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iPhone SE レビュー | 第2世代になってもTouch IDは現役。安さが取り柄なんて言わせない

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小さなサイズでお手頃価格を実現した 「iPhone SE」 が、2020年4月に突如リバイバル。

iPhone SE(第2世代)」 と名付けられた今回のiPhone SEは、iPhone 8をベースに開発されていることもあり姿形はまさにiPhone 8のまま。ホームボタンも健在で、生体認証には指紋認証機能 「Touch ID」 が採用されている。ただし内蔵されているプロセッサが最新のものに置き換えられるなど、いくつかの重要な箇所が現代仕様に置き換えられた。

筆者は話題の 「iPhone SE(第2世代)」 を発売日に入手し、さっそくじっくり使ってみた。Touch IDを搭載し、5万円で買える最新ハイコスパiPhone。果たしてその実力はどれほどのものなのか。主力機種の 「iPhone 11」 シリーズとの比較も多少交えながら、本機の特徴をお伝えする。

iPhone SE(第2世代)のデザインをチェック

さっそく、iPhone SE(第2世代)の製品デザインをチェックしていこう。前述のとおりiPhone SE(第2世代)は、iPhone 8(2017年発売)のデザインを採用したこともあって、見た目はiPhone 8にソックリだ。

画面サイズは4.7インチ(画面解像度1,334×750ピクセル/326ppi)。上下には太いベゼル、そしてホームボタンが下部中央に配置された旧来型iPhoneのデザインを採用している。

ホワイトモデルもフロントパネルが黒に

iPhone SE(第2世代)の最大の特徴のひとつは、端末のコンパクトさにあると言えるだろう。端末サイズは幅67.3x高さ138.4x厚さ7.3mm。実際に手にとってみるとこんな感じ。

4インチの画面を搭載した初代iPhone SEほどではないものの、iPhone 11シリーズに比べてひと回り以上小さく、筆者の小さな手でも片手でガッチリ握ることができるので、コンパクトなスマホがお好きな方にはオススメだ。ちなみに重量も146gと軽い。

画面が小さいためアプリはやや窮屈に並ぶ(右がiPhone SE)

iPhone SE(第2世代)の画面はiPhone XRiPhone 11と同じく液晶。一般的には液晶よりも有機ELディスプレイの方が画面がキレイと言われることが多いが、iPhone SE(第2世代)の画面は有機ELディスプレイを搭載した上位モデルに負けず劣らずの美しさとなっている。

HDRコンテンツを積極的に楽しむつもりがなければ、iPhone SE(第2世代)の画面でも十分に満足できるだろう。ただし気づかないレベルの違いではあるが、iPhone 11 Proの画面に比べるとやや黄色みがかった色味となっていた。

ここからは背面について。低価格モデルであるiPhone SE(第2世代)だが、背面にはガラス製パックパネルが使用されていて安っぽさはあまり感じられない。

また、触るとしっとりとした触感が得られるようになっている。多くのユーザーは保護ケースを装着してしまうためあまり関係ないところではあるものの、裸で持ち歩く人にとってはこのしっとりとした触感は(手からズレ落ちづらいという意味で)おそらく重要だろう。

背面左上に搭載されているカメラはシングルレンズ仕様。画素数は1,200万、広角仕様でF値は1.8なので、基本性能はおおよそiPhone 8やiPhone XRと同等。ただしこれらのデバイスとは一部カメラ機能に違いがあるため、詳しくはあとで詳しく述べたいと思う。

Appleのロゴマークは端末中央に配置されるようになった。これまでロゴマークは端末中央上部寄りだったが、iPhone 11シリーズから中央配置に変更されていて、その変更がiPhone SEでも実施されている。

カラーラインナップはホワイト、スペースグレイ、(PRODUCT)REDの3色で、今回レビューに使用しているのはホワイトになる。ホワイトモデルはフロントパネルがブラックになるなどカラーに関する変更が加えられた。

筐体側面はアルミニウム仕様。iPhone 11 Proなど上位モデルはステンレススチール仕様で高級感がある一方で、iPhone SE(第2世代)iPhone 11はコストダウンのためアルミフレームを採用している。ただしステンレススチールのフレームに比べて傷がつきづらいというメリットもあるため、アルミフレームも悪くはない。

左側

右側

左側面にはマナースイッチと音量調節ボタン。右側面にはサイドボタンとSIMカードスロットが配置されていて、ここはiPhone 11シリーズとほぼ同じだ。

底面にはLightningコネクタとスピーカーグリルが用意されている。これらの仕様はiPhone 8からまったく変わっていない。

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生体認証はTouch ID。ホームボタンは感圧式

iPhone SE(第2世代)の生体認証は、懐かしのTouch ID(指紋認証)。ここ数年のiPhoneには顔認証機能であるFace IDの搭載が常態化していたが、iPhone 8をベースに開発した低価格モデルということもありTouch IDを引き続き搭載している。

iPhone SE(第2世代)の指紋認証センサーは第2世代のもので、第1世代のTouch IDに比べて指紋の読み込みが高速化されたものになっている。指を置くと1秒もかからずにスッと認証が完了してしまうため、画面ロックの解除はかなりスムーズだ。

Touch IDは画面のロック解除だけでなく、アプリの購入やApple Payでの支払いの際に利用する。昨今はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大のおかげで外出する際はマスク着用が必須となっているが、その中で顔を見せる必要のないTouch IDはかなり利便性が高い。

iPhone SE(第2世代)のホームボタンは物理式のものではなく感圧式と呼ばれるソフトウェアで制御するものになっている。押した感覚をバイブレーションの振動によってユーザーに伝える仕組み。その証拠にiPhone SE(第2世代)の電源を切ると、ホームボタンを押すことができない。同ホームボタンを使ったことがない人なら最初はもしかするとびっくりするかもしれないが、おそらく使っていくうちに自然と慣れていくはずだ。

ちなみに、感圧式ホームボタンは振動の強弱を3段階で選べる。Touch ID搭載機をお持ちの方にはお馴染みの機能かもしれないが、Face ID搭載機を使っている筆者には懐かしさも。強弱は初期設定の段階で選ぶことができるほか、設定アプリで随時変更できるようになっているため、ぜひお好みの設定を。

内蔵プロセッサはA13。ベンチマークスコアで実力を計測

iPhone SE(第2世代)は現行ラインナップの中で最も低価格なモデルであるにも関わらず、主力モデル 「iPhone 11」 シリーズに搭載されているものとおなじ 「A13 Bionic」 プロセッサが採用されている。

Appleの説明によれば、「A13 Bionic」 はiPhone 8シリーズに搭載されていた 「A11 Bionic」 に比べてCPUの処理速度が最大1.4倍、GPUの描画性能が最大2倍速くなっているという。もしiPhone 8で処理能力が足りないと感じていた作業も、iPhone SE(第2世代)ならスムーズにこなしてくれるはずだ。

実際にGeekbench 5でベンチマークスコアを計測してみたところ、その実力は 「iPhone 11」 「iPhone 11 Pro」 とほぼ同じであることが確認できた。

iPhone 8に搭載されていた 「A11 Bionic」 と比較すると、シングル・マルチコアスコアは約1.4~1.5倍、METAL(GPU性能)は約1.8~1.9倍高速という結果に。Appleの説明に間違いはないようだ。

  iPhone 8 iPhone SE(第2世代) iPhone 11
シングルコアスコア 903 1328 1328
マルチコアスコア 2245 3334 3306
METAL 3471 6358 6371

実際に筆者はiPhone SE(第2世代)を使って様々な作業をしてみたが、ブラウジングやゲーム、SNS、さらには写真編集や動画保存などほぼすべての作業を高速で行うことができた。アプリの起動やiPhone SE(第2世代)自体の起動もかなり高速なため、一般ユーザーであれば性能に困る心配はほぼないはず。

また、「A13 Bionic」 はこれほどの高い性能を実現しているにも関わらず、iPhone 8とほぼ同じくらいのバッテリー駆動時間を実現している。これは 「A13 Bionic」 プロセッサの省電力性能がいかに優れているかの証拠と言えるだろう。

ちなみにiPhone SE(第2世代)のRAM容量は3GB。Geekbench 5で計測した際に確認したが、同デバイスの高速な処理にはこのメモリ容量の増加が関係しているはずだ。参考までにiPhone 8のメモリ容量は2GB、iPhone SE(第1世代)も2GBだった。

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カメラ性能

iPhone SE(第2世代)の背面に搭載されているメインカメラは、広角(1,200万画素/F値1.8)のシングルレンズ。

デュアルレンズやトリプルレンズが一般的な現代において、シングルレンズはややパワー不足を感じざるを得ないが、iPhone SE(第2世代)のそれは単眼でありながら、背景をボカして印象的な写真を撮影できるポートレートモードや、撮影したポートレート写真に6種類の照明効果を付与するポートレートライティング機能など、上位モデルに搭載されている機能の一部を利用することが可能だ。

そのおかげもあって、iPhone SE(第2世代)のカメラ性能は同じシングルレンズカメラを搭載しているiPhone XRよりも上。現時点で、史上最高のシングルレンズカメラを搭載したiPhoneということになる。

背面カメラの性能
iPhone XR iPhone SE(第2世代)
・12MP広角カメラ(f/1.8)
・最大5倍のデジタルズーム
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・3つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明)
・光学式手ぶれ補正
・6枚構成のレンズ
・LED True Toneフラッシュとスローシンクロ
・写真のスマートHDR
・12MP広角カメラ(f/1.8)
・最大5倍のデジタルズーム
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明、ステージ照明、ステージ照明(モノ)、ハイキー照明(モノ))
・光学式手ぶれ補正
・6枚構成のレンズ
・LED True Toneフラッシュとスローシンクロ
・サファイアクリスタル製レンズカバー
・次世代のスマートHDR(写真)

最近のスマートフォンはカメラのレンズ数が徐々に多くなる傾向にあり、Appleでも主力ラインナップのiPhone 11シリーズは、iPhone 11が広角+超広角のデュアルレンズカメラ、iPhone 11 Pro/11 Pro Maxが広角+超広角+望遠のトリプルレンズカメラを搭載している。当然だが、レンズのバリエーションが多ければ多いほど凝った写真を撮影することができる。

また、iPhone 11シリーズでは暗い場所でも綺麗な写真が撮影できるナイトモードが利用できるほか、ポートレートモードで人物だけでなく物の撮影にも対応するなど、複数の点においてiPhone SE(第2世代)の上を行く。よりキレイな写真が撮りたいのであればやはり上位モデルを購入するべきだろう。

背面カメラの性能
  iPhone SE(第2世代) iPhone 11 iPhone 11 Pro
レンズ シングルレンズカメラ
・広角(12MP, f/1.8)
デュアルレンズカメラ
・広角(12MP, f/1.8)
・超広角(12MP, f/2.4, 120°)
トリプルレンズカメラ
・広角(12MP, f/1.8)
・超広角(12MP, f/2.4, 120°)
・望遠(12MP, f/2.0)
機能 ・最大5倍のデジタルズーム
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
・光学式手ぶれ補正
・LED True Toneフラッシュとスローシンクロ
・サファイアクリスタル製レンズカバー
・次世代のスマートHDR(写真)
・2倍の光学ズームアウト
・最大5倍のデジタルズーム
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
・光学式手ぶれ補正(広角)
・より明るいTrue Toneフラッシュとスローシンクロ
・サファイアクリスタル製レンズカバー
・ナイトモード
・自動調整
・次世代のスマートHDR(写真)
・2倍の光学ズームイン
・2倍の光学ズームアウト
・最大10倍のデジタルズーム
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
・デュアル光学式手ぶれ補正(広角/望遠)
・より明るいTrue Toneフラッシュとスローシンクロ
・サファイアクリスタル製レンズカバー
・ナイトモード
・自動調整
・次世代のスマートHDR(写真)

とはいえ、広角レンズだけに限定すればiPhone SE(第2世代)とてiPhone 11 Proとほぼ同じクオリティの写真を撮影できる。以下の写真を見比べてみてほしいのだが、写真の品質という意味では大して変わらないのが実情だ(実は少しだけiPhone 11 Proの方が画角が広い)。

iPhone 11シリーズのような超広角撮影や夜景撮影、人物以外でポートレート写真を撮影する機会がないのであれば、基本的にはiPhone SE(第2世代)でも問題はないと言うことができるだろう。

iPhone SE(第2世代)でおうどんを撮影

ビデオ撮影においては、iPhone SE(第2世代)はiPhone XRと同様に最大60fpsの4Kビデオが撮影できるほか、ステレオ録音や光学式手ブレ補正などに対応している。さらに映画レベルのビデオ手ブレ補正が4Kまで対応していたり、写真モードでの撮影中にビデオ録画に即座に切り替えることができるQuickTake機能に対応するなど、iPhone XRから進化を遂げた部分もある。

ビデオ性能
iPhone XR iPhone SE(第2世代)
・4Kビデオ撮影(最大60fps)
・ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps)
・ビデオの光学式手ぶれ補正
・最大3倍のデジタルズーム
・LED True Toneフラッシュ
・QuickTakeビデオ
・1080pスローモーションビデオ(最大240fps)
・映画レベルのビデオ手ぶれ補正(最大4K)
・再生ズーム
・ステレオ録音
・4Kビデオ撮影(最大60fps)
・ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps)
・ビデオの光学式手ぶれ補正
・最大3倍のデジタルズーム
・LED True Toneフラッシュ
・1080pスローモーションビデオ(最大240fps)
・映画レベルのビデオ手ぶれ補正(最大1080p)
・再生ズーム
・ステレオ録音

前面には7MPのFaceTime HDカメラが搭載されていて、ポートレートモードやポートレートライティング、1080pでのHDビデオ撮影(30fps)が利用できる。これらはほぼiPhone XRと同じ性能ではあるが、Face IDが搭載されていないためアニ文字やミー文字は使用不可。こういった機能を使いたいのであれば、上位モデルの購入も視野に入れる必要がある。

前面カメラ
iPhone XR iPhone SE(第2世代)
TrueDepthカメラ
・7MP (f/2.2)
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
・アニ文字とミー文字
・1080p HDビデオ撮影(最大60fps)
・Retina Flash
・写真のスマートHDR
・ビデオの拡張ダイナミックレンジ(30fps)
・自動手ぶれ補正
・映画レベルのビデオ手ぶれ補正(最大1080p)
FaceTime HDカメラ
・7MP (f/2.2)
・進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
・6つのエフェクトを備えたポートレートライティング
・1080p HDビデオ撮影(30fps)
・Retina Flash
・QuickTakeビデオ
・写真の自動HDR
・自動手ぶれ補正
・映画レベルのビデオ手ぶれ補正(最大1080p)

以上を踏まえると、iPhoneで凝った写真を撮影する機会がないのであれば 「iPhone SE(第2世代)」 でも十分だろう。ただし、超広角・望遠レンズを活用するような写真を撮影したり、ミー文字などユニークな機能を使いたい方は 「iPhone 11」 (もしくはiPhone XR) シリーズを購入した方が良いはずだ。「iPhone 11」 と 「iPhone 11 Pro」 のカメラ性能については、以下のレビュー記事を参考にしていただきたい。

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Apple Payをフルサービスで利用できる

iPhone SE(第2世代)はNFCやFeliCaに対応しているため、Apple Payをフルサービスで使うことができる。

これまでApple Payを使ったことがない方向けに簡単に説明しておくと、Apple PayはiPhoneを電子マネーリーダーにかざすことで支払いできる便利なキャッシュレス機能。支払いにはWalletアプリに登録したクレジットカードが使われ、アプリやウェブ、店頭などで利用できるほか、Suicaを登録しておけばiPhoneを改札にタッチして電車に乗ることもできてしまう。iPhone 8も同機能を利用することができたが、初代iPhone SEは利用することができなかった。

iPhone SE(第2世代)でApple Payを使うには、ホームボタンを2度押しして支払うカードを選択し、Touch IDで指紋認証を完了したのちに本体上部を支払い端末にかざせば良い。改札でiPhoneをタッチして運賃を支払いたい場合は、Suicaをエクスプレスカードに登録すれば、わざわざホームボタンを2度押しせずとも本体上部を改札にかざすだけで支払いが可能だ。

ちなみに、もしiPhone SE(第2世代)でSuicaを使用しているときにバッテリーがなくなってしまっても、予備電力機能付きエクスプレスカードにより最大5時間以内であれば改札を通ることができる。(あまり想像したくない事態ではあるが) たとえ電車内でバッテリーを切らしてしまったとしても安心だ。

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ステレオスピーカーの音質は良好

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実は細かい仕様だが、iPhone SE(第2世代)のスピーカーはステレオ仕様。iPhone SE(第2世代)のスピーカーは、本体下部のLightningポートの左にひとつ、そして本体上部の前面カメラの隣にひとつの合計ふたつのスピーカーが搭載されている。

このふたつのスピーカーから音が出ることで、iPhone全体から音が流れているように聞こえる。モノラルスピーカーだった頃に比べて音の迫力が増しただけでなく、音がやや立体的に聞こえるようになっている。動画配信サービスで映画を見るときなどにきっと役立つはずだ。

ちなみに、上位モデルの 「iPhone 11」 シリーズは通常のステレオ再生ではなく、空間オーディオ再生とDolby Atmosに対応していて、より臨場感のある音を楽しむことができるようになっている。iPhone本体のオーディオ性能によって購入するモデルが変わるという人はそこまで多くはないとは思うが、上位モデルとの間にこのような細かい違いがあるという点についてはぜひ覚えておこう。

ワイヤレス充電&急速充電が利用できる

iPhone SE(第2世代)はワイヤレス充電に対応しており、Qi (チー:ワイヤレス充電規格) に対応するワイヤレス充電器のうえに置くことでバッテリーを充電することが可能だ。

デスクのうえにワイヤレス充電器を準備しておき、バッテリーが少なくなってきたら、充電器の上にiPhoneをポンッと載せる。これだけで簡単にバッテリーを充電可能。席を立つときもわざわざケーブルを外す手間が不要なため、スムーズに移動することができる。

iPhone SE(第2世代)は高速ワイヤレス充電に対応しており、対応ワイヤレス充電器であれば最大7.5Wでの高速充電も可能だ。ワイヤレス充電は有線充電に比べると送電ロスが大きいため、できればこの7.5W充電に対応したワイヤレス充電器を用意したいところだ。

USB-C充電器で高速充電可能

もちろん、ワイヤレス充電は有線には劣るので高速に充電したいならLightningケーブルを使って充電するのが一番だ。ただし、iPhoneはUSB-C充電器とLightning to USB-Cケーブルを使用することで超高速に充電することが可能だ。

たとえば先日発売したばかりの 「RAVPower RP-PC128」 であれば、わずか30分で50%以上の充電が可能。基本的にはUSB-PDに対応している充電器であればどれでも高速充電が利用できるが、もしiPhone用のUSB-C充電器を探しているなら、出力的に 「RAVPower RP-PC120」 あたりがオススメだ。

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バッテリー持ちは先代から変わらず

Appleが公開した技術仕様によると、iPhone SE(第2世代)のバッテリー持ちはiPhone 8とほぼ同じ。ビデオ再生は最大13時間、オーディオの再生は最大40時間。iPhone 8から乗り換えた方からすれば、まったく同じような感覚で使うことができるはずだ。

iPhone 8 iPhone SE(第2世代)
ビデオ再生:最大13時間
オーディオ再生:最大40時間
ビデオ再生:最大13時間
オーディオ再生:最大40時間

では、実際のバッテリー持ちはどれくらいなのか。試しに画面の輝度を約半分にした状態で、YouTube動画を流し続けたときのバッテリー持ちを検証してみた。

経過時間 バッテリー残量
計測開始 100%
1時間後 89%
2時間後 79%
3時間後 68%
4時間後 58%
5時間後 47%
6時間後 38%
7時間後 28%
8時間後 18%
9時間後 8%
10時間後 0%

検証の結果、バッテリーは1時間で約10%ずつ減っていき、最終的には約10時間でバッテリーがゼロに。Appleはビデオ再生を約13時間と謳っているが、今回の検証ではそれよりもやや短い駆動時間になった。もちろんもっと画面輝度を低くしたり、YouTube動画ではなくiPhoneのストレージ内に保存している動画を再生したりすればもっとも長く駆動できるはず。

また、今回は動画の連続再生という形で検証を行なったが、作業内容によってバッテリー持ちは大きく変わってくるため、あくまで上記の検証は参考程度に考えていただきたい。

ただひとつ言えることは、より高性能なプロセッサが搭載されたにも関わらず同じくらいのバッテリー持ちを実現できたということは、それだけ 「A13 Bionic」 の省電力性能が優れているということだ。

防水性能はIP67相当

iPhone SE(第2世代)は、上位モデルほどではないが高い防水性能を持っている。

iPhone SE(第2世代)の防水等級はIP67。これはiPhone 8やiPhone XRと同じ防水性能で、最大1メートルの水深に最大30分間放置しても(理論上は)水没しないレベルとされる。

スマートフォンの故障原因の多くは水没と落下による画面割れ。このうちの水没を防げるというのはとても大きなアピールポイントになる。海やプールなど水関係のアクティビティ、キッチンや洗面所など本来であれば水没の危険がある場所でも安心して使えるだろう。

ただし油断は禁物。防水性能が高いと言っても完全に故障がないわけではない。そもそも、さらに防水性能が高いiPhone 11 Pro(IP68)ですら水没による故障が発生していることから、iPhone SE(第2世代)でも水没故障することは大いにあり得るはずだ。あくまで “水没故障しづらい設計になっている” であり、基本的には液体物にさらさないようにするのが鉄則であることはぜひ伝えておきたい。

eSIMでデュアルSIM化可能

左:iPhone 11 Pro / 右:iPhone SE(第2世代)

iPhone SE(第2世代)はeSIMに対応した初のiPhone SE。SIMトレイに挿入した物理SIMカードとeSIMを組み合わせることで、「デュアルSIM」 を実現できるようになっている。

スマートフォンなどの端末に物理的なSIMカードを抜き差しせず、通信サービスの利用に必要な加入者情報 (プロファイル) を遠隔で書き込める組み込み型のSIM。従来のようにSIMカードを挿入することなく、eSIMを搭載したスマートフォンやタブレット等にプロファイルをダウンロードするだけで、手軽にデータ通信を開始したり、通信キャリアを切り替えることができる。

デュアルSIMが利用できれば、通話用と通信用で別々のSIMを使い分けたり、日本で使うSIMと海外で使うSIM、など2枚のSIMカードを用途別で使い分けることが可能だ。

まだまだeSIMに対応したサービスを展開する会社は少ないものの、最近では楽天モバイルが対応するなど国内でも徐々にサービスが増えつつある。iPhone SE(第2世代)はこれまで登場したeSIM搭載iPhoneの中でもっとも安いモデルということもあり、eSIM需要はさらに伸びるはず。近い将来、国内三大キャリアがeSIMサービスを展開してきてもおかしくないのではないだろうか。

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保護ケースと保護フィルムの流用について

iPhone SE(第2世代)は、本体のデザインおよび画面のサイズがiPhone 8とほぼ同じになっていることから、iPhone 8の保護ケースや液晶保護フィルムを使い回せると思っている方も多いのではないだろうか。

しかし結論から述べると、基本的に保護ケースはほとんどのものが使えるが、液晶保護フィルムは貼り付けた際に端が浮いてしまって使えない商品もある模様。

どうにもiPhone SE(第2世代)のフロントパネルの湾曲角度とiPhone 8のフロントパネルの湾曲角度が異なるという話。iPhone 8とほぼ同じデザインだからといって、すべてのアクセサリが流用できるとは限らないようだ。というわけで、液晶保護フィルムに関しては、基本的にiPhone SE(第2世代)への対応を謳ったものを購入することをオススメする。

まとめ:iPhone SE(第2世代)はどんなユーザーにオススメか

ここまでiPhone SE(第2世代)の仕様や特徴について紹介してきたが、果たして同モデルはどんなユーザーにオススメできるのだろうか。

iPhone SE(第2世代)の魅力はなんと言っても価格(コストパフォーマンス)とTouch IDの存在だろう。まずは価格についてだが、64GBの最安モデルで49,280円(税込)、最大ストレージを搭載した256GBモデルでも66,880円で購入できてしまう。上位モデルのiPhone 11は最安82,280円(税込)、iPhone 11 Proに関しては最安117,480円(税込)だ。

これらのモデルに比べると、iPhone SE(第2世代)の購入ハードルはかなり低い。上位モデルには付加価値として様々な機能が用意されているが、そのほとんどはカメラ性能や画面・スピーカー品質などになる。

iPhone 11シリーズを購入して損はしないと筆者は思っているが、もし上位モデルに魅力を感じないのであればiPhone SE(第2世代)を購入してもおそらく後悔することはないはずだ。むしろ一部機能を搭載しない代わりに出費を抑えることで、イヤホンやヘッドホンなど他製品に回せる資金が増えるというメリットもある。

第2にTouch IDが搭載されているというメリットがある。時として手荒れによって指紋認証ができないことがあるため、筆者個人的には指紋認証(Touch ID)よりも顔認証機能(Face ID)の方がどちらかというと好みだったりするのだが、昨今のコロナ事情や花粉時期にマスク装着を余儀なくされる方を考慮すると、やはりTouch IDには一定の需要があるはず。

もしAppleがFace IDとTouch IDを共存させたデバイスを発売するときがきたら、いよいよiPhone SE(第2世代)の存在価値は薄くなってくる可能性はあるものの、まだTouch IDを搭載した唯一のiPhoneとして、iPhone SE(第2世代)には大きな価値があるだろう。

ちなみに今回詳しくは紹介しながったが、実はiPhone SE(第2世代)は次世代通信規格 「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」 とギガビット級LTEに対応しているなど通信に関する高速化も行われている。

特に 「Wi-Fi 6」 は対応するルーターが必要なためまだまだ普及は進んでいないのが現状だが、徐々に実装するルーターが増えていることから将来的にはスタンダード化するとみられる。そうした次世代の規格に早くに対応しておくのは地味ながら重要なことだ。筆者の自宅はすでに “Wi-Fi 6“ 化を完了しているが、そのおかげで従来に比べて約10〜20%程度通信速度が高速になった。

こうした次世代規格を手軽に味わうことができるのもiPhone SE(第2世代)の魅力と言えるのかもしれない。

iPhone SE(第2世代)はとても優秀な頭脳の持ち主で、今後数年は間違いなく使えるであろう高い性能を持っている。しかもコンパクトで扱いやすいというメリットもありながら、多くのユーザーが愛するTouch IDとホームボタンを残したデバイスだ。ナイトモードに非対応など一部機能が搭載されなかったことにややもったいないと感じる箇所もあるが、”必要最小限”を”最大限の性能”で、しかも ”お手頃価格” でそれを実現したiPhone SE(第2世代)。筆者がオススメするスマートフォンのひとつとして加えたいと思う。

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※iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※App Store、AppleCare、iCloudは、Apple Inc.のサービスマークです。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。