LIFT M800 レビュー。ロジクールの新型エルゴノミクスマウスで姿勢を見直し、デスクワークの “持久力” を高めよう

筆者はこの仕事をしていて、いくつか悩みを抱えている。一般的な会社員のように決まった時間で働いているわけではないため毎日の生活にメリハリがない、運動量が少ないためか筋肉量が徐々に減っている気がする (決して太ったわけではない) などがあるが、最も大きな悩みが仕事中の “姿勢” に関するものだ。

もっと具体的に言うと、自宅でデスクワークするときの姿勢。筆者は普段、取材や出張などで自宅外で作業する機会が多いものの、それ以外にも自宅のワークスペースにじっくり腰を据えて作業することがある。

その際は1日中ずっとデスクにかじりつき、貯まってた仕事を集中力マックスで一気に片付ける……なんてことが多い。しかし、ずっと同じ姿勢で居続けるからなのか、夕方頃になると身体がバキバキに硬まっていたり、手首が腱鞘炎気味になっていたりと、身体に負担をかけている感じがある。

どうにか解消しないとちょっとヤバいかも。。と思っていた矢先。ロジクールから、新型マウス 「LIFT M800」 が登場することがわかった。

「LIFT M800」 は、人間工学に基づき開発された縦型エルゴノミクスマウス。2018年8月に発売した 「MX Vertical」 をコンパクトにし、使いやすさを向上させたモデルとなっている。

今回、ロジクールより発売前の製品サンプルを提供していただき、1週間ほど試用することができたため、当記事では 「LIFT M800」 の先行レビューをお届けする。また、前述の 「MX Vertical」 との違いについてもご紹介したい。

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ロジクールより登場した新しいエルゴノミクスマウス 「LIFT M800」

今回紹介する 「LIFT M800」 は、ロジクールが人間工学に基づき開発した縦型マウス。

2018年発売のロジクールのエルゴノミクスマウス 「MX Vertical」 に近いデザインを採用しつつも、本体サイズを22%小型化し、女性や手の小さめな男性でも自然な持ち方ができるように改良された製品だ。

左:MX Vertical/右:LIFT M800

「LIFT M800」 の最大の特徴は、その独特なフォルムだろう。マウス中央が高く盛り上がっており、一般的なマウスが上から手を載せるように持つのに対し、本製品は握手するように本体横から握るデザインになっている。

なぜこんな奇妙な外見になっているのかというと、これが人間の身体的構造上、負担がかかりにくいからだ。一般的なマウスは握るとき手のひらを下に向ける必要があるため、どうしても手首をひねるようにマウスを持つことになるが、「LIFT M800」 は57°で傾いており、握手をするような手つきでマウスを操作することが可能。手首を捻らず自然な姿勢でいられるため、長時間のデスクワークで身体に負担がかかりづらい。

通常のマウスとは一線を隠すこの独特なデザインに最初は驚くかもしれないが、実際に持ってみると予想以上に手にフィットするものだから不思議。特に、本体を内側から抉るように作られたサムレスト部分、そして山の裾野のように緩やかに盛り上がるグリップが手にしっかりと馴染む。

グリップ部は米アリゾナの 「ザ・ウェーブ」 を彷彿とさせるような地層模様になっていて、素早い操作時にも滑らず、ポジションを直す回数を減らしてくれる。実際に手に持ってみると、 「MX Vertical」 では何度か手や指のポジションを変える必要があったが、確かに 「LIFT M800」 では一度持ったポジションのまま操作し続けることが可能だった。

「LIFT M800」 に搭載されるボタンは全部で6つ。左右のクリックとスクロールホイール、親指のポジションのふたつ。そして、スクロールホイールの手前にDPIを変更するためのボタンが用意されている。ボタン構成はおおよそ一般的なマウスと同じ。

なお、これらのボタンのうち4つは専用ソフトウェア 「Logicool Options+」 で任意のショートカットを当ててカスタマイズすることが可能だ。カスタマイズの余地はあまり高くないものの、一般的なマウスの使い方をするユーザーであれば、これでも十分という感じだろう。

クリックは静音式になっており、ZOOMなどのオンライン会議システムでも安心して使用できる。静かなオフィスや図書館などでも気にせず使うことが可能だ。

スクロールホイールは、普段は精密スクロールで、勢いよく回すと高速スクロールに切り替わるロジクール独自のSmartWheelに対応。長い文章やWebページをズラーッと一気にスクロールしたいときに便利だ。

「LIFT M800」 は、Logi BoltとBluetoothの2つの無線方式でPC/Macと接続できる。Logi Boltは従来のUnifying USBを置き換えるもので、本体底部にレシーバーが内蔵されていて、これをPC/Macに差し込むことで動作する。レシーバーのコネクタ形状はUSB-A、最近はUSB-Cポートのみを搭載するデバイスも多くなっているので、その場合は変換用アダプタを利用するか、Bluetoothで接続すると良い。

Mac miniなどはBluetoothに対応しているものの、たまに接続が不安定になることがある。そんな場合には、Logi Boltを使用することで安定的に使えるだろう。

接続先は最大3台まで保存できる (Easy-Switch機能)。接続先の切り替えは、底面のスイッチを押すことでスムーズに切り替えることができる。

また、複数のデバイスを跨いで操作できるLogicool Flowにも対応する。Easy-Switchで紐付けたWindowsやMacの間をデバイスの切り替えなしで行ったり来たりできる便利機能だ。個人的に結構使っていたりするので、対応してくれていて嬉しかった。

MX Verticalとの比較
  LIFT M800 MX Vertical
本体サイズ
(横×奥行×高さ)
70 × 71 × 108mm 78.5 × 79 × 120mm
手のサイズ S/M M/L
エルゴノミック角度 57度 57度
カスタマイズ可能ボタン 4 4
スクロールホイール 独自のSmartWheel
高速スクロール対応
精密スクロール
ワイヤレス接続方法
  • Logi Bolt USBレシーバー
  • Bluetooth
  • Unifying USBレシーバー
  • Bluetooth
Easy-Switchボタン
Logicool Flow
ソフトウェアでのカスタマイズ Logicool Options+ Logicool Options
バッテリー寿命 単三形乾電池1本
最大24ヶ月
充電式
最長4ヶ月
再生プラスチックの使用 ×
販売価格(税込) 7,700円 11,110円

センサーはアドバンスオプティカルトラッキング方式を採用。解像度(DPI)は400〜4,000とハイスペック仕様。こちらも 「Logicool Options+」 で調整することが可能だ。

本製品は単三形電池式で約2年間駆動できる。充電式はバッテリー残量がなくなってもケーブルを繋げば充電しながら使い続けられるというメリットがある一方で、長く使っていくとバッテリー性能が低下していってしまう。その点、電池式は交換すればまた同じように使い続けることが可能だ。

ここは好みの分かれるところかもしれないが、デスクという固定環境で使うのであれば電池式も決して悪くはないように思える。ちなみに、「MX Vertical」 はフル充電で4ヶ月の駆動が可能なので、駆動時間では 「LIFT M800」 の方が優れている。

LIFT M800導入のメリット&デメリット

「LIFT M800」 を導入することで得られる最大のメリットは、やはり使用時に手首への負担が少なく楽に使えること。

1日中マウスを動かしたりボタンをクリックしていると、どうしても手首に負荷がかかり、痛みや疲れを感じたり、ひどいと腱鞘炎などの原因になってしまうことも。しかし、LIFT M800なら握手をするような自然な角度で持つことができるため、長時間使っていても手首が疲れにくく、1日中快適に作業できる。

筆者は普段、マウスよりもキーボードでの文字入力がメインなのだが、たまに表計算ソフトや写真・動画編集ソフトなどでキーボードよりマウスメインで作業することがある。通常のマウスを使うと、どうしても夕方あたりに手首が痛くなってきてしまうのだが、試しにLIFT M800で作業をしてみたところ、手首から腕にかけて多少の疲れはあっても痛みを感じることはなかった。

また、LIFT M800は乾電池式のため、バッテリーの劣化を心配せず使い続けられるのも大きなメリット。一度購入すれば、壊れてしまわない限りずっと使い続けられることから、コスパは高い。

わざわざ電池を交換するのが面倒と思う人もいるかもしれないが、LIFT M800の場合は約2年間も使い続けられるため、バッテリー交換の手間を考える必要はあまりない。もし万が一のバッテリー切れが心配なら、机の中に予備の乾電池を忍ばせておけば、どんな場面でも困ることはないはずだ。

デメリットとしては、一般的なマウスと形状が大きく異なるため、思い通りに使いこなせるようになるまで練習が必要なこと。エルゴノミクス製品の宿命とも言える典型的なデメリットだ。

実際に筆者も、初めはクリックするときにカーソルの位置がずれてしまうことがあったものの、数時間使い続けているうちに慣れてしまった。合う合わないは人によると思うが、日々の手首の痛みなどに悩まされている人は試してみる価値がありそうだ。

もう一つのデメリットとしては、右手でしか使えない形であること。マウスを左手で使う人は残念ながら使えないため、左手用マウスもしくは右手にも左手にも対応できるマウスを購入していただければと思う。ロジクール製品なら 「MX Anywhere 3」 がオススメだ。

他社製品ともちょっとだけ比較してみよう。Ankerやサンワサプライといった有名なメーカーからも縦型エルゴノミクスマウスは登場しているが、これらの製品に比べて 「LIFT M800」 はとても持ちやすいという魅力がある。軽く握るだけでグリップできることもあって、操作さえ慣れてしまえば操作面のストレスはほとんどない。

また、接続方法もBluetoothとLogi Boltの2種類が用意されていたり、Logicool Flowなどロジクールならではの機能が用意されていることも魅力。価格はちょっとお高めだが、他製品を上回る部分が多く、(少なくとも筆者の環境では) 「LIFT M800」 は現状最強のエルゴノミクスマウスと評価できる。

エルゴノミクスマウス比較
メーカー名 Logicool Anker サンワサプライ iClever
製品名 LIFT M800 Anker 2.4G ワイヤレスマウス MA-ERGW10N ワイヤレスマウス WM101
ボタン数 6 6 5 6
ボタンのカスタマイズ
(4ボタン)
× × ×
DPI 400〜4,000dpi 3段階(800/1200 / 1600) 3段階(800/1200 / 1600) 3段階(1000/1600/2000)
横スクロール × × × ×
クリック音 静音 非静音 静音 静音
接続方式 Bluetooth
USBレシーバー
USBレシーバー 有線/Bluetooth/USBレシーバーのいずれか 有線
USBレシーバー
有線接続 × × 一部モデルのみ対応
駆動方式 単3形乾電池 ×1 単4形乾電池 ×2 単4形乾電池 ×2 USB充電
バッテリー持ち 約24ヶ月 約6ヶ月 Bluetoothモデル:約11ヶ月
USBレシーバーモデル:約30ヶ月
約70時間
対応OS Windows 10/11以降
macOS 10.15以降
iPadOS 14以降
Chrome OS
Android 8.0以降
Windows 10 / 8 / 7 / Vista / XP / 2000
Mac OS X (進む/戻るには非対応)
Linux
Windows
Mac OS X (進む/戻るには非対応)
Windows Vista/XP/7/8/10
Mac OS (進む/戻るには非対応)
価格(税込) 7,700円 2,390円 4,400円〜 2,599円

まとめ:「LIFT M800」 はどんなユーザーにオススメ?

以上、「LIFT M800」 をレビューしてきた。

最初この製品を触ったときは 「慣れるかな?」 と半信半疑なところがあったが、実際に使いはじめてみると予想以上に身体にフィットしたので 「これ、いいかも……!」 と心境が変化。かれこれ1週間くらい使わせてもらった結果、いまは通常のマウスよりも 「LIFT M800」 のほうが良いと思えるまでになった。

特に腕に疲れを感じることが多かったのだが、それが解消されたため集中力も持つようになり、作業効率はだいぶ上がったように感じている。

とはいえ、最初はやはり慣れるための練習が必要という一定のハードルがあるのも事実。そこを乗り越えられないのでは、と不安に感じる人もいると思う。

筆者が苦労したのはマウスの高さ。「MX Vertical」 に比べるとだいぶ解消されたような気もするが、マウスとキーボードを行き来するときマウス中央にある山脈のような盛り上がり部分に手を引っ掛けてしまうことがあった。また、マウスを左に動かすときに意図せずクリックをしてしまうこともあった。このあたりを解消できるように練習してみると良いのではないだろうか。

コツは親指でホールドするように挟んで持つ感じ。通常のマウスの持ち方によっては、意外と練習せずに操作できたりするのでぜひ試してみていただきたいところ。

性質としてはややニッチな分野の製品とはなるものの、身体への負担を少なくでき、デスクワークの “持久力” を高められる 「LIFT M800」 。導入してデスクワーク環境をより快適なものにしてみてはどうだろうか。

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Logitech, Logicool, All rights reserved. 記載されている会社名・製品名は、各社の商標または登録商標です。株式会社ロジクールはLogitech Groupの日本地域担当の日本法人です。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。