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「Jaybird RUN XT」 レビュー | 丸洗いできるランナーのための完全ワイヤレスイヤホン

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近年、多くのメーカーから完全ワイヤレスイヤホンが登場している。

完全ワイヤレスイヤホンと言えば、名前の通りケーブルが一切ないイヤホンのことで、ケーブルに拘束されることなく音楽を楽しめるのが特徴。有線イヤホンのようなブラブラと垂れ下がるケーブルがないため、通勤・通学などの日常生活だけでなくスポーツユースにも最適だ。

最近では激しいスポーツにも耐えられるよう、防汗・防水仕様のワイヤレスイヤホンも多数登場しているが、先日、Logitech International (日本法人名:ロジクール) 傘下のオーディオメーカー 「Jaybird」 から、新たなスポーツ用の完全ワイヤレスイヤホン 「Jaybird RUN XT」 が発売された。

スポーツイヤホンは音質はもちろんのこと、激しい運動をしてもイヤホンが外れないフィット感や操作のしやすさ、耐久性…などなど様々な要素が求められるが、果たして 「RUN XT」 は本当にスポーツモデルとして十分な性能を持っているのだろうか。実機を使ってテストしてみたので、日常的にスポーツをする機会の多い方は是非興味を持って同レビューをご覧いただきたい。

スポーツ中の集中力を高めるのに最適な 「Jaybird RUN XT」

こちらが今回紹介する 「Jaybird RUN XT」 、上記写真はバッテリーケースを写したものだ。

ケースはイヤホンを持ち歩くためのキャリングケースになるだけでなく、中にバッテリーが内蔵されておりケースに入れたイヤホンを充電する役割も担う。バッテリーケースは全体的に丸みを帯びていてとても握りやすい。大きさは平均的な手のひらサイズで、ジーンズのポケットにもスッポリと入るくらいコンパクトだ。

「RUN XT」 のバッテリーケースはムール貝のような横長の形状をしており、それを上記写真のようにパカっと開くとイヤホンと対面できる。イヤホンは指でつまむだけで簡単に取れるようになっていて、バッテリーケースからスムーズな出し入れが可能だ。

イヤホンはいわゆるカナル型と呼ばれるタイプ。音質については後で詳しく触れたいと思っているが、このカナル型という形状のおかげで音楽は耳にダイレクトに伝わり、遮音性も抜群。音漏れも気にならなかった。

イヤホン単体の重さは左右のどちらも8g(グラム) 。耳に装着しても重さを感じることはなく非常に快適だ。ちなみにバッテリーケースも55gと軽量で、イヤホンとバッテリーケースを合わせても71gしかないため、カバンに入れて持ち歩いてもさほど重たく感じることはないだろう。

フィット感も抜群。そもそも製品名に 「RUN (走る)」 が入っていることから、ランナーが使用することを想定していることが分かると思うのだが、振動や上下運動などで落ちてしまわないよう耳にピッタリとハマるように作られている。

実際に同イヤホンを装着して1~2時間ほどジョギングしてみたところ、落ちそうになるどころか一度もズレることはなかった。また、筆者が得意なウィンタースポーツ ( Jaybird TARAH PRO のレビューの際にお伝えした)、例えばスキーやスノーボードの激しめな動きであっても大丈夫だった。多くの完全ワイヤレスイヤホンの中でも、トップクラスのフィット感と言えるのではないだろうか。

ちなみに耳の中にスッポリと収まる設計になっているため、フードなどに引っ掛けて地面に落としてしまうといったありがちなミスを犯すこともないはずだ。

ただ、耳の形は個人差があるため必ずしも自身の耳にフィットするとは限らない。もし、自分の耳に合っていないと感じたら、同梱されている交換用イヤーチップやフィンを使って調節可能だ。筆者の場合は最初から装着されていたものが最適だったため、特にイヤーチップなどを交換する必要はなかった。

少々ガジェット感の溢れる見た目をした同イヤホンだが、耳に入れると存在感が薄まりどんな服装にもマッチするのが意外なところ。スポーツ向け製品であるにも関わらず、スーツを着たビジネスマンが使っていても違和感はない。平日はサラリーマンとしてオフィスに出勤、休日は近くの運動公園でスポーツに励んでいるーーそんな生活を送っている方に同イヤホンは最適なのではないだろうか。

ちなみに、Jaybirdのロゴがあしらわれたトップ部分には、イヤホンを操作するためのボタンが用意されている。このボタンを押すことで、音楽の再生・停止やトラック送り、電話応答やSiriの起動ができる。ボタンは少し硬めに作られていることもあり、少し強めに押す必要あり。その際、イヤホンが耳の奥に食い込んでしまうのがやや難点だ。

イヤホン内側の充電端子

同デバイスはBluetoothでのペアリングとなるため、スマートフォンのほか、iPadなどのタブレットやMacBookのようなラップトップデバイスともつなぐことができる。

ペアリングはとても簡単。バッテリーケースからイヤホンを取り出すと自動的にペアリングモードになるので、あとはスマートフォンなどのデバイス側から接続するだけだ。もし、再度ペアリングが必要になっても右イヤホンのボタンを長押しするだけで、簡単にペアリングモードに移行できる。

ペアリングの簡単さに関しては、数ある完全ワイヤレスイヤホンの中でもおそらくトップクラスだろう。ただしペアリングが簡単なのはいいのだが、接続性に関してはやや不安になる点も。それについては、別途詳しく解説したいと思う。

スポーツイヤホンとしては勿体無いほどの音質

「RUN XT」 は高級イヤホンで、しかもあのJaybirdの製品ということで個人的に音にはかなり期待していたのだが、実際は期待通りの部分もあれば悪い部分もいくつか見つかった。

まずは純粋な音質について。完全ワイヤレスイヤホンは従来のイヤホンと比べると音質が低いと評価されることが多いが、「RUN XT」 の音質はそれなりに優秀だ。音の輪郭はかなりはっきり。Amazonで売っているような安いイヤホンだとぼんやり間延びした音になってしまうものがあるが、同イヤホンは音の解像度が高く明瞭な音を楽しむことができる。

低音から高音までの全体的なバランスも良く、どんな音楽でも原音を忠実に再現してくれる。変なクセがない素直なチューニングと言えるだろう。きっとどんなユーザーでもすぐに馴染めるはずだ。

上記の特徴からどのジャンルの音楽もそつなく鳴らしてくれる印象だが、個人的にはポップスとの相性がかなり良いように感じた。運動が楽しくなるような明るい曲をチョイスすることで、日課のジョギングもきっと楽しいものになるだろう。

また、自分好みに音を調整できる 「イコライザ機能」 もとてもグッド。Jaybirdの専用アプリを利用することで、低音重視・高音重視など自分好みの音に変更したり、聴く音楽に合わせて適宜変えることが可能。普段の音に飽きを感じ始めたら、イコライザを少しいじるだけでまた違った魅力を感じることができるはずだ。

しかもアプリのイコライザ機能の設定はイヤホン本体に直接保存される形式になっているため、スマートフォンを機種変更したとしても新しい端末で改めて設定し直す必要はない。

「RUN XT」 がとても優れた音質を持っていること、そしてイコライザ機能によって音を自分好みに調整できるのは前述した通り。スポーツ用イヤホンとしては勿体無いと思えるほどの高い能力を持っていることがお分りいただけたと思う。

しかし、しばらく使っていくうちに気になる点もいくつか見受けられるようになった。筆者が個人的に気になった点はふたつ。

まず一つ目は、聴く音楽によっては多少の音割れが聴こえるということ。ビリッと音が割れるような音が一瞬だけ聞こえるような感じで、特に曲の盛り上がりなど音圧が増す場所で発生することが多かった。耳障りに感じるほど深刻なものではないが、完璧な音を求めるオーディオマニアの方からすればここは少なくともグッドポイントにはならないだろう。ただし、この音割れは他社の完全ワイヤレスイヤホンでも発生することが多いため、どちらかと言うと 「RUN XT」 固有の問題というよりはむしろ完全ワイヤレスイヤホンの宿命とも言えるかもしれない。

むしろ、筆者が音割れより気になったのが 「音の遅延」 。普段、音楽を聴いていた時には気づかなかったことだが、実はスマートフォン側の再生とイヤホン側の再生に0.5秒ぐらいのズレが生じていたようで、YouTubeなどの動画を見ると映像と音声がズレて聴こえてしまう。

そういう意味では、このイヤホンは動画を見るためのものとしては不向き。音質がそれなりに優れているだけにこの遅延はやや残念なところだ。ただ、冒頭から何度も述べているとおり、このイヤホンはスポーツ向けであるという点が重要。運動中に動画を見る機会はあまりないと思うため、音楽もしくはラジオ用と完全に割り切って使えば問題ないはず。

以上が 「RUN XT」 の音に関する筆者の感想だ。厳しめにチェックしたため気になる点がいくつか見つかったが、いずれも致命的な欠陥というほどではないため音楽を聴くだけであればそこまで問題視せずとも良いだろう。

しかし優れた音質を持っているのであれば、せっかくならわずかな音割れや遅延など細部の仕上がりにもこだわって欲しかったというのが筆者の本音だ。そうすることで、「RUN XT」 は ”パーフェクト” な製品により近づくことができたのではないだろうか。

Bluetooth接続の安定感に欠けるなど課題も

どんなに優れた製品であっても欠点の一つや二つはあるものだが、「RUN XT」 の場合は 「稀に起こるBluetooth接続の不安定さ」 がそれに該当するだろう。同製品はスマートフォンなどのデバイスとBluetoothで接続する仕組みを採用していて、ペアリングは前述したようにとても簡単なものだったが、その後使っているうちに何度か接続の不安定さを感じる機会があった。

筆者が困ったのはスマートフォンと一度ペアリングしているにも関わらず、音楽を再生できなくなるという現象。この現象には直近2週間で3回ほど遭遇したのだが、そのすべてが左イヤホンだけ音楽が聴けなくなるというもの。右イヤホンはそのまま音楽の再生ができたためスマートフォンとのペアリングではなく、イヤホン側の問題だった可能性が高い。

大抵はスマートフォンとの再ペアリングで解決可能なのだが、3回のうち1回は再ペアリングでも解決できず、結局は左イヤホンのバッテリーが切れるまで待つ必要があった。バッテリーが切れてから再充電をして、再びスマートフォンにつないだところ無事に復活できたのだが、その間は音楽を聴くことができず不便を強いられることに。最後にこの問題が発生したのは5日前で、現在は問題なく使えている状態だ。

ちなみに、この問題に遭遇した際にペアリングに四苦八苦した経験から、「RUN XT」 には左と右のイヤホンに主従関係があることがわかった。「主」 を務めるのは右耳で、「従」 は左耳。バッテリーケースから出す際も右イヤホンを先に取り出すことが求められるし、スマートフォンとのペアリングといった基本的な操作は大概右イヤホンに任せられている。そのおかげで右イヤホンの方がバッテリーの減りが早く、連続して使える時間は実質的に右イヤホンのバッテリー残量にかかっていると言えそうだ。

また、上記問題と関係があるかは分からないが、稀にブツッと音楽の再生が途切れることがあった。筆者がテストしている際には左イヤホンだけ接続が一瞬切れて、その後すぐに復活するといった具合。頻度は1時間に1回程度なのでそう多くはないものの、再生されている音楽が突然途切れてしまうため、「全く気にならない」 と言えば嘘になってしまうだろう。

とはいえ決して 「使えないレベル」 ではないため、たまにBluetooth接続が安定しなくなることがある程度に捉えておいていただければと思う。「RUN XT」 の前モデル 「RUN」 がもともとBluetooth接続にやや問題を抱えていて、「RUN XT」 ではこの問題が改善されたというが、依然としてBluetooth接続には課題が残されているように感じる。これについては今後のアップデートや次世代モデルの登場を期待するほかなさそうだ。

丸洗いで常に清潔に、IPX7の高い防水機能

「RUN XT」 はスポーツで使用することを想定して作られているため、高い防水・防汗機能にも対応している。

防水性能はIPX7を取得。これは水深1メートルの水に30分間沈めても故障しないレベルで、完全ワイヤレスイヤホンの中ではとても高い部類だ。川や水たまりに落としても壊れないだけでなく、雨の中で使ったり、自宅でイヤホンを丸洗いすることもできる。汗でベタベタになりがちなスポーツイヤホンだが、高い防水性能のおかげで常にイヤホンを清潔に保つことが可能だ。

IPX7の防水性能は本当か。今回筆者は同製品の防水性能を検証すべく、「RUN XT」 を水に晒してみた。その時の様子は以下。

写真は 「RUN XT」 を水没させてみたところを撮影したもの。同写真を撮影したあと筆者はジョギングに出かけ、帰宅後は隅々まで綺麗になるようにシャワーで様々な角度から水を当てて洗ってみたが、「RUN XT」 は故障することなく音楽を再生することができた。

水に浸したときはヒヤヒヤものだったが、それでもケロッと電源が入るあたり、かなりのタフネスさを持っていることがわかる。完全ワイヤレスイヤホンはケーブルが存在しないため紛失したり、水に落として故障させるリスクが付き物だが、「RUN XT」 の場合に関しては水没を気にする必要はそこまでないのかもしれない。

ちなみに、「RUN XT」 は水だけでなく、油分や酸、塩分などへの耐久性もあるため汗にも強い。本当にタフで頼もしいイヤホンだ。

ちなみに同イヤホンは丸洗いできるほどの高い防水性能を備えているが、確実に故障を防げると保証されているものではないため、筆者のように水に浸す場合は自己責任のもとでお願いしたい。また、ゴシゴシと洗ったり、洗剤やソープをつけて洗った場合は故障の原因となる可能性があるため、必ず水で丁重に洗うことをお勧めする。

イヤホン充電中はバッテリーケースが黄緑色に点滅

タフネスさと言えばバッテリー持ちも気になるところ。「RUN XT」 のバッテリー持ちはイヤホン単体で最大4時間。バッテリーケースは最大2回までイヤホンを充電できるため、合計で最大12時間のバッテリー駆動が可能だ。駆動時間の長さに関しては、数ある完全ワイヤレスイヤホンの中でも平均的なレベルとなっている。

バッテリーケース自体の充電はMicroUSBケーブルで

また、クイックチャージにも対応しており5分充電すると最大1時間使用できるため、バッテリーが切れそうになったらとりあえず5分だけバッテリーケースに入れておけば再び聴けるようになる。

スポーツイヤホンとして使うには最適な音質・防水性・装着感

「Jaybird RUN XT」 はスポーツを楽しむ人にとって最適な完全ワイヤレスイヤホンだ。主としてランナーのために開発されているものの、それ以外のスポーツでも十分使える高い装着感とケーブルレスの身軽さが魅力だ。

また、最も特筆すべきは丸洗いできるほどの高い防水性能とハイクオリティな音質を両立しているという点。防水性能の高い製品は気密性を高めた結果、音が籠りがちだったりするが、「RUN XT」 はとてもクリアで聞き応えのある音を提供する。スポーツ中の集中力を高めるのにもってこいの製品で、個人的にも気に入っている。

ただし、レビュー中でもお伝えしたようにいくつかの課題があるのも事実。個人的に一番改善してほしいと感じるのはやはり 「音ズレ」 。音が途切れるなど他の問題はあくまで一時的なもの、しかも他製品にもよくある現象ではあるのだが、音ズレに関しては常に発生しており、動画を見る機会の多い方には残念ながら同製品はあまりオススメできない。

そのため、どちらかというと 「RUN XT」 は音楽・ラジオを楽しむためのイヤホンとしてオススメさせてほしい。筆者もこの現象に気づいてからはそうしている。音楽・ラジオの再生に関しては申し分ない性能だからだ。

スポーツ特化の完全ワイヤレスイヤホン 「Jaybird RUN XT」 。ややガジェット感のある見た目や音質の高さや装着感の良さなど、随所でJaybirdらしさを感じることができるため、ファンの方も楽しめる製品になっている。また、スポーツイヤホンとしては十分にお勧めできる性能であるため、Jaybirdの製品を触ったことのない方でも興味がある方は同製品の詳細をチェックしていただきたい。価格は、23,443円(税込、記事公開時点) だ。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。