【2021年最新比較】MacBook AirとMacBook Proの性能・違いを一挙比較。オススメはどのモデル?M1搭載モデル網羅
Appleが販売するラップトップ 「MacBook」 シリーズには、現時点で 「MacBook Pro」 と 「MacBook Air」 の2種類のラインナップが存在する。
このうち、プロセッサやグラフィックなどの性能が高くプロユーザー向けとして販売されているのが 「MacBook Pro」 、エントリーモデルとして手頃な価格で販売されているのが 「MacBook Air」 となる。
しかしもともとMacBook Proには3種類のモデルが用意されていただけでなく、2020年11月にはAppleの独自プロセッサ 「M1チップ」 が搭載された新型 「MacBook Air」 と 「13インチ MacBook Pro」 が発表されたことで、ラインナップはやや複雑化してしまった。どのモデルを選べば良いか迷っている方もいるのではないだろうか。
そこで、当記事では各モデルの性能や特徴を比較形式でまとめた上で、どのモデルがどんなユーザーに向いているのかを解説する。比較は以下から。購入検討の際の参考になればと思う。
大前提:比較するべきはMacBook Airと13インチMacBook Pro
まずこの記事を読むにあたって、MacBookシリーズにはどんなモデルが用意されているのか理解しておく必要がある。
Appleがいま販売しているMacBookは、MacBook AirとMacBook Pro(13インチ)、MacBook Pro(16インチ)。そして、MacBook Pro(13インチ)にはエントリーモデルと上位モデルの2種類が用意されているため、MacBook全体のラインナップは全部で4種類ということになる。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
プロセッサ | Apple Silicon (M1チップ) | Intel プロセッサ | ||
発売年月 | 2020年11月 | 2020年5月 | 2019年11月 | |
価格(税別) | 256GB:104,800円〜 512GB:129,800円〜 |
256GB:134,800円〜 512GB:154,800円〜 |
512GB:188,800円〜 1TB:208,800円〜 |
下位モデル:248,800円〜 上位モデル:288,800円〜 |
このうちMacBook Airと比較するのに最も適しているのはMacBook Pro(13インチ)。MacBook Pro(16インチ)は本体サイズや内蔵プロセッサ、グラフィックの能力など他モデルとの差が大きすぎるため、少なくとも下位モデル(MacBook Airなど)の購入を検討している方は、16インチMacBook Proを考慮する必要はあまりないだろう。
ただし、そうは言っても16インチMacBook Proと比較したい人もいると思うので、この記事の一番下に比較表を用意しておいた。MacBook AirとMacBook Pro(16インチ)を比較したい方はぜひそちらをご覧いただきたい。
プロセッサの処理能力・グラフィック性能
プロセッサの性能はM1チップを搭載したMacBook Air/Proが最も高い
まずはじめにプロセッサの性能について。MacBook Air(2020)とMacBook Pro(2019/2020)に搭載されているプロセッサは以下のとおり。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
プロセッサ |
256GBモデル 512GBモデル |
標準搭載 Apple M1チップ ・8コアCPU(高性能×4/高効率×4) ・8コアGPU ・16コアNeural Engine |
標準搭載 ※オプション |
512GBモデル 1TBモデル ※オプション |
このうち、MacBook Air(2020)とMacBook Pro(13インチ, エントリー)にはAppleの独自開発チップ 「M1」 が搭載されている。
MacBook Pro(13インチ/上位モデル)とMacBook Pro(16インチ)には引き続きIntelの高性能プロセッサが搭載されている。
M1チップとは、Macのために開発された初のApple Siliconプロセッサ。5nmプロセスを採用し160億トランジスタを搭載した8コアプロセッサで高性能コア4つ、高効率コア4つで構成されている。処理性能は一般的なラップトップ向けチップに比べて2倍以上のパフォーマンスを発揮するが、省電力性も高く従来から1/3に抑えられているという。
GPUも8コア構成になっており、約25,000スレッドを一度に処理することが可能。ニューラルエンジンは16コア構成で、Thunderbolt/USB 4もサポートする。
まず結論を述べてしまうと、M1チップを搭載したMacBookと、Intelプロセッサを搭載したMacBookでは、M1チップを搭載したMacBook Air/Proの方が性能が高い。
そのおかげで本来エントリーモデルであったはずのMacBook AirやMacBook Pro(13インチ, 2ポートモデル)が、上位のプロモデルの性能を凌駕するという “波乱” が起きている。これまでは 「上位モデルの方が性能が高い」 という定石があったが、今回のM1チップ搭載モデルの登場によってこの定石は崩れてしまった。
各モデルのベンチマークスコアを実機で計測してみた。
端末名 | 発売年 | プロセッサ | シングルコア | マルチコア | |
---|---|---|---|---|---|
MacBook Air (M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1705 | 7220 |
MacBook Pro (13-inch, M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1717 | 7602 |
MacBook Pro (13-inch, Intel) |
2020 | Intel | Core i5 1038NG7 (2.0GHz) |
1167 | 4437 |
Core i7-1068NG7 (2.3GHz) |
1374 | 4843 | |||
MacBook Pro (16-inch, Intel) |
2019 | Intel | Core i7-9750H (2.6GHz) |
1014 | 5627 |
Core i9-9880H (2.3GHz) |
1106 | 6588 | |||
Core i9-9980HK (2.4GHz) |
1179 | 7097 |
Apple曰く、M1チップを搭載したMacBook Airはパフォーマンス最大3.5倍、グラフィック最大5倍に高速化。MacBook Proはパフォーマンス最大2.8倍、グラフィック最大5倍に高速化したというが、これらはほとんどが事実であることが筆者の検証によって明らかになっている。
各モデルの標準構成のプロセッサを性能順に並べると、13インチMacBook Pro(上位モデル)<16インチMacBook Pro<MacBook Air(M1モデル)<13インチMacBook Pro(M1, エントリーモデル)となる。性能だけで選ぶのであれば、現時点ではM1チップを搭載したモデルを選んだ方が良さそうだ。
ちなみにMacBook Pro(M1, 2020)とMacBook Air(M1, 2020)は、同じM1チップを搭載していることもあり性能はほとんど同じだが、MacBook Airはファンレス仕様で、MacBook Pro(M1チップ搭載モデル)はアクティブ冷却システムを搭載していることもあって、同じM1チップを搭載していてもMacBook Pro(M1チップ搭載モデル)の方が処理性能は上となる。その差はわずかなものではあるが、より高い性能を持ったモデルが欲しいのならMacBook Proの購入がオススメだ。
・MacBook Pro
・MacBook Air
▶︎ Apple公式サイトでMacアクセサリをチェック
・Magic Keyboard / Magic Trackpad 2 / Magic Mouse 2 / その他
▶︎ 「MacBook」をAppleの学生・教職員向けストアで購入
Intelプロセッサ搭載モデルはこれまでどおり上位モデルほど性能が高い
Intelプロセッサを搭載した13インチMacBook Proと16インチMacBook Pro同士で比較した場合は、上位モデルにいくにつれて性能が高くなる。下位モデルでもCTOオプションを利用することで上位モデルに性能を近づけることも可能だが、高い処理能力が必要なのであれば基本的には上位モデルを購入する必要がある。
ちなみにCTOオプションを使うことで、13インチMacBook ProはCore i5(クアッドコア)からCore i7(クアッドコア)に、そして16インチMacBook ProはCore i5(6コア)からCore i9(8コア)のプロセッサに変更することが可能だ。
13インチMacBook Pro (4ポート,2020) |
16インチMacBook Pro (2019) |
|
---|---|---|
プロセッサ |
標準搭載 ※CTOオプション |
標準搭載 (512GBモデル) 標準搭載 (1TBモデル) ※CTOオプション |
今回の新型M1チップ搭載MacBook Air・MacBook Proが登場したことで、各モデルの性能順位は大きく変動した。ただし、MacBookの各モデルの違いはプロセッサだけに留まらないことから、プロセッサの性能だけに着眼してどのモデルを購入するかを決めるにはやや危険と言える。画面の性能や各ポートの仕様など細かい点をチェックして、どのモデルを購入するべきか検討するべきだろう。
ただひとつ言えることは、もし最初からエントリーモデルのMacBook AirあるいはMacBook Proを購入するつもりだったのなら、性能的には申し分ないため購入してもまったく問題ないということ。これまでは 「上位モデルに比べて性能が低いけど大丈夫?」 と注意喚起してきたが、M1チップの搭載によってその必要もなくなった。
ただし懸念点としては、アーキテクチャの変更によりアプリなどが正しく動作しなくなること。Rosetta 2を介して起動することでApple Siliconにネイティブ対応していないアプリも快適に動作することが筆者の環境でも確認できているが、ネイティブ対応していないことで動作ができないアプリやサービスがあるのも事実。どんどん対応アプリが増えてきている印象ではあるものの、心配な方はアプリ開発者やサービスのサポートに問い合わせてみると良いかもしれない。
グラフィック
グラフィック能力に関しては、上位モデルになるにつれて性能が高くなるのがこれまでのお決まりだったが、今回のM1チップの導入によってこの関係性が崩れてしまった。
これまでのグラフィック性能順
MacBook Air < MacBook Pro(13インチ, エントリーモデル) < MacBook Pro(13インチ, 上位モデル) < MacBook Pro(16インチ)
これからのグラフィック性能順
MacBook Pro(13インチ, 上位モデル) <MacBook Air (M1) < MacBook Pro(13インチ, M1モデル) < MacBook Pro(16インチ)
端末名 | 発売年 | GPU | OpenCL | Metal |
---|---|---|---|---|
MacBook Air (M1) |
2020 | Apple M1チップ | 16925 | 19755 |
MacBook Pro (13-inch, M1) |
2020 | Apple M1チップ | 18622 | 21452 |
MacBook Pro (13-inch, 4ポート, Intel) |
2020 | Intel Iris Plus Graphics | 8647 | 10467 |
MacBook Pro (16-inch, Intel) |
2019 | AMD Radeon Pro 5500M (4GB GDDR6) |
29734 | 27512 |
AMD Radeon Pro 5500M (8GB GDDR6) |
33024 | 30972 | ||
AMD Radeon Pro 5600M (8GB HBM2) |
39952 | 44021 |
グラフィック性能で最も優れているのは、やはり独立GPUが搭載されている16インチMacBook Pro。映像の編集や3Dグラフィックを使った作業をする機会が多いのであれば16インチMacBook Proが最も適するだろう。
次にグラフィック性能が高いのはM1チップを搭載したMacBook ProおよびMacBook Air。Intelプロセッサを搭載した13インチMacBook Proが最もグラフィック性能が低くなってしまった。
この “下剋上” を実現させたのは、新たに開発されたM1チップ。GPU性能が先代から5倍と大幅に向上した結果、上位モデルの13インチMacBook Proのグラフィック性能を追い抜いてしまうという結果に。しかも、なんとM1チップを搭載したMacBook Air、MacBook Proのグラフィック性能は独立GPUを搭載した16インチMacBook Proの標準モデルにも引けを取らない性能。すくなくともM1チップを搭載したことで、エントリー型MacBookは現行プロモデルの性能に近づいたと考えていいのではないだろうか。
これらのベンチマーク結果を踏まえて、もし筆者がオススメするならば以下のとおりとなる。
MacBook Air(M1チップ搭載モデル)
ライトユーザーからミドルユーザー向け。メモやメール、TwitterやFacebook、YouTubeの視聴など一般的な作業に使用するユーザーに向くが、M1チップ搭載により動画・画像編集も快適になった。P3広色域に対応し、最大6K出力も可能になったことからプロレベルの作業もこなせるように。もし動画や画像の編集などをする機会が多いならば16GBにメモリ増量しておくといいかもしれない。バッテリー持ちも長いため、持ち運びする機会が多いユーザーにもオススメ。Touch ID搭載、Touch Bar非搭載。外部ポートはThunderbolt/USB 4ポートが2ポート搭載。
13インチMacBook Pro (M1チップ搭載モデル)
ミドルユーザーからハイエンドユーザーにオススメ。メモやメール、TwitterやFacebook、YouTubeなど一般的な作業に加えて、+αの作業をするライトユーザー向け。ブログや画像編集もこなせる上に、プロセッサの性能向上によってプロレベルの高度な作業も可能なレベルに。バッテリー持ちも長いため、持ち運びする機会が多いユーザーにもオススメ。懸念点としてApple Siliconへの移行によって利用できないサービスやアプリが一部あるため、メインデバイスとして使用するにはややリスクもあり。ただし最近は対応アプリ・サービスも増えてきた。Touch ID、Touch Barともに搭載。外部ポートはThunderbolt/USB 4が2ポート搭載。
13インチMacBook Pro (Intelプロセッサ搭載モデル)
プロレベルの作業に最適。プロセッサの処理能力も高いため、何か作業をしながら他の作業をするマルチタスクを要求する場合に購入したい。画像編集にも十分使用できるが、複数枚のRAW画像現像や編集など高いグラフィック能力を必要な作業には少し厳しいと感じることもある。またグラフィック性能が底上げされていて、6Kの映像出力が可能になっている。13インチMacBook Pro (エントリーモデル) よりも性能は低いかもしれないが、M1チップ環境に比べると安定して動作するためプロユーザーには安心の1台とも言える。Touch ID、Touch Bar搭載。外部ポートはThunderbolt 3(USB-C)が4ポート搭載。
16インチMacBook Pro (Intelプロセッサ搭載)
CPU性能・グラフィック性能ともにハイスペック。主に高いグラフィックを要求する作業をする際に必要で、高解像度の動画や写真の編集に最適。大きな画面が必要な場合を除き、TwitterやFacebookなどのSNS、YouTubeなどを視聴する程度であればオーバースペック。Touch ID、Touch Bar搭載。大きくて重く持ち運びには不向き。外部ポートはThunderbolt 3(USB-C)が4ポート搭載。
eGPUはApple Silicon (M1チップ) 搭載モデルでは使えない
グラフィック性能に関しては外付けのeGPUを使用することで、MacBookのグラフィック性能を底上げすることが可能だったが、それはIntelプロセッサ搭載モデルのみで可能。Apple Silicon (M1チップ) 搭載モデルでは残念ながらeGPUを利用することができないため、外部アクセサリを使ってMacのグラフィック性能を引き上げることは残念ながら不可能だ。
Intelプロセッサ搭載モデルについては、当たり前だがこれからも引き続きeGPUを利用することが可能。以前はApple公式サイトで 「Blackmagic eGPU Pro」 という製品が販売されていたが、同製品はすでに販売終了となってしまっているため、現在はOWCやAKiTiOなどサードパーティの製品を購入する必要がある。
eGPUはやや特殊な製品であることから初心者には取り扱いが難しいところもあるため、高いグラフィック性能が必要な方には 「MacBook Pro 16インチモデル」 の購入を筆者は個人的にオススメしている。
ちなみに、筆者はIntelプロセッサを搭載した13インチMacBook Pro(2020)の上位モデルを仕事用のメインデバイスとして使っており、MacBook Air(2020)をプライベート用もしくはサブ機として使用している。13インチMacBook Pro(2020)の上位モデルは画像編集ができるそこそこ高い性能であるため、記者発表会など高解像度写真を即座にアップロードしないといけない場合に愛用している。
最大RAM(メモリ)容量
MacBookシリーズは、モデルごとにメモリの仕様や最大メモリ容量が異なる。
M1チップを搭載したMacBook AirとMacBook Pro(13インチ)は高帯域幅を持つ低レイテンシメモリをM1チップと統合したユニファイドメモリアーキテクチャ (UMA)を採用。メモリのパフォーマンスが大幅に向上した。メモリ容量は8GBと16GBから選ぶことが可能だ。
上位モデルの13インチMacBook Proと16インチMacBook ProはLPDDR4X/DDR4メモリを搭載している。メモリ容量は前者が16GBと32GB、後者が16GB、32GB、64GBの中から選ぶことが可能だ。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
メモリ | 8GB/16GB | 16GB/32GB | 16GB/32GB/64GB |
メモリはよく机の広さに例えられる。メモリの容量が多くなることで作業スペースが広くなり作業効率が高まるが、これはPCにおいても同じことが言える。
特に複数のアプリを開きっぱなしにする機会の多いMacの場合は、iPhoneやiPadと違ってメモリの消費量が多くなりがちなため、メモリ容量はなるべく多いものを搭載するべき。これが鉄則。もし超高画質な画像、動画の編集などで大容量のメモリが必要なのであれば、32GB以上のメモリを搭載できる上位版MacBook Proを選ぶべきだろう。
M1モデルはメモリ性能も向上した(左:M1/右:Intel)
ただし、M1チップを搭載したMacBook AirやMacBook Proの場合はユニファイドメモリアーキテクチャ (UMA)の導入によってメモリのパフォーマンスが大幅に向上していて、メモリの転送速度が向上しただけでなくメモリ消費量自体も抑えられているため、同モデルを選ぶ際には必ずしも大容量のメモリを搭載する必要はない。
M1チップを搭載したMacBook Air、MacBook Proは一般的な作業であれば8GBで十分。ただし筆者の普段の作業では8GBではやや足りず16GB必要だったため、心配な方はやはりメモリを増量しておいた方が安心だろう。ちなみにMacBookは購入後にメモリを増設・交換することはできないので注意が必要だ。
Touch ID・Touch Bar
2019年のアップデートですべてのラップトップ型Macに 「Touch ID (指紋認証センサー)」 が搭載されるようになった。ただし、iPhoneやiPad Proに搭載されている 「Face ID (顔認証センサー)」 はいずれのモデルにも搭載されていない。
MacBook Air(2020) | 13インチMacBook Pro(2020) | 13インチMacBook Pro(2019) | ||
---|---|---|---|---|
エントリーモデル | 上位モデル | |||
Touch ID | YES | |||
Touch Bar | NO | YES | ||
Face ID | NO |
Touch IDはキーボード右奥に配置された指紋認証センサー。指を置くだけでMacのロック解除、Apple Payの支払い、各種ログインがこなせる便利なヤツだ。これまではMacBook AirとMacBook Proの上位モデルにしか搭載されていなかったが、昨年から13インチMacBook Proのエントリーモデルにも搭載されるようになったことで、すべてのMacBookシリーズでTouch IDが利用できるようになっている。
Touch Barについては搭載されるモデルが完全に分けられている。MacBook Airは非搭載、MacBook Proは搭載。
Touch Barはファンクションキーの代わりに置かれているサブの有機ELディスプレイだ。アプリケーションによって表示される内容が変化する仕様で、たとえば音楽や動画を再生しているときはシークバーが表示されたり、画像編集アプリではコントラストや露光量、彩度のスライダー調節が可能。テキストを打っているときはフォントサイズなどのテキストオプション、各種ツールが表示されるといった具合だ。
Touch Barは指で触って操作できる
すべてのMacBook ProにTouch Barが搭載されるようになったためTouch Barが要らない方はMacBook Airを、Touch Barが欲しい方はMacBook Proを買うというように選び方はシンプルになった。ただし、MacBook Pro購入希望者の中には 「Touch Barは不要」 と感じている人もいるだろうが、前述のとおりMacBook Proを購入すると自動的にTouch Barがついてきてしまうため、そこは諦めが必要かもしれない。
Touch Barに関しては賛否両論だが、筆者は画面輝度をギリギリまで下げることができたり、PDFなどでマークアップが簡単なので地味に便利に感じている。
・MacBook Pro
・MacBook Air
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カラーラインナップ。ゴールドモデルが欲しい方はMBAを
本体カラーはMacBook Airの方が種類が多い。
MacBook Proのカラーラインナップはシルバーとスペースグレイの2色のみだが、MacBook Airの場合はシルバーとスペースグレイに加えてゴールドの3色展開。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) |
---|---|---|---|
・ゴールド ・シルバー ・スペースグレイ |
・シルバー ・スペースグレイ |
現行モデルのゴールドカラーはMacBook(2017)のローズゴールドのような可愛らしいものではなく、どちらかというと高級感の漂う色で、老若男女問わず人気の高いカラー。iPhone 12 ProやiPhone 12 Pro Maxのゴールドカラーと相性が良くカラーを揃えたい方もいるはず。そんな方は、MacBook Airの購入を視野に入れてみてはどうだろうか。
Thunderbolt 3ポートの違い
MacBook Pro・MacBook Airには、Thunderbolt 3(USB-C)ポートもしくはThunderbolt/USB 4ポートが複数個 搭載されている。Intel搭載モデルがThunderbolt 3(USB-C)ポート、M1プロセッサ搭載モデルがThunderbolt/USB 4ポートだ。
Thunderbolt/USB 4ポートとThunderbolt 3(USB-C)ポートには規格的な違いはあるものの、基本的には似た仕様になっているため一般ユーザー的にはあまり考える必要はないだろう。どちらもThunderbolt 3の最大40Gb/s、もしくはUSB 3.1 Gen 2の最大10Gb/sの高速転送が利用できる。
ただし注意しなくてはいけないのは前述のとおりM1プロセッサ搭載モデルはeGPUを使えないという点と、搭載されているポートの数が異なるということ。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
ポート | Thunderbolt/USB 4ポート × 2 | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 4 | ||
eGPUのサポート | × | ◯ |
各モデルのThunderbolt 3(USB-C)ポートの数は上記表の通りで、MacBook Airは左側面に2つ。13インチMacBook Pro (エントリーモデル) も左側面に2つ。MacBook Pro 13インチ・16インチモデルについては左右に2つずつの合計4つとなっている。
このUSB-C/Thunderbolt 3ポートはデータ転送のほか、画面出力やバッテリーの充電に使えるため、左右にあったほうがどちらかというと便利だが、使い方によっては2ポートで十分事足りる場合もあるため、そこはユーザー次第と言えるだろう。
出力できる外部ディスプレイに違いがあることにも注意が必要だ。
M1チップを搭載したMacBook Airと13インチMacBook Proは最大6Kのディスプレイ1台に出力が可能で、Intelプロセッサを搭載した13インチMacBook Proは6K/5Kディスプレイは1台まで、4Kディスプレイは2台まで画面出力が可能、そして16インチMacBook Proは6K/5Kディスプレイが2台まで、4Kディスプレイはなんと4台まで画面を出力することが可能だ。
モデル名 | 出力仕様 |
---|---|
MacBook Air (M1,2020) |
6K(6,016 x 3,384):60Hz/1台まで 5K(5,120 x 2,880):60Hz/1台まで 4K(4,096 x 2,304):60Hz/1台まで |
MacBook Pro (13インチ,M1,2020) |
6K(6,016 x 3,384):60Hz/1台まで 5K(5,120 x 2,880):60Hz/1台まで 4K(4,096 x 2,304):60Hz/1台まで |
MacBook Pro (13インチ,Intel,2020) |
6K(6,016 x 3,384):60Hz/1台まで 5K(5,120 x 2,880):60Hz/1台まで 4K(4,096 x 2,304):60Hz/2台まで |
MacBook Pro (16インチ,Intel,2019) |
6K(6,016 x 3,384):60Hz/2台まで 5K(5,120 x 2,880):60Hz/2台まで 4K(4,096 x 2,304):60Hz/4台まで |
このことから2枚以上のディスプレイに映像を出力したいのであれば、Intelプロセッサが搭載されたMacBookを購入するべきだろう。3枚以上のディスプレイに映像を出力することを前提とするならば、16インチMacBook Proが必要だ。
特に4Kディスプレイの出力台数には注意が必要だ。Intelプロセッサを搭載した16インチMacBook Proは4台まで、13インチMacBook Proは2台までの出力に対応しているのに対し、M1チップを搭載したMacBook Air、13インチMacBook Proは1台までしか出力することができない。これは新たに搭載されたThunderbolt/USB 4ポートの仕様によるものであるとのことだ。
もし4Kディスプレイを複数所有していて、デュアルディスプレイ環境、もしくは本体の画面と合わせてトリプルディスプレイ環境で作業をしたい場合は、引き続きIntelプロセッサを搭載したMacBook Proを選ぶ必要がある。
DisplayLinkのUSBディスプレイアダプタを使うことで2台以上のディスプレイに映像を出力できることが、のちの調査でわかった。非公式な方法とはなるものの、同アダプタを利用することでM1チップを搭載したMacBook Pro・Airは最大5台、Mac miniは最大で6台のディスプレイに映像を出力することが可能になる。もしM1チップ搭載Macで複数ディスプレイに映像出力をしたいなら、同アダプタを購入してみてはどうだろうか。詳しくは以下の記事を参照いただきたい。
・MacBook Pro
・MacBook Air
▶︎ Apple公式サイトでMacアクセサリをチェック
・Magic Keyboard / Magic Trackpad 2 / Magic Mouse 2 / その他
▶︎ 「MacBook」をAppleの学生・教職員向けストアで購入
搭載キーボードについて
MacBookシリーズには、「Magic Keyboard」 というキーボードが搭載されている。
Magic Keyboardは、多くの問題を抱えていたバタフライ構造キーボードを根本から改善したもので、iMacやiMac Pro向けキーボード 「Magic Keyboard」 と同じシザー構造を採用し、キーストロークは従来の0.5mmから1mmに増加。より打鍵感が増している。
さらに、キートップやシリコンキャップなどあらゆる箇所が見直されており、打鍵音がより小さく打ちやすくなった。キーの安定性も高いものに変わっているためタイプが楽になっている。
これまでのMacBookにはバタフライ構造キーボードが搭載されてきたが、2019年に登場した16インチMacBook Proではじめて搭載され、さらに2020年3月にはMacBook Air、5月には13インチMacBook Proのエントリーモデル・上位モデルの両方に搭載された。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro (4ポート,2020) |
16インチMacBook Pro (2019) |
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バックライトキーボード ・Magic Keyboard ・シザー構造 |
バックライトキーボード ・Magic Keyboard ・シザー構造 |
バックライトキーボード ・Magic Keyboard ・シザー構造 |
以前のバタフライ構造キーボードは何度も同じキーが入力されたり、特定のキーが反応しないなどの故障報告が相次いだ。Appleも発売から4年以内であれば無償修理に応じる 「MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム」 を提供している。また、浅めのキーストロークや甲高い打鍵音などに不満を訴えるユーザーも少なからずいた。
しかしMagic Keyboardは導入されてから1年以上経つが、同キーボードに関する故障の報告はほとんど耳にしないことから故障率は大きく下がったと言えるのではないだろうか。
バッテリー持ちについて
次はバッテリー持ちについてだが、バッテリー持ちが優れているのはM1チップを搭載したMacBookで、Intelプロセッサを搭載したMacBookはバッテリー持ちがあまり良くない。
Appleの公式発表によると、MacBook AirとMacBook Proの各モデルのバッテリー持ちは以下のようになっているという。
MacBook Air (M1,2020) |
13インチMacBook Pro (M1,2020) | 13インチMacBook Pro (4ポート,2020) |
16インチMacBook Pro (2019) |
|
---|---|---|---|---|
バッテリー容量 | 49.9Wh | 58.2Wh | 58.0Wh | 100Wh |
バッテリー最大駆動時間 | インターネット:15時間
ムービー再生:18時間 |
インターネット:17時間
ムービー再生:20時間 |
インターネット:10時間
ムービー再生:10時間 |
インターネット:11時間
ムービー再生:11時間 |
Intelプロセッサを搭載したモデルは最大で11時間の駆動しかできなかったが、Appleが開発したプロセッサApple Silicon(M1チップ)搭載モデルはなんと最大20時間の駆動を実現している。
どうして上位モデルと下位モデルで大きくバッテリー持ちが違うのか。これは搭載するプロセッサの電力効率が大きく異なるからだ。
Intelプロセッサの場合は効率が悪くバッテリーの消費が大きく、長くても半日しかバッテリーが持たない。外出先で使用するなら、ほぼ確実に電源ケーブルを持って出かける必要があった。
しかし、M1チップは処理効率が大幅に向上したことからバッテリーの消費が大幅に減っていて、バッテリー持ちを気にする必要がほとんどなくなった。実際にM1チップ搭載MacBook Proを使用してみたが、動作は16インチMacBook Proよりも早いにも関わらず、バッテリーは朝から夕方くらいまでなら余裕で持ってしまう。筆者の検証では、ずっと画面をつけていても10時間程度の駆動が可能だったことからおそらく一般的な使い方であれば1日はもつはずだ。
ちなみに先日、記者発表会にフルチャージしたM1チップ搭載MacBook Proを持って行ってみた。これまでのIntelプロセッサを搭載したMacBook Proなら4〜5時間でバッテリーがなくなっていたところ、M1チップを搭載したMacBook Proは取材~記事の作成、公開までの計6時間の作業を終えた後でも50%以上バッテリーが残っていた。iPhoneと同じくらいのバッテリー持ちであることから、もはやスマホ感覚で使えると言ってもいいだろう。
MacBook Air (M1, 2020) |
MacBook Pro (M1, 2020) |
MacBook Air (Intel, 2020) |
MacBook Pro (Intel, 4ポート, 2020) |
|
---|---|---|---|---|
計測開始 | 100% | 100% | 100% | 100% |
1時間後 | 91% | 89% | 86% | 89% |
2時間後 | 79% | 78% | 72% | 70% |
3時間後 | 70% | 68% | 58% | 51% |
4時間後 | 59% | 57% | 43% | 33% |
5時間後 | 51% | 48% | 29% | 18% |
6時間後 | 43% | 38% | 15% | 0% |
7時間後 | 34% | 27% | 0% | – |
8時間後 | 24% | 18% | – | – |
9時間後 | 15% | 7% | – | – |
10時間後 | 6% | 0% | – | – |
10.3時間後 | 0% | – | – | – |
もしバッテリー持ちの良い製品を選びたいのであればApple Silicon(M1)を搭載したMacBook AirもしくはMacBook Proを選ぶべき。ただ自宅でのみMacBookを使用するのであればバッテリーについてはあまり考慮する必要はないのかもしれない。
そのほか
そのほか細かい仕様として、それぞれのモデルで画面の質(最大輝度)、マイク、スピーカーの品質に違いがある。
また、M1チップを搭載した新型MacBook ProとMacBook Airのインカメラは従来から変わらず720p FaceTime HDカメラが搭載されているものの、Appleの最新の画像信号プロセッサ(ISP)により、優れたノイズ低減やより広いダイナミックレンジ、進化した自動ホワイトバランス機能、強化された顔検出により、カメラ品質が向上しているなど先代モデルとの違いもある。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
画面輝度 | 400ニト | 500ニト | ||
マイク | ・指向性ビームフォーミング ・3マイクアレイ |
・指向性ビームフォーミング ・スタジオ品質の3マイクアレイ |
・指向性ビームフォーミング ・3マイクアレイ |
・高い信号対雑音比 ・指向性ビームフォーミング ・スタジオ品質の3マイクアレイ |
スピーカー | ・ステレオスピーカー ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 |
・ハイダイナミックレンジステレオスピーカー ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 |
・ハイダイナミックレンジステレオスピーカー ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 |
・フォースキャンセリングウーファー ・原音に忠実な6スピーカーシステム ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 |
カメラ性能 | 720p FaceTime HD ・ノイズ低減 ・広いダイナミックレンジ ・進化した自動ホワイトバランス ・強化された顔検出 |
720p FaceTime HD |
注目して欲しいのは、カメラ性能はM1チップを搭載したMacBook Air、MacBook Proが優れているという点。ZOOMなどでビデオ通話をしたり、内蔵カメラで自身を撮影する機会があるのであればM1チップ搭載モデルを購入するべきだろう。
あと画面輝度はMacBook Airが400ニト、MacBook Proは500ニト。この100ニトの違いを実感することはかなり難しいのであまり気にする必要はないと思うのだが (MacBook AirはM1搭載モデルではじめて高色域P3に対応し、MacBook Proの性能に近付いている) 、画像や映像編集をする機会が多いのであれば画面輝度が高いMacBook Proがオススメだ。
各モデルの価格
最後は価格について。MacBook AirとMacBook Proの価格は上位にいくにつれて高くなる仕組みになっている。MacBook Airよりも13インチMacBook Pro、13インチMacBook Proよりも16インチMacBook Proが高価だ。
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|---|---|
価格(税別) | 256GB:104,800円〜 512GB:129,800円〜 |
256GB:134,800円〜 512GB:154,800円〜 |
512GB:188,800円〜 1TB:208,800円〜 |
下位モデル:248,800円〜 上位モデル:288,800円〜 |
しかし、前述のとおり上位モデルにいくにつれて性能が高くなるという法則が崩れてしまっている以上、必ずしも高いお金を払うと高い性能がゲットできるとは限らず、むしろいまなら13インチMacBook Proの中でも上位モデルよりもM1チップを搭載したモデルを購入した方が良い可能性がある。
ただしM1チップ搭載モデルについて注意しなくてはいけないのは、アプリやサービスの動作がまだ安定していない、もしくは対応アプリやサービスが限られ、満足のいく作業環境が手に入らない可能性があるということ。急速に対応アプリが増えているため近いうちにそういった不満もなくなると思うのだが、自身が使うサービス、アプリがまだApple Silicon (M1) に対応していないことが明確にわかっているのであれば、いまはまだ買い時ではない可能性があることにぜひ留意していただきたい。
現在のMacBookのラインナップで重要なのは価格ではなく、使う用途や安定性。まずはそこを第一に購入するモデルを決めるべきだろう。Intelプロセッサ搭載モデルの購入も決して悪い選択肢ではないはずだ。
まとめ
以上が、現行のMacBook全機種の比較。どのモデルを購入するべきか決めることができただろうか。
もし、ここまでの説明でどのモデルを購入するべきか決められなかったなら、以下の場合分けが参考になるのではないだろうか。
MacBook Air(M1チップ搭載モデル)
ライトユーザーからミドルユーザー向け。メモやメール、TwitterやFacebook、YouTubeの視聴など一般的な作業に使用するユーザーに向くが、M1チップの性能によって動画・画像編集も快適になった。P3広色域に対応し、最大6K出力も可能になったことからプロレベルの作業もこなせるように。もし動画や画像の編集などをする機会が多いならば16GBにメモリ増量しておくといいかもしれない。バッテリー持ちも長いため、持ち運びする機会が多いユーザーにもオススメ。Touch ID搭載、Touch Bar非搭載。外部ポートはThunderbolt/USB 4が2ポート。
13インチMacBook Pro (エントリーモデル)
ミドルユーザーからハイエンドユーザーにオススメ。メモやメール、TwitterやFacebook、YouTubeなど一般的な作業に加えて、+αの作業をするライトユーザー向け。ブログや画像編集もこなせる上に、プロセッサの性能向上によってプロレベルの高度な作業も可能なレベルに。バッテリー持ちも長いため、持ち運びする機会が多いユーザーにもオススメ。ただし懸念点としてApple Siliconへの移行によって利用できないサービスやアプリがある可能性があるため、メインデバイスとして使用するにはややリスクもあり。Touch ID、Touch Barともに搭載。外部ポートはThunderbolt/USB 4が2ポート。
13インチMacBook Pro (上位モデル)
プロレベルの作業に最適。プロセッサの処理能力も高いため、何か作業をしながら他の作業をするマルチタスクを要求する場合に購入したい。画像編集にも十分使用できるが、複数枚のRAW画像現像や編集など高いグラフィック能力を必要な作業には少し厳しいと感じることもある。またグラフィック性能が底上げされていて、6Kの映像出力が可能になっている。13インチMacBook Pro (エントリーモデル)よりも数値上の性能は低いかもしれないが、安定して動作するためプロユーザーには安心の1台とも言える。Touch ID、Touch Bar搭載。外部ポートはThunderbolt 3(USB-C)が4ポート。
16インチMacBook Pro
CPU性能・グラフィック性能ともにハイスペック。主に高いグラフィックを要求する作業をする際に必要で、高解像度の動画や写真の編集に最適。大きな画面が必要な場合を除き、TwitterやFacebookなどのSNS、YouTubeなどを視聴する程度であればオーバースペック。Touch ID、Touch Bar搭載。大きくて重く持ち運びには不向き。外部ポートはThunderbolt 3(USB-C)が4ポート。
今回、新たにApple Silicon (M1チップ) を搭載したモデルが登場し、しかもM1チップは従来製品の何倍もの性能を持ち合わせているため、どのモデルがどのユーザーに最適かを一言で表すのは正直かなり難しくなっていると感じている。
ただ確実に言えるのは、まだ対応していないアプリやサービスがあるApple Silicon (M1チップ)搭載モデルを購入することをリスクと捉えるならば、これまで同様Intelプロセッサ搭載モデルを購入するのが最も安心だ。
いずれすべてのモデルがApple Silicon (M1チップ)搭載モデルに置き換わっていくだろうが、今後数ヶ月〜数年でIntelプロセッサ搭載モデルのサポートが打ち切られることもないだろう。あえて 「安心」 を買うという選択肢は決して悪いことではないはずだ。いまはIntelプロセッサ搭載モデルを購入して、2年後あたりにApple Silicon搭載モデルにチャレンジするというのも良いだろう。
もしIntelプロセッサ搭載モデルを購入するのであれば、個人的には性能と価格、軽さ、コンパクトさをすべて併せ持つ13インチMacBook Pro(上位モデル)が最もオススメだ。税込で20万円以上するが、MacBook Pro(上位モデル)であれば数年後まで快適に使えるため、長期間にわたって使用するつもりなら同モデルを購入しておけばとりあえず間違いないと思う。サイズもMacBook Airと同じであるため、持ち運び性という点でも劣ることはほぼない。
16インチMacBook Proは高いCPU性能とグラフィック性能に優れたモデル。13インチMacBook Proで満足できないユーザーに最適で、動画編集するのにもってこいの性能になっているため、これからクリエイティブな作業をする機会が多い方にぜひオススメしたい。
Apple Silicon (M1チップ)搭載モデルは、Appleの次世代のMacをいち早く試したい方、もしくは今後数年同じモデルを使い続けることを前提に購入する方にオススメだ。コンパクトでありながら16インチMacBook Proを超える性能を得ることができ、バッテリー持ちが長いなど大きなメリットもあるため、Apple Silicon (M1チップ) に対応していない特定のアプリを使う必要があるなど事情がなければ、今回の新しいMacBook Pro・MacBook Airを購入してみてもいいのではないだろうか。
ただし、今後1〜2年以内に上位モデルにApple Siliconが搭載され、そちらも大幅に性能が向上することが考えられる。Apple Siliconを搭載した上位モデルが欲しい場合は今回のM1チップ搭載モデルの購入は見送るのもありだろう。
最後の決め手はあなたの使い方と予算。最適なMacを購入するためぜひ熟考を。ちなみに筆者はApple Silicon (M1チップ) を搭載したMacBook ProとMacBook Airを購入しており、詳細や使用感などをレビュー記事として公開している。購入検討中の方は参考にしていただきたい。
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・MacBook Air
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MacBook Airと13インチMacBook Proの比較表
MacBook Air(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(M1,2020) | 13インチMacBook Pro(4ポート,2020) | |
---|---|---|---|
画面サイズ | 13.3インチ | ||
画面 | Retinaディスプレイ 広色域(P3) True Toneテクノロジー |
||
画面輝度 | 400ニト | 500ニト | |
解像度 | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | ||
Touch Bar | × | ○ | |
Touch ID | ○ | ||
ストレージ(SSD) | 256GB/512GB/1TB/2TB | 512GB/1TB/2TB/4TB | |
CPU GPU |
256GBモデル 512GBモデル |
標準搭載 Apple M1チップ ・8コアCPU(高性能×4/高効率×4) ・8コアGPU ・16コアNeural Engine |
【CPU】 ※オプション 【GPU】 |
メモリ | 8GBユニファイドメモリ ※16GBに変更可能 |
16GB (3,733MHz/LPDDR4X) ※32GBに変更可能 |
|
外部ディスプレイ | 最大6K/60Hz/1台まで | ||
本体サイズ | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ0.41〜1.61 cm | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ1.56 cm | |
重量 | 1.29kg | 1.4kg | |
通信 | Wi-Fi 6 (802.11ax) Bluetooth 5.0 |
Wi-Fi 5 (802.11ac) Bluetooth 5.0 |
|
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | ||
ポート | Thunderbolt 3(USB 4)ポート × 2 | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 4 | |
オーディオ | ・ステレオスピーカー ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 ・指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ ・3.5mmヘッドフォンジャック |
・ハイダイナミックレンジステレオスピーカー ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 ・指向性ビームフォーミングを持つスタジオ品質の3マイクアレイ ・3.5mmヘッドフォンジャック |
・ハイダイナミックレンジステレオスピーカー ・ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 ・指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ ・3.5mmヘッドフォンジャック |
キーボード | バックライトMagic Keyboard シザー構造 1mmのキーストローク 逆T時型の矢印キー |
||
トラックパッド | 感圧タッチトラックパッド | ||
バッテリー容量 | 49.9Wh | 58.2Wh | 58.0Wh |
充電アダプタ出力 | 30W | 61W | |
バッテリー持ち | インターネット:最大15時間 ムービー再生:最大18時間 |
インターネット:最大17時間 ムービー再生:最大20時間 |
インターネット:最大10時間 ムービー再生:最大10時間 |
カラー | ・ゴールド ・シルバー ・スペースグレイ |
・シルバー ・スペースグレイ |
|
価格(税別) | 256GB:104,800円〜 512GB:129,800円〜 |
256GB:134,800円〜 512GB:154,800円〜 |
512GB:188,800円〜 1TB:208,800円〜 |
・MacBook Pro
・MacBook Air
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・Magic Keyboard / Magic Trackpad 2 / Magic Mouse 2 / その他
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MacBook Airと16インチMacBook Proの比較表
MacBook Air(M1,2020) | 16インチMacBook Pro(2019) | |
---|---|---|
画面サイズ | 13.3インチ | 16インチ |
画面 | Retinaディスプレイ 広色域(P3) True Toneテクノロジー |
|
画面輝度 | 400ニト | 500ニト |
解像度 | 2,560 x 1,600ピクセル(227ppi) | 3,072 x 1,920ピクセル(226ppi) |
Touch Bar | × | ○ |
Touch ID | ○ | |
ストレージ(SSD) | 256GB/512GB/1TB/2TB | 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB |
CPU GPU |
256GBモデル 512GBモデル |
【CPU】 1TBモデル ※オプション 【GPU】 1TBモデル ※オプション |
メモリ | 8GBユニファイドメモリ ※16GBに変更可能 |
16GB (2,666MHz/DDR4) ※32GB/64GBに変更可能 |
外部ディスプレイ | 最大6K/60Hz/1台まで | 最大6K/60Hz/2台まで |
本体サイズ | 幅30.41 × 奥行き21.24 × 高さ0.41〜1.61 cm | 幅35.79 × 奥行き24.59 × 高さ1.62 cm |
重量 | 1.29kg | 2.0kg |
通信 | Wi-Fi 6 (802.11ax) Bluetooth 5.0 |
Wi-Fi 5 (802.11ac) Bluetooth 5.0 |
カメラ | 720p FaceTime HDカメラ | |
ポート | Thunderbolt 3(USB 4)ポート × 2 | Thunderbolt 3(USB-C)ポート × 4 |
オーディオ | ・ステレオスピーカー ワイドなステレオサウンド ・Dolby Atmos再生に対応 ・指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ ・3.5mmヘッドフォンジャック |
・フォースキャンセリングウーファーを備えた、原音に忠実な6スピーカーシステム ・高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つスタジオ品質の3マイクアレイ ・3.5mmヘッドフォンジャック |
キーボード | バックライトMagic Keyboard シザー構造 1mmのキーストローク 逆T時型の矢印キー |
|
トラックパッド | 感圧タッチトラックパッド | |
バッテリー容量 | 49.9Wh | 100Wh |
充電アダプタ出力 | 30W | 96W |
バッテリー持ち | インターネット:最大15時間 ムービー再生:最大18時間 |
インターネット:最大11時間 ムービー再生:最大11時間 |
カラー | ・ゴールド ・シルバー ・スペースグレイ |
・シルバー ・スペースグレイ |
価格(税別) | 256GB:104,800円〜 512GB:129,800円〜 |
下位モデル:248,800円〜 上位モデル:288,800円〜 |
・MacBook Pro
・MacBook Air
▶︎ Apple公式サイトでMacアクセサリをチェック
・Magic Keyboard / Magic Trackpad 2 / Magic Mouse 2 / その他
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東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。
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