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iPhone 11 Pro レビュー | 3眼カメラを搭載した初プロモデル。14万円の価値はあるのか考えてみた

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世界中が注目していた2019年の新型iPhoneが発売した。

名前は 「iPhone 11 Pro」 と 「iPhone 11 Pro Max」 。下位モデルに 「iPhone 11」 というスタンダードモデルが存在するが、「iPhone 11 Pro」 シリーズは名前に”プロ”と銘打たれていることもあり、性能的には完璧にプロ仕様になっている。

筆者は今回、「iPhone 11 Pro」 を購入してみた。果たしてプロ化を果たしたiPhone 11 Proはどれほどの高い潜在能力を持っているのだろうか。購入から3日間ギッチリ使い込んでみたので、早速レビュー記事をお届けしようと思う。購入を検討している方に少しでも参考になれば嬉しい限りだ。

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基礎情報

中央が 「iPhone 11 Pro」

2019年の新型iPhoneはエントリーモデルの 「iPhone 11」 とハイエンドモデルの 「iPhone 11 Pro」 「iPhone 11 Pro Max」 の全3機種が用意されているが、今回のレビューで取り上げるのはそのうちのiPhone 11 Pro。

iPhone 11 Proは3機種の中で最も端末サイズが小さく、画面も最も小さな5.8インチの有機ELディスプレイになっている。iPhone 11とiPhone 11 Proの間にはカメラの性能差やデザインなどいくつか違いが設けられているが、iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxに関しては画面サイズと端末サイズくらいしか違いがないため、同レビューはiPhone 11 Pro Maxの購入を検討している方にもおそらく参考になるはずだ。

iPhone 11 Proの製品デザインをチェック

iPhone 11 Proの端末デザインは、昨年のiPhone XSからそんなに大きく変わっていない。

まずは前面だが、端末いっぱいに画面が広がるベゼルレスデザインを引き続き採用。画面上部にはノッチ (切り欠き) が存在し、ここに顔認証センサーやインカメラなどが内蔵されている。ノッチや画面の大きさ・形はiPhone X以降まったく変わっていないため、保護ガラスは従来のものを流用できる。

端末側面はステンレススチールを引き続き採用。側面左側にはマナーモードを切り替えるためのスイッチ・音量ボタン、右側にはサイドボタンが用意されている。

底面は従来と同じくLightningコネクタが搭載。USB-Cコネクタになることは残念ながら今回もなかった。Lightningコネクタの左隣はスピーカーグリル (ステレオ)になっている。ここまではほぼiPhone XSシリーズと変わりなしだ。

大きな変化があったのは背面。これまでデュアルカメラだった背面カメラは今年からトリプルレンズカメラに。正方形のモジュールのなかに三角形にカメラが配置されており、とても挑戦的なデザイン。

発表時はタピオカレンズ、タピオカメラなんて酷評されていたりもしたが、本物のiPhone 11 Proを目の当たりにしたら案外そこまで変なデザインとは感じず。むしろ 「カッコいいんじゃないか…」 とさえ思うようになった。

そう感じさせる要因はおそらく本体背面の磨りガラス、そしてガラスとトリプルレンズカメラとの一体感によるものだろう。

昨年までのiPhoneには透明感のある強化ガラスが背面に採用されていたが、今年はマットな質感の磨りガラスに変更されている。おかげで高級感は多少失われたものの、代わりにシックでクールな見た目に。これはこれでアリだ。

ロゴの位置は端末中央に移動

そしてトリプルレンズカメラの異物感を感じさせないよう正方形のカメラユニットと磨りガラスは同系色にされているため、トリプルレンズカメラの存在感が薄くなっている。

ちなみに、この磨りガラス。Appleは 「テクスチャードマットガラス」 と説明しており、落下した時の衝撃にも耐えられるよう強度が増しているという。さすがに強く打ち付けると割れてしまうこともあるようだが、海外のYouTuberが行なった衝撃テストでは前モデルに比べてやや割れにくくなっているとのことだ。

また、指紋もつきづらくなったことも個人的には結構気にいっている。保護ケースを付けない派の方には地味に嬉しい変更点と言えるだろう。ただしカメラの出っ張りはどうやら他のスマートフォンを重ねた時に、画面などを傷つけてしまうそうなのでそれだけは要注意。

付属品は以下。今年のiPhoneは同梱物に変更があり、iPhone本体に加えてイヤホン(EarPods with Lightning Connector)と電源アダプタとケーブルが同梱。

電源アダプタは18W出力に対応したUSB-C電源アダプタ。これまでは5W出力に対応したUSB-A電源アダプタだった。電源アダプタのコネクタがUSB-AからUSB-Cの変更に伴い、同梱されたケーブルもUSB-A  to LightningケーブルからUSB-C to Lightningケーブルに変更されている。

この変更によって、iPhoneは急速充電がようやくデフォルト化した。実はiPhoneは 「iPhone 8/X」 の時代から急速充電に対応していたことはご存知だろうか。USB-C (Power Delivery) に対応した充電器にUSB-C to Lightningケーブルを接続することで従来よりも高速に充電することができる。

この18Wの電源アダプタを使うことで、一体どれくらい早く充電できるのかテスターを使ってテストしてみた。以下の写真がその時のものだ。左から順にiPhone X、iPhone XS Max、iPhone 11 Proとなっている。

クリックで拡大

iPhone X iPhone XS Max iPhone 11 Pro
16.9W
(8.79V × 1.93A)
16.1W
(8.79V × 1.83A)
17.2W
(8.85V × 1.94A)

いずれも16〜17Wで充電できていたことから、従来の5W USB電源アダプタに比べて3倍近い速度で充電できていたことになる。

この急速充電機能はサードパーティから販売されている製品でも利用できる。例えばRAVPowerから販売されているモバイルバッテリー 「RP-PB172 (レビュー記事)」 なら屋外でも最大18Wで充電することが可能だ。

Appleは30分の充電で最大50%バッテリーを回復させることができるとしている。実際、20%を切ったiPhone 11 Proを充電したところ30分後には64%まで回復していた。

ちなみにiPhoneの充電速度はiPhone 8/X以降そこまで大きく変わっていない (わずかに早くなってはいる) ので、買い替えることで充電が早くなることはあまり期待する必要はないだろう。

【関連記事】RAVPower RP-PB172 レビュー | どのケーブルでも充電できる万能さ&残量を数字でみれるインジケーターが魅力の大容量モバイルバッテリー

トリプルレンズカメラの性能はいかに

ここからはiPhone 11 Proの最大の進化点であり最大の魅力でもあるカメラ機能について紹介していきたい。

iPhone 11 Proには、シリーズ初となるトリプルレンズカメラが搭載された。先代の 「iPhone XS」 シリーズはデュアルレンズ仕様(標準+望遠)だったが、今回の新型iPhoneには新たに超広角レンズが追加されたトリプルレンズカメラが搭載されるように。

レンズの構成は1,200万画素(f/1.8)の標準、1,200万画素(f/2.4)の超広角、そして1,200万画素(f/2.4)の望遠。焦点距離(35mm換算)は標準レンズが26mm、超広角レンズが13mm、望遠レンズが52mmとなっている。

このトリプルレンズカメラを搭載したことによって、以前のデュアルレンズカメラよりも画角の広い超広角撮影ができるようになった。さらに望遠レンズの絞り値が2.4から2.0になり、新たにナイトモードという夜間の撮影モードが追加されたことによって、レストランや夜景など暗い場所でも明るい写真を撮影することが可能になっている。

このカメラの進化は、iPhoneが初めてデュアルレンズカメラを搭載した時と同じくらい、もしかするとそれ以上の衝撃とも言えるかもしれない。

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超広角レンズの威力はどんなものか

一番の目玉はやはり超広角での撮影だ。これまでiPhoneが不可能だった ”視野が開けた写真” を撮影することが可能になり、特に風景写真をダイナミックに撮影することが可能になっている。

まずは論より証拠、実際にiPhone 11 Proを使って撮影した写真をご覧いただきたい。

下の写真は、同じ場所から広角レンズと超広角レンズでそれぞれ撮影した写真を比較したものだ。超広角レンズがいかにユニークな写真を撮影できるかお分かりいただけると思う。

さらに、iPhone 11 Proは従来同様に2倍の光学ズームも利用できる。この3つの画角を使い分けることで、iPhone 11 Proはかなり幅広い画角で写真を撮影することが可能。以下の参考例を見れば一目瞭然。超広角レンズが追加されたことで、「Apple 表参道」 の店内の構造や奥行き感を表現できるように。iPhoneで撮影できる写真の幅が大きく広がったはずだ。

もちろん、光学ズーム以外にも最大10倍のデジタルズームも利用できる。写真は劣化するが遠くのものを撮影したいときに活用したい。

ただ、個人的に指摘したいのは超広角撮影についてはやや画質が悪いということ。特に暗所での超広角撮影はやや不得意分野のようで、このあたりは来年以降のiPhoneで改善されることを期待したい。

ポートレートモード

一眼レフカメラのような写真が撮影できるポートレートモードも、実は大幅に進化している。

これまで望遠レンズ(2倍)でしか撮影できなかった同モードだが、2019年の新型iPhoneからは広角(標準)レンズでも撮影できるように。今までは望遠レンズでしか撮影できず被写体から一定距離離れる必要があった。まだボケの処理の甘さを感じることもあるが、以前のような不便さがなくなったことで、今後ポートレートモードでの撮影機会が増えていきそうだ。

ちなみに以下写真はポートレートモードを使って撮影したネコちゃん。新しいiPhoneを見せたら興味本位で近づいてきてくれた。かわいい。

ナイトモード

そして3つめの目玉、ナイトモード。

この機能は名前のとおり夜間や暗所など光量が少ない場所でも、明るい写真が撮影できる機能だ。このモードを使えば高級レストランなど少し暗い場所でもキレイに写真を撮ることができる。

もちろんナイトモードは夜景でも使える。以下は神田駅付近の暗い路地で撮影した写真。通常モードとナイトモードで撮影した写真を比較してみた。

違いは一目瞭然。

ちなみにAppleのナイトモードは露光時間 (光を取り入れる時間) を好きな長さに設定することが可能だ。

露光時間は最大28秒まで選択できる。ただし必要以上に露光時間を長くして、無駄に明るい写真を撮影してしまわないように、Appleは最大時間を制約するなどカメラ初心者でも手軽にナイトモードが使えるよう工夫してくれている。このあたりはさすがの気配り。

手持ちの状態では最大で10秒間、三脚を使った状態で最大28秒の露光時間が利用できる。iPhoneに内蔵されているジャイロや加速センサーなどを使って検知しているようだ。


これら3つの新機能・改良によって、iPhone 11 Proの撮影できる写真の幅は大幅に広がった。もちろん、一眼レフカメラなどには性能的に追いつけるはずもないが、ポケットに入るスマートフォンでこれほどのクオリティの写真が撮影できるのであればそれだけでも十分価値はあるはずだ。

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画面の質

良いカメラを持っていてもその出来栄えを確認する術がなければ宝の持ち腐れだが、”プロ” モデルを謳うiPhoneはその点抜かりない。

iPhone 11 Pro/11 Pro Maxには発色がキレイな有機ELディスプレイが搭載されている。しかも、先代モデルに搭載されていたSuper Retina HDディスプレイではなく、さらにその上をいくSuper Retina XDRディスプレイが搭載されている。

Super Retina XDRディスプレイとはなにか。Appleによると、この技術は新型Mac Pro向けの新型ディスプレイ 「Pro Display XDR」 に採用された技術を応用したもの。具体的には従来よりもエネルギー効率が15%改善されていながらも、最大輝度は約30%向上、コントラストも2倍に向上しているという。

「iPhone 11 Pro」 シリーズは、プロの写真家が利用することも想定したデバイスなのだから、これぐらい高い性能を持ったディスプレイは必要だろう。では、実際どれくらいの効果を発揮するのだろうか。Super Retina XDRディスプレイを搭載したiPhone 11 Proと、Super Retina HDディスプレイを搭載したiPhone XSとで比較してみた。

上記写真は、筆者が今年NYを訪れた際に撮影したHDR写真をiPhone 11 ProとiPhone XSで表示させたものだ。

実際に並べてみるとその違いはかなり微々たるものだった。上がiPhone XSで、下がiPhone 11 Pro。iPhone 11 Proのほうがやや黒の表現に長けているかな?といった程度で、そこまで大きな違いには残念ながら感じられなかった。

プロセッサのパフォーマンスが大幅改善。シングルコア20%、マルチコア45%向上

iPhone 11シリーズで搭載された次世代プロセッサ 「A13 Bionic」 の性能を調べてみた。計測はベンチマークテストでおなじみの 「Geekbench 5」 で行なった。

結果は以下のとおり。ちなみに、比較のためにiPhone XS Maxなど過去の端末のベンチマークテスト結果も並べてある。

  iPhone X iPhone XS Max iPhone 11 Pro
(iPhone 11とほぼ同じ)
搭載プロセッサ A11 Bionic A12 Bionic A13 Bionic
シングルコアスコア 915 1108 1332
マルチコアスコア 2325 2388 3493
METAL 3350 4608 6302
RAM容量 3GB 4GB 4GB

これを見ればお分かりいただけるように、iPhone 11シリーズは例年に比べて一部大幅に向上していることが確認できる。特にマルチコアスコアの伸びが大きく、昨年のiPhone XSシリーズに比べて約1.5倍弱の性能向上となったようだ。

実際、iPhone 11 Proを使っていると 「動作早い!」 と感じる局面がある。具体的には映像や写真を編集するときや表計算ソフトを動かしたとき。以前までは一瞬のモタツキを感じることがあったがiPhone 11 Proの場合はそれを感じることがかなり少ない。

また、METALスコア (グラフィック性能) も約36%向上していることが確認できる。Appleは、iOS 13で定額制ゲーム配信サービス 「Apple Arcade」 を提供開始しているが、同サービスで配信されているタイトルは総じてクオリティが高い。中には3Dグラフィックをふんだんに使ったものもあるため、iPhone 11 Proのグラフィック性能は確実に役に立つはず。もちろん、動画の編集などでも活躍するのは言うまでもないだろう。

iPhone XSシリーズからの乗り換えではそこまで大きな恩恵とまでは言えないかもしれないが、iPhone X以前の端末からならかなりの違いを感じる。今持っているiPhoneの処理が重たく感じてきた方にはiPhone 11はオススメできるだろう。

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メモリ容量

RAM (メモリ) 容量は4GB。Appleは内蔵メモリについては言及していないが、当サイトで取得したベンチマークテストの結果やiFixitの分解レポートから内蔵メモリが4GBであることが確定している。ちなみに2019年の新型iPhoneは3機種とも4GB。プロセッサやメモリ容量でどのモデルを購入するかを悩む必要はないだろう。

通信速度も向上

iPhone 11シリーズは通信速度もかなり改善している。

iPhone 11 Proは4×4のMIMOそしてLAA対応ギガビット級LTEのセルラー通信に対応。さらにWi-Fiに関しては2×2 MIMO対応802.11ax (Wi-Fi 6) をサポート。おかげでiPhone 11 Proは、従来モデルよりも高速に通信することが可能だ。

セルラー通信に関してテストしてみた。筆者が普段から使っているドコモ回線(LTE) を使って通信速度を計測。以下はその時のスクリーンショットだ。

テスト結果から、iPhone 11 ProはiPhone XS Maxに比べて下り約35%高速化していることがわかる。また、参考程度にiPhone 11についても計測してみたが、こちらはiPhone XS Maxと同じかそれよりもやや速度が落ちることがわかった。これはiPhone 11が対応する通信規格が、iPhone 11 ProやiPhone XSシリーズに比べて劣るからであると推測できる。

iPhone 11 Proシリーズ iPhone 11 iPhone XS Max
4×4のMIMO
LAA対応ギガビット級LTE
2×2のMIMO
LAA対応ギガビット級LTE
4×4のMIMO
LAA対応ギガビット級LTE

Dolby Atmosによる立体音響に対応

iPhone 11シリーズのスピーカーは、iPhone史上初めて 「Dolby Atmos」 に対応。音楽や映画を立体音響で楽しめるようになった。

筆者が持っているiPhone XS Maxと音を聞き比べてみたところ、はっきりと違いを感じることができた。言葉で表現してもなかなか伝わりづらいとは思うのだが、iPhone XS Maxよりも音に広がりがある感じだ。

音にこだわる方は自分のお気に入りのスピーカーやイヤホン・ヘッドホンに音を出力してしまうことが多いかもしれないが、インスタントに音楽や映画を楽しむ場合はiPhone本体のスピーカーから出力するのもアリかもしれない。

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耐水性能が向上

iPhone 11シリーズの耐水性能はIP68等級。数字上は前モデルの iPhone XSシリーズと同じだが、耐えられる水深が深くなっている。それぞれiPhone XSは水深2メートル、iPhone 11シリーズは水深4メートル。

XSシリーズの段階でも一般的なプールくらいの深さなら落としても平気だったが、iPhone 11シリーズはさらに深くまで耐えられるようになったため、万が一水の中に落としても無事である可能性が高くなった (とはいえ、強い水流に晒されたりするとあっけなく水没してしまうこともあるため油断は禁物) 。

上記画像はiPhone 11 Proの上に水をかけてみた様子。一般的な電子機器ならお陀仏になってしまう可能性が高いが、iPhone 11 Proは全く問題なし。現在もピンピン動いている。

ただし、水に晒した後すぐにはLightningポートから有線で本体を充電するのは止めておいた方が良さそうだ。しっかりポート部分が自然乾燥してから充電するか、もしくはワイヤレス充電を使うようにしよう。

ちなみに、iPhone 11 Pro / 11 Pro Maxは背面にさらさらとした手触りの磨りガラスが採用されていることをお伝えしたが、この磨りガラスのおかげで従来より水をしっかりと弾くように。上記の画像の状態からiPhoneをヒョイっと持ち上げると水滴がスーッと落ちていき、タオルなどで拭わずとも背面を綺麗にすることができた。

バッテリー持ちが大幅に改善

iPhoneのバッテリー持ちは年々良くなってきている傾向にあり、今回のiPhone 11シリーズも先代モデルより向上していることが発表されている。

中でも有機ELディスプレイを搭載した 「iPhone 11 Pro / 11 Pro Max」 のバッテリー持ちは大幅に改善。iPhone 11 ProはiPhone XSよりも最大4時間、iPhone 11 Pro MaxはiPhone XS Maxよりも最大5時間もバッテリー持ちが長くなっている。

この驚異のバッテリー持ちは、内蔵のバッテリー容量が増加したことに加えて、A13 Bionicの省電力性がアップしたことによって実現されている。

スペック上のバッテリー持ちは把握したが、実際どれほどバッテリー持ちが良くなったのか。

iPhoneの使い方は人それぞれで一概にどうであるとは明言しづらいが、ここ数日筆者が使った体感的にはやはりバッテリー持ちは大幅に良くなったように感じている。

例えば画面の輝度を最大にしてYouTubeで1時間ほど動画を見てみたのだが、iPhone 11 Proのバッテリーは10%も減っていなかった。朝から1日中使ったとしても、まだ20~30%はバッテリーが残っている日もあったぐらいだ。

また、昨年は有機ELディスプレイを搭載したiPhone XSよりも液晶ディスプレイを搭載したiPhone XRの方がバッテリー持ちが良いと言われていたが、今年は有機ELディスプレイを搭載したiPhone 11 Proの方が液晶ディスプレイを搭載したiPhone 11よりも若干だがバッテリー持ちが優れている。

これにiOS 13で実装されたダークモードの恩恵もプラスすれば、「iPhone 11 Pro / 11 Pro Max」 のバッテリー持ちはかなり良くなったと言えるのではないだろうか。もし、iPhoneを選ぶ上でバッテリー持ちを最重要と捉えているなら、今年はiPhone 11を購入するよりもiPhone 11 Proシリーズを購入した方が良いかもしれない。

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Face IDの認証速度

iPhone 11 Pro / 11 Pro Maxは、Face ID (顔認証) の認証速度が30%向上していることが発表されている。しかも、少し遠目からでも顔を認証できるよう改良されており、さらにiPhoneが顔を認識できる角度も広がったという。

実際どれほど変わったのかを検証すべく、iPhone 11 Proと昨年購入したiPhone XS Maxを両手に持ち、何度もFace IDで顔認証してみた。

結果はやや同じスピード。iPhone 11 ProもiPhone XS Maxもほぼ同じぐらいの速度で画面ロックを解除することができた。Face IDについてはiOS 13で認証速度が30%改善されているため、おそらくiPhone 11 Proの認証速度の改善はハードウェアによるものではなく、ソフトウェアの改良によるものなのではないだろうか。

筆者はむしろ認証精度の改善を褒めたい。この検証で、iPhone XS MaxのFace ID認証が10回に1回くらいの確率で微妙に遅れることがあったのだが、iPhone 11 Proは一度だって筆者の顔の認証に躓くことはなかった。

Face IDの認証失敗が起こりにくくなったのであれば、日々のロック解除でストレスを感じる回数が必然的に少なくなるはず。マスクをした状態では認証できないなど機能の根本的な部分はあまり変わっていないが、Face IDはわずかに進化したと言えるだろう。

残念だった点

①双方向ワイヤレス充電に非対応

ここからは個人的に残念だと感じていること。まずは双方向のワイヤレス充電に対応していなかったという点。

AirPodsやApple WatchがiPhoneの背面で充電できるというリーク情報が事前にあったため密かに期待していたのが、実際に蓋を開けてみたら同機能は搭載されておらず。

同時に発売したApple Watch Series 5はバッテリー持ちが先代モデルよりも実質的に悪くなっているため、できればiPhoneの背面で充電できるようになっていて欲しかった。

②3D Touchが廃止され触覚タッチに

これまでのiPhoneには、画面を強めにググッと押し込むと特定の操作ができる3D Touch機能が搭載されていたのだが、今回のiPhone 11シリーズでは同機能が廃止となり、代わりに触覚タッチという機能が導入された。

3D Touchは使わない方はとことん使わない操作ではあると聞くが、例えばLINEアプリを3D Touchで押し込むと即座にQRコードリーダーを起動できるなど、便利に使える場面が多かったのも事実。3D Touchを頻繁に使っていたユーザーからは廃止を嘆く声も上がっている。

筆者もメモアプリなどで文章を入力する際、キーボード上を3D Touchでググッと押し込むことでカーソル位置をグリグリと動かせる機能を頻繁に使っていたため、3D Touchの廃止をとても残念に思う。

3D Touchが廃止されたiPhoneでは、基本的には長押しで3D Touchと同じような動作をするようにはなっている。ただし、3D Touchほど直感的に操作できるものではないので、慣れるまでは少しストレスを感じるかもしれない。

また、筆者がよく使っていたキーボードの押し込みによるカーソル位置の移動は、代わりにキーボードのスペースバーを長押しすることで利用できるようになった。以前はキーボード上であればどこでも押し込みで対応できたのだが、今後はこの方法を活用していくしかなさそうだ。

まとめ:iPhone 11 Proはどんなユーザーにオススメか

iPhone 11 Proはどんなユーザーが購入するべきなのか。そもそも今回のiPhone 11シリーズはiPhone XSからのマイナーアップデートモデルといっても過言ではない。随所にわたって改良は加えられてはいるものの、iPhone XやiPhone XSシリーズからの買い替えに関しては必ずしも必須ではないだろう。

そういう意味では、今回のメーンの買い替え対象者はiPhone 8以前のモデルをお持ちの方たちだろう。

iPhone 8以前のモデルはTouch IDが搭載されていたため、Face IDへの切り替えはおそらく戸惑うと思う。しかし、顔認証機能も改良が加えられており、いまやTouch IDと同じかそれ以上の早さでユーザー認証が可能になっている。

指紋のように認証ミスを起こす可能性が少ないため、マスクを日常的に使用するユーザーでなければそこまで心配する必要はないだろう。端末全体を効率よく使えるベゼルレスなデザインのiPhoneを、ぜひ使ってみてほしいと思う。

ちなみに、iPhone X以降のユーザーが買い換えるならばやはりカメラ性能とバッテリー持ちに恩恵がありそうだ。特にカメラ性能についてはナイトモードや超広角などこれまでにない画角の写真を撮影できるため、iPhoneで写真を撮影する機会の多い方は買い替えも考えても良さそうだ。

実際、筆者はiPhone XS Maxからの乗り換えとなったが、iPhone 11 Proのカメラ性能には一定の満足感を得ており、乗り換えてよかったと感じている。もしカメラのアップグレードがお望みなら、iPhone 11 ProあるいはiPhone 11 Pro Maxがオススメ。税込で14万円を超える高額なスマートフォンではあるが、その価値は十分にあるはずだ。

iPhone 11 Pro/11 Pro MaxはApple公式サイトおよび各キャリアで販売されている。各モデルの比較についてはApple公式サイトや当サイトの比較記事を参考にどうぞ。

もしくは、記事の一番最後にiPhone 11シリーズの全モデルの比較表を掲載しておくため、各モデルのスペックを見比べたい方はぜひ活用していただきたい。

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  iPhone 11 iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro Max
ディスプレイ Liquid Retina HDディスプレイ
オールスクリーンLCD Multi‑Touchディスプレイ
コントラスト比 1,400:1
広色域ディスプレイ(P3)
True Toneディスプレイ
触感タッチ
Super Retina XDRディスプレイ
オールスクリーンOLED Multi‑Touchディスプレイ
HDRディスプレイ
コントラスト比 2,000,000:1

広色域ディスプレイ(P3)
True Toneディスプレイ
触感タッチ
ディスプレイサイズ 6.1インチ 5.8インチ 6.5インチ
解像度 1,792 × 828ピクセル(326ppi) 2,436 × 1,125ピクセル(458ppi) 2,688 × 1,242ピクセル(458ppi)
プロセッサ A13 Bionicチップ
第3世代のNeural Engine
外向きカメラ デュアル12MPカメラ
超広角
:f/2.4 (120°視野角)
広角f/1.8

光学ズームアウト(2倍)
デジタルズーム(最大5倍)
ポートレートモード
ポートレートライティング(6種類)
光学式手ぶれ補正(広角)
ナイトモード
次世代のスマートHDR

トリプル12MPカメラ
超広角
:f/2.4 (120°視野角)
広角:f/1.8
望遠:f/2.0

光学ズームイン(2倍)
光学ズームアウト(2倍)
デジタルズーム(最大10倍)
ポートレートモード
ポートレートライティング(6種類)
デュアル光学式手ぶれ補正(広角/望遠)
ナイトモード
次世代のスマートHDR

ビデオ撮影 4Kビデオ撮影(24/30/60fps)
1080p HDビデオ撮影(30/60fps)
ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大60fps)
ビデオの光学式手ぶれ補正
光学ズームアウト(2倍)

デジタルズーム(最大3倍)
オーディオズーム
QuickTakeビデオ
1080pスローモーションビデオ(120/240fps)
ステレオ録音
4Kビデオ撮影(24/30/60fps)
1080p HDビデオ撮影(30/60fps)
ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大60fps)
ビデオの光学式手ぶれ補正
光学ズームイン(2倍)
光学ズームアウト(2倍)

デジタルズーム(最大6倍)
オーディオズーム
QuickTakeビデオ
1080pスローモーションビデオ(120/240fps)
ステレオ録音
内向きカメラ 12MPカメラ:f/2.2
ポートレートモード
ポートレートライティング(6種類)
アニ文字とミー文字
4Kビデオ撮影(24fps/30fps/60fps)
1080p HDビデオ撮影(30fps/60fps)
1080pスローモーションビデオ(120fps)
次世代のスマートHDR
映画レベルのビデオ手ぶれ補正(4K/1080p/720p)
センサー Face ID
気圧計
3軸ジャイロ
加速度センサー
近接センサー
環境光センサー
通信 LAA対応ギガビット級LTE(2×2 MIMO)
802.11ax Wi‑Fi 6(2×2 MIMO対応)
Bluetooth 5.0
空間認識に対応した超広帯域チップ
リーダーモード対応NFC
予備電力機能付きエクスプレスカード
FeliCa
LAA対応ギガビット級LTE(4×4 MIMO)
802.11ax Wi‑Fi 6(2×2 MIMO対応)
Bluetooth 5.0
空間認識に対応した超広帯域チップ
リーダーモード対応NFC
予備電力機能付きエクスプレスカード
FeliCa
バッテリー ビデオ再生:17時間
オーディオ再生:65時間

高速充電(30分で最大50%充電)
ワイヤレス充電(Qi規格)

ビデオ再生:18時間
オーディオ再生:65時間

18Wアダプタが付属
高速充電(30分で最大50%充電)
ワイヤレス充電(Qi規格)

ビデオ再生:20時間
オーディオ再生:80時間

18Wアダプタが付属
高速充電(30分で最大50%充電)
ワイヤレス充電(Qi規格)

スピーカー 空間オーディオ再生
Dolby Atmos対応
防水性能 IP68等級
(最大水深2メートルで最大30分間)
IP68等級
(最大水深4メートルで最大30分間)
本体サイズ 縦150.9 × 横75.7 ×厚さ8.3 mm 縦144.0 × 横71.4 ×厚さ8.1 mm 縦158.0 × 横77.8 ×厚さ8.1 mm
重量 194g 188g 226g
カラー ブラック
グリーン
イエロー
パープル
(PRODUCT)RED
ホワイト
ゴールド
スペースグレイ
シルバー
ミッドナイトグリーン
価格(税別) 64GB:74,800円
128GB:79,800円
256GB:90,800円
64GB:106,800円
256GB:122,800円
512GB:144,800円
64GB:119,800円
256GB:135,800円
512GB:157,800円

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。