉は日本語的には「サンショウウオ」を意味する言葉で、「イモリ」と「サンショウウオ」は違う生き物と認識されている。

イモリもサンショウウオも、どちらも「有尾目(サンショウウオ目)」の両生類なのだが、もっと深くまで掘り下げるとイモリは「イモリ亜目(Salamandroidea)」、サンショウウオは「サンショウウオ亜目(Cryptobranchoidea)」に分類されている。

だが、「サラマンダー」という言葉は本来、もっと大きい分類を示す言葉で、「イモリ」や「サンショウウオ」を含んだ非常に大きい分類であるとのことだ。日本語にはその大きい分類である「サラマンダー」に対応する言葉がなく、「サンショウウオ」を「サラマンダー」として訳してしまっているために名前が混同されてしまっている状態で、日本語的にはサラマンダー=サンショウウオだが、厳密に言うとサラマンダー≠サンショウウオが正しいということだ。

なので、ペットショップで「〇〇サラマンダー」として売られている個体は、名前だけだとサンショウウオの仲間と思いがちだが、学術的には厳密に「イモリ」か「サンショウウオ」かの判断ができないということだ。

upaウーパールーパー[ image via charm ]

ちなみに、愛嬌のある顔つきやふさふさの外鰓が人気な「ウーパールーパー」は正式名称を「メキシコサラマンダー」とも言うが、「メキシコサンショウウオ」と言われることもあり、どちらかというとサンショウウオの仲間のようだ。

一番大きな違いは交尾の仕方

イモリとサンショウウオがそれぞれ「イモリ亜目」「サンショウウオ亜目」というのは皆さんも分かったと思うが、お互い分類が違うということには決定的な違いがあるということだ。

これについては僕も全く知らなかったのだが、実はイモリとサンショウウオは交尾の仕方が異なるらしい。

イモリの交尾は、オスが「精包」と呼ばれる精子が入っている小さな袋を体外に排出し、メスがその落とされた精包を「総排出腔」と呼ばれる部分で拾い、内部に取り込むという体内受精になっている。一方、サンショウウオは、まずメスが卵を産み、そこにオスが放精する体外受精なのだそうだ。

メスの産卵方法も、イモリは1個ずつ産卵するのに対して、サンショウウオはカエルの産卵と同じで、卵塊と呼ばれる卵の塊で複数個産卵する。

この交尾・産卵の仕方の違いによって「イモリ亜目」「サンショウウオ亜目」のどちらに分類されるかが決定されるようだ。

その他にも、イモリは体表がザラザラしていて、サンショウウオはツルツルしているとか、イモリは耳の後ろから毒を分泌するが、サンショウウオは分泌しないなどの違いがあるようだ。

本日の一言:見た目に騙されることなかれ

いかがだっただろうか。調べてみると意外と違う部分が多く、僕自身もイモリとサンショウウオはしっかり別の生き物だということを改めて認識した。

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ちょっと見た目が似ているからといって、同じ種類だと安易に判断するのは良くないみたいだ。渓流釣りなんかに行ってサンショウウオを拾ってきても、毒の影響やら何やらあるかもしれないので、うっかりイモリと同じ水槽に入れないように!

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。