Mac mini 2020 レビュー | M1チップで高性能化した次世代機のGoodポイントとBadポイント
AppleがMac向け独自開発チップ 「Apple Silicon」 を発表し、2022年までにすべてのMacを移行する計画を明らかにしてから約半年、初のApple Siliconを搭載した新世代Macのひとつとして 「Mac mini (M1, 2020)」 が登場した。
新型Mac miniは、同時に発表されたMacBook Air、MacBook Proとともに一足はやくApple Silicon 「Apple M1」 チップを搭載したことで、従来のIntelプロセッサ搭載モデルから大幅な性能向上を実現した。
M1チップについては、筆者は 「MacBook Pro (M1, 2020)」 と 「MacBook Air (M1, 2020)」 ですでに触れているものの、このたび縁あってAppleから 「Mac mini (M1, 2020)」 の実機をお借りすることができたため、これですべてのM1チップ搭載Macに触れることができた。
Mac miniはデスクトップ型Macであり、MacBook ProやMacBook Airなどのラップトップとは違う性質を持ったデバイス。このデスクトップ×M1チップの組み合わせによって生まれる利点に注目しながら、本機の実力についてご紹介していきたいと思う。
ちなみに、筆者の手元にはM1チップを搭載したMacBook Pro・MacBook Airもあるため、せっかくなので3台で性能を比較したり、どのMacがどんなユーザーに適しているのかなども分析してみた。ラップトップにするか、デスクトップにするかで悩んでいる方もぜひ参考にしていただきたい。
Mac mini (M1, 2020)とは
Mac mini (M1, 2020)は、2020年11月に発表された3種類の次世代Macのひとつ。MacBook AirとMacBook ProはラップトップMacだが、Mac miniのみデスクトップMacとなっている。
Mac miniはAppleが販売するデスクトップMacの中でもっともコンパクトな筐体を持っているのが大きな特徴で、Appleが独自開発した 「M1」 チップの搭載により、コンパクトさと性能の高さを兼ね揃えた万能モデルとなった。
Appleの発表によると、M1チップを搭載したMac mini(2020)は、CPU性能が一世代前のものと比べて最大3倍高速に、グラフィック性能が最大6倍に。また、機械学習の性能も一世代前のものと比べて最大15倍高速になっているとのこと。
本体は熱設計も進化したことで、本体が熱くなりにくく、常に高パフォーマンスを維持することが可能。Wi-Fiの最新規格 「Wi-Fi 6」 にも対応し、ワイヤレスパフォーマンスもより高速になっている。
これほどの進化があったにもかかわらず、Mac mini (M1, 2020)は一世代前のクアッドコアモデルよりも1万円安い80,080円(税込)から購入可能となっている点も見逃せない。コストパフォーマンスに優れたデスクトップMacが欲しい方にオススメのモデルだ。
レビューしたMac miniのスペック
今回筆者がお借りしたMac miniのスペック・仕様は以下のとおり。Apple公式サイトで販売されているM1 Mac miniの上位モデルにあたる。
製品名 | Mac mini (M1, 2020) |
---|---|
チップ |
Apple M1チップ
|
メモリ | 8GBユニファイドメモリ |
ストレージ | 512GB SSD |
外部ポート |
|
価格(税込) | 102,080円 |
デザイン・サイズ・重量
Mac mini (M1, 2020)は、1枚のアルミ板から作り出されたユニボディデザインを採用している。デスクトップPCとは思えないコンパクトな筐体は、前モデルから変わっていない。
大きく変わった部分としては、本体のカラー。前モデルはスペースグレイのカラーだったが、M1チップ搭載モデルはシルバーが採用された。
Mac miniはもともとシルバーカラーが採用されていたが、2018年のモデルチェンジでスペースグレイが採用されていた。つまり、今回のMac mini (M1, 2020)で再びシルバーカラーに戻された形となる。現時点ではまだIntelプロセッサを搭載した前モデルの販売が続けられているため、本体カラーによってIntelモデルかM1モデルかを見分けることができるようになっている。
Mac mini(M1, 2020) | Mac mini(Intel, 2018) | |
---|---|---|
高さ | 3.6cm | 3.6cm |
幅 | 19.7cm | 19.7cm |
奥行き | 19.7cm | 19.7cm |
重量 | 1.2kg | 1.3kg |
本体サイズは幅19.7cm×奥行き19.7cm×高さ3.6cmで、従来モデルから変わらず。重量は1.2kgとIntelモデルよりも0.1kg軽くなっている。あいかわらずデスクトップPCとは思えないコンパクトさで、Windows PCなどから初めて移行した方は驚くことだろう。
これほどコンパクトなのであれば、配置場所に困ることはほとんどないはず。設置場所が限られていたり、少し狭めのデスクを使っている方には特にオススメだ。
Mac mini(M1, 2020)の背面
本体背面には、電源ボタンや各種ポート類が配置されている。搭載ポートの一覧は以下のとおり。
- Thunderbolt / USB 4ポート × 2
- USB-Aポート (最大5Gb/s) × 2
- HDMI 2.0ポート
- ギガビットEthernetポート
- 3.5mmヘッドフォンジャック
中でも注目していただきたいのが、今回から搭載されたThunderbolt / USB 4ポート。同ポートを使って外部ディスプレイ(最大6K)や各種アクセサリを接続できるのだが、注意していただきたいのがポート数が従来モデルよりも少ないこと。
Thunderbolt/USB 4(USB-C)ポートがIntelモデルよりも少ない
M1 Mac miniは2ポートのみとなっているのに対し、Intelプロセッサモデルは4ポート搭載している。接続できる外部ディスプレイ数も限られていて、M1モデルが最大2台まで、Intelモデルが最大3台までとなっている。USB-Cハブを使用することで増設することは可能ではあるものの、それありきで評価するというのもおかしな話。この点に関してはM1チップ搭載Macの大きなデメリットとも言えるだろう。
Mac miniにはスピーカーが搭載されていて、Mac mini本体から直接音を出力することができる。音質はあまり良くはなく、システム音を出力する程度なら問題ないが、もし音楽などを本格的に楽しみたい場合は別途スピーカーを用意するか、ヘッドホン・イヤホンを活用したいところ。
先日発売したHomePod miniなら比較的安価に高品質なステレオ環境を整えることができるため、それもオススメと言えるかもしれない。
付属品は電源ケーブルのみ
ちなみに、Mac miniを初めて購入するユーザーに気を付けていただきたいのが、Mac miniには電源ケーブル以外に付属品が付いてこないこと。
キーボードやマウスは別売りとなっているので、一切持っていないなら購入しておこう。Apple純正品で揃えたいなら、Magic KeyboardやMagic Mouse 2、Magic Trackpad 2をApple公式サイトで購入すると良いだろう。Bluetoothにも対応しているため、ワイヤレスマウスを接続することが可能だ。
M1チップの性能 (CPU)
Appleの 「M1チップ」 は、MacBook ProやMacBook Air、そして今回のMac miniに大幅な性能向上をもたらした。
まだM1チップがどういうものなのか詳しくない方のために、ここで簡単に復習しておこう。
Mac mini(M1, 2020)に搭載されているM1チップは、MacのためにAppleが自社開発したシステムオンチップ (SoC)。5nmプロセスを採用し、搭載されたトランジスタの数は160億。iOSやiPadOSに搭載されているAプロセッサとおなじARMアーキテクチャを使用し、CPU・GPUやニューラルエンジンなど多くのテクノロジーをひとつのチップに統合している。
CPUは高性能コア4つ、高効率コア4つで構成された8コアプロセッサ。処理性能は一般的なラップトップ向けチップにくらべて2倍以上のパフォーマンスを発揮するが、省電力性も高く従来に比べて40%程度に抑えられているという。
GPUも8コア構成になっており、約25,000スレッドを一度に処理することが可能。ニューラルエンジンは16コア構成で、Thunderbolt/USB 4をサポートする。
Appleの説明によれば、M1チップは従来のMac miniにくらべてCPU性能が最大3倍、グラフィックは最大6倍高速になっており、さらにニューラルエンジンも最大15倍の高速化を実現しているというが、果たしてそれは真実だろうか。ベンチマークソフト 「Geekbench 5」 を用いてスコアを計測してみた。
製品名 | Mac mini(M1, 2020) |
---|---|
プロセッサ | Apple M1チップ |
シングルコアスコア | 1718 |
マルチコアスコア | 7573 |
結果はシングルスコアが1718、マルチコアスコアが7573。このスコアだけだとどれくらいの性能なのか分かりにくいと思うので、従来のIntelプロセッサ搭載モデルとスコアを比較してみた。
結果は以下のとおり。
端末名 | 発売年 | プロセッサ | ベンチマークスコア | ||
---|---|---|---|---|---|
シングルコア | マルチコア | ||||
Mac mini (M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1718 | 7573 |
Mac mini (Intel) |
2018 | Intel | Core i7-8700B | 1100 | 5465 |
Core i5-8500B | 999 | 4662 |
Intelプロセッサモデルと比べると、M1チップはシングルコアスコア・マルチコアスコアともにIntelモデルを大きく上回っており、シングルコアスコア約1.5〜1.7倍、マルチコアスコア約1.4〜1.6倍になっていることが確認できた。
Mac miniはIntelプロセッサを搭載したモデルの販売も継続されているが、この結果から純粋に性能だけを求めるならM1チップモデル一択ということになる。
端末名 | 発売年 | プロセッサ | ベンチマークスコア | ||
---|---|---|---|---|---|
シングルコア | マルチコア | ||||
MacBook Air (M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1705 | 7220 |
MacBook Pro (13-inch,M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1717 | 7602 |
Mac mini (M1) |
2020 | Apple | M1チップ | 1718 | 7573 |
MacBook Pro (13-inch, 4ポート) |
2020 | Intel | Core i7-1068NG7 | 1374 | 4843 |
MacBook Pro (16-inch) |
2019 | Intel | Core i9-9980HK | 1179 | 7097 |
iMac Retina 5K(27-inch) | 2020 | Intel | Core i9-10910 | 1251 | 9021 |
Mac Pro | 2019 | Intel | Xeon W-3265M (24コア/2.7GHz) |
1116 | 18960 |
ためしに、他のM1 MacやiMacなどの上位デスクトップMacともスコアを比較してみた。
M1 Mac同士のスコア差はほとんど誤差程度。強いて言うならファンレス仕様のMacBook Airが約5%低いくらいで、MacBook ProとMac miniの性能はほぼ同じ。M1 Mac同士でどの端末にするか悩んでいるのであれば、CPU性能の差を考慮する必要はあまりないだろうが、もし少しでも性能が高いモデルが必要と言うのであれば、MacBook ProかMac miniを購入するといいのではないだろうか。
ちなみにMac miniには大型の冷却ファンを含む冷却機構(アクティブクーリング)が搭載されており、これで内部に発生した熱を筐体外に排除する仕組みになっている。M1チップはただでさえ発熱が少ないが、この冷却機構のおかげでMac miniが熱くなることはなく、常に最高のパフォーマンスを発揮できるようになっている。
iMacなど上位デスクトップMacとの比較では、高性能コアの少なさからマルチコアスコアこそ劣るものの、シングルコアスコアは圧勝という結果に。シンプルなタスクをする上では (理論上は) M1 Mac miniの方が優れるということになる。
ベンチマークスコアが分かったところで、実際にMac miniで様々な処理を行なってみた。
同じM1チップを搭載しているということもあって、Mac mini(M1, 2020)のアプリの起動・動作はMacBook Pro(M1, 2020)やMacBook Air(M1, 2020)とほとんど同じくらい高速。たくさんのアプリを開いたり、比較的処理が重めの画像編集ソフトやゲームアプリを動かしても動作がもたつくことはなく、終始快適に作業することができた。
これまでのMac miniはエントリーモデルということもあって、筆者はこれまで 「重い作業をするには不向き」 と評価してきたが、今回のM1チップの搭載によってその評価が覆った。レインボーカーソルが出ることも全くなく、Macの処理を待つ時間もほとんどない。快適な作業環境を手に入れることができるだろう。
ちなみにMac mini(M1, 2020)の起動は高速どころか爆速レベル。電源をオフにした状態からログイン画面に到達するまで20秒とかからない。Macを利用するユーザーの多くは1日の終わりにスリープさせることが多いと思うのだが、Mac mini(M1, 2020)であれば電源オフ派の人でも快適に使えるだろう。
M1チップの性能 (グラフィック)
Mac mini(M1, 2020)はM1チップ搭載の影響で、CPU性能だけでなくGPU性能も大幅に向上している。M1チップに内蔵されたGPUは8コア構成。約25,000スレッドを一度に処理することが可能だ。
すでに筆者はMacBook ProとMacBook Airでその進化を目の当たりにしているが、Mac mini(M1, 2020)ではどれほどの性能向上になっているのだろうか。
まずはGeekbench 5で、OpenCLとMETALのベンチマークスコアを計測してみた。
製品名 | Mac mini(M1, 2020) |
---|---|
プロセッサ | Apple M1チップ |
OpenCL | 19619 |
Metal | 21832 |
旧モデルとの比較は以下のとおり。
端末名 | 発売年 | GPU | ベンチマークスコア | |
---|---|---|---|---|
OpenCL | Metal | |||
Mac mini (M1) |
2020 | Apple M1チップ | 19619 | 21832 |
Mac mini (Intel) |
2018 | Intel UHD Graphics 630 | 4823 | 4632 |
Intelプロセッサ搭載モデルと比べると、OpenCLスコアは約4倍、Metalスコアは約4.7倍と大幅に向上していることがわかった。M1チップのCPU性能向上は十分驚愕に値するレベルではあったが、GPU性能はそれをさらに上回るレベルの驚き。
一般的にGPUは 「統合型」 「ディスクリート型」 の2つの種類に分けられる。統合型GPUはCPUと処理を共有するもので、ディスクリート型GPUはCPUとは別にGPUチップが搭載されているタイプのものになる。どちらかというとGPU性能が高く出るのはディスクリート型GPUの方であることが多い中、M1チップ搭載したMac miniは統合型であるにも関わらずディスクリート型GPUレベルのグラフィック性能を持っていることになる。
端末名 | 発売年 | GPU | ベンチマークスコア | |
---|---|---|---|---|
OpenCL | Metal | |||
MacBook Air (M1) |
2020 | Apple M1チップ | 16925 | 19755 |
MacBook Pro (13-inch,M1) |
2020 | Apple M1チップ | 18622 | 21452 |
Mac mini (M1) |
2020 | Apple M1チップ | 19619 | 21832 |
MacBook Pro (13-inch, 4ポート) |
2020 | Intel Iris Plus Graphics | 8647 | 10467 |
MacBook Pro(16-inch, Intel) | 2019 | AMD Radeon Pro 5300M | 26316 | 22840 |
iMac Retina 5K(27-inch) | 2020 | AMD Radeon Pro 5300 | 38121 | 35922 |
Mac Pro | 2019 | AMD Radeon Pro 580X | 41961 | 42289 |
同じM1チップ搭載モデルや上位のMacともグラフィック性能を比較してみた。
M1モデル同士ではほとんど差はないものの、CPU性能と同様にMacBook Airのみスコアが少し低いくらいという結果に。これはおそらくMacBook Airには冷却用ファンが存在しないことが影響しているとみられるが、ただOpenCLやMetalのスコアは振れ幅が比較的大きいため、必ずしもMacBook Airの性能が低いとは断言できないことに注意していただきたい。
iMacなど上位モデルとの比較では、やはりディスクリートGPUを搭載した16インチMacBook ProやiMac 5Kモデルの性能を超えることはできなかった。この結果からGPU性能を重視するのであれば、いまだにこれらの上位Macを選ぶべきとは言えるだろう。
とはいえ、M1チップのグラフィック性能が一般的な統合型GPUよりも高いのは事実であり、高画質な映像・写真の編集なども実用レベルで利用可能だ。また、3Dゲームなども中画質程度なら快適にプレイすることができる。
実際に筆者がよく遊んでいる 「Sid Meier’s Civilization VI」 で画質設定を 「高画質」 にしてテストしてみた。同ゲームはゲーム中盤あたりでユニットが多くなってくると処理が重たくなってくる傾向にあるが、Mac miniではそれも問題なくプレイすることができた。
ゲーム用途としてPCを購入する場合、各タイトルの対応プラットフォームの関係でWindows PCの購入がもっともオススメではあるものの、Macに対応しているゲームをすこし遊ぶくらいならMac miniでも十分その役割を果たせると言えるだろう。
ちなみにM1チップモデルにおいて注意していただきたいのが、eGPU(外付けGPU)が利用できないこと。GPUの性能不足を感じたときにあとから強化することはできないため、グラフィックを重視する場合はやはりIntelプロセッサを搭載した16インチMacBook ProやiMacをお選びいただきたい。
SSD性能
Mac miniのストレージはSSDが採用されていて、容量は最小256GBから最大2TBまで選択することができる。筆者がお借りしたモデルは512GB SSDが搭載されていた。
SSDの転送速度は以下のとおり。
端末名 | 書込速度(Write) | 読込速度(Read) |
---|---|---|
Mac mini (M1, 2020) | 2894MB/s | 2848MB/s |
MacBook Pro(M1, 2020) | 2621MB/s | 2804MB/s |
MacBook Air(M1, 2020) | 2806MB/s | 2861MB/s |
MacBook Pro(Intel, 4ポート, 2020)※参考 | 2338MB/s | 1954MB/s |
M1チップを搭載したMacBook ProやMacBook Airと同じくらいの転送速度だったことから、この3つのM1チップ搭載モデルにはおなじSSDが搭載されていると考えることができるだろう。
今回はIntelプロセッサを搭載したMac miniのSSD速度を調べることができなかったため新旧Mac mini同士での比較はできなかったのだが、それでも13インチMacBook Pro(Intel, 4ポート, 2020)に比べて2〜3割の高速な結果になっていたことを踏まえると、プロモデルにも匹敵する転送速度を実現していることが分かる。
毎秒3MB近くのデータを転送できるとなると、高画質な動画編集もかなり快適だ。加えてCPU・GPUもプロモデル級に性能が向上していることから、M1 Mac miniがあれば動画編集用に上位のMacを別途購入する必要はほぼないはずだ。
ちなみに、SSDはストレージ容量が大きければ大きいほど読み書きのスピードが速くなる傾向にあるため、容量が大きいストレージを搭載した場合は筆者の検証以上の転送速度になる可能性もある。ストレージ容量を増やす予定の方はこのことを参考程度に覚えておいていただきたい。
RAM性能
M1チップ搭載Macは、メモリユニファイドメモリアーキテクチャ (UMA) を備えている。
高帯域幅を持つ低レイテンシメモリをM1チップと統合したことで、同チップ内にあるすべてのユニット(CPUやGPU、Neural Engine)がやり取りするデータを効率良く共有できるようになった。すこし難しいことを言っているかもしれないが、要は同技術を導入したことでメモリの効率とパフォーマンスが向上した、ということになる。
では、この技術を搭載したMac miniはどれほどのメモリ転送速度を実現しているのか。ベンチマークアプリ 「AmorphousMemoryMark」 を使って計測してみた。
SSD性能と同様、Intelプロセッサ搭載Mac miniとの比較はできていないのだが、13インチMacBook Pro(Intel, 4ポート, 2020)と比較すると全体的にデータ転送速度が向上していることが確認できた。
端末名 | Mac mini(M1, 2020) | 13インチMacBook Pro(Intel, 4ポート, 2020) | ||
---|---|---|---|---|
Read | Write | Read | Write | |
SEQ128K T8 | 46.73GB/s | 64.70GB/s | 46.51GB/s | 46.69GB/s |
RND4K T8 | 27.61GB/s | 21.64GB/s | 43.68GB/s | 22.54GB/s |
SEQ1M T1 | 32.75GB/s | 64.34GB/s | 11.73GB/s | 31.65GB/s |
RND4K T1 | 14.53GB/s | 8.78GB/s | 11.71GB/s | 10.80GB/s |
ちなみに、Mac miniはCTOオプションでメモリを16GBに増やすことができるが、M1チップはメモリの消費が少なくなっているため、必ずしも16GBの容量が必要かどうかはユーザーによって異なる。
たとえば、高画質な写真や動画の編集といったメモリの消費が大きくなるような作業においては、容量が大きい方がパフォーマンスが高くなるが、逆にそういった作業をする予定がないなら8GBのままでも快適に利用できる可能性がある。
Mac miniをメインPCとして長期間使うことを想定しているなら、やはりメモリは多いに越したことはないだろう。メモリを16GBに増やすには2万円の費用を上乗せする必要があるため、Mac miniでどんな作業をする予定なのか、どれくらいの予算を想定しているのかによって、8GBにするか16GBにするかを決めていただきたい。
ちなみに筆者が購入するのであれば16GBのメモリを搭載すると思う。これはMacBook Proにおいての話にはなるが、メモリ8GBでも十分快適に作業することはできたものの、写真編集中の操作や書き出し、読み出し作業は16GB搭載した方がやや快適だった。その差は体感的なものでしかないが、不安ならぜひCTOオプションでメモリの増量を。
外部ディスプレイへの出力は最大6Kまで対応
Mac mini(M1, 2020)はThunderbolt / USB 4ポートとHDMIポートを使って、最大2台のディスプレイに映像を出力することが可能。サポートする最大解像度は6Kで、たとえば4K+4Kのディアルディスプレイを構築することが可能だ。
実際に4Kのデュアルディスプレイを構築した時の写真は上記。4Kディスプレイを2枚並べると画面が広く作業しやすい。27インチや32インチなど大きな画面に映像を出力することで広い画面を手にすることもできるが、YouTube動画を1枚の画面にフルスクリーンで出力して、もう一枚のディスプレイで作業をするということもできるため、個人的にはデュアルディスプレイの環境がオススメ。
ちなみにせっかくコンパクトなMac mini(M1, 2020)をデスクに置くなら、机の上はなるべくすっきりさせたいところ。この意見に同意いただける方は、ぜひディスプレイアームを導入してみていただきたい。
Mac mini(M1, 2020)のGoodなポイント&M1チップの恩恵
M1チップが搭載されたことによって、Mac miniは従来よりもパワフルな端末として生まれ変わった。CPU・GPU性能が向上したことは言わずもがなだが、そのほかM1チップを搭載したことによる恩恵や新たにできるようになったことを紹介したい。
iPhone・iPad向けアプリが動作可能に
M1チップによる恩恵の中でも注目したいのが、iOS/iPadOSのアプリをMac上で利用できるようになったこと。
M1チップのアーキテクチャはiOSやiPadOSに採用されているプロセッサと同じARM系であるため、iOS/iPadOS向けに開発されたアプリと互換性があり、Mac上で動作させることができるという仕組みだ。
この互換性のおかげで、これまでiPhoneを快適に使うことを目的に購入したコンテンツや、iPadで制作したドキュメントやプロジェクトなどの “資産” を、Macでも使うことができるように。クラウドストレージなどを使ってデバイス間でデータを共有できる仕組みを採用しているアプリなら、iPhone・iPad・Macで横断するように作業できる。これはすごく便利だ。
ただし、すべてのiOS/iPadOSアプリが利用できるというわけではない上に、アプリによってはウインドウサイズが固定されてしまったり、文字が見にくかったりと 「かろうじて動作している」 レベルのものもあるのは事実。ジャイロなどMacに搭載されていないセンサーなどを使用するアプリも当然ながら使用することはできない。iOS/iPadOSアプリとM1 Macの互換性については、今後の課題のひとつとなるだろう。
iOS/iPadOSアプリはMac上のApp Store(旧Mac App Store)からダウンロードしてくることが可能。実際に筆者がiPhoneで使っているアプリは、現時点では7〜8割くらいが動作することが確認できた。
従来のMacアプリも動作
内蔵チップのアーキテクチャがARMベースになったことでiOS/iPadOSアプリが利用できるようになったが、逆にこれまでMacで使ってきたIntelプロセッサ向けアプリが正しく動作するのかを不安に思っている方もいるのではないだろうか。
これについては、結論から言うとほとんど心配する必要はないと言えるだろう。というのも、MacBook ProやMacBook Airのレビューでも紹介したとおり、すでにApple Siliconに対応したアプリケーションが登場してきているのに加えて、Intelプロセッサ向けアプリをApple Silicon搭載Macで動作させる機能が用意されているからだ。
既存のIntelプロセッサ搭載Mac向けに開発されたアプリは、「Rosetta 2」 というアプリを使って動作させることが可能。「Rosetta 2」 とは簡単に言うとIntelプロセッサ搭載Mac向けに開発されたアプリケーションを、Apple Silicon (今回の場合はM1) を搭載したMacで動作できるように、初回起動時に変換してくれるものになる。
Apple Siliconにネイティブ対応したものに比べて動作速度はやや落ちるものの、M1チップそのものの処理速度が速いこともあって、Intelプロセッサ搭載Mac向けに開発されたアプリであっても高速に動作するのだから驚きだ。
ほとんどのアプリはRossetta 2が間に入ることで問題なく動作するようになっているが、一部のアプリは互換性の問題で正常に動作できない場合があるので注意が必要。ただしAppleは今後数年でMacのアーキテクチャーをIntelベースからARMベースに置き換えていくことを発表していることもあって、今後のメインストリームはApple Siliconであることは明白。近いうちにほぼすべてのアプリがApple Silicon搭載Macで正しく動作するようになるのではないだろうか。
ちなみに、アプリがApple Siliconにネイティブ対応している場合は、アプリの種類表示の最後に 「Universal」 と記載される。逆にネイティブ対応していないアプリケーションについては、ここに 「Intel」 と書かれる。また、ネイティブ対応したアプリであっても 「Rosettaを使用して開く」 のチェックを入れることで、あえてRosetta 2で変換して実行することが可能だ。
発熱と静音性
背面の排熱機構
Mac miniは熱設計が進化していて、負荷のかかる処理を行っても従来より熱が発生しにくくなっている。試しに高負荷がかかりやすいゲーム『Cities: Skylines』を起動して少しの間放置してみたが、Mac miniはほとんど熱くなることはなかった。
デスクトップMacはラップトップMacと違って膝の上に乗せて使うことがないため、多少熱を発しても大きな問題はない。ただ、PC周りにはディスプレイなど熱を発しやすいものが多く、夏場などはエアコンを稼働させていても熱がこもりやすいため、やはり発熱が少ないのは正義。
熱が発生しにくければ、高いパフォーマンスを維持できるというメリットもあるため、この進化はユーザーに大きな恩恵をもたらしてくれるはずだ。
また、本体が熱くならないということは冷却ファンがうるさく動作する機会も少ないということで、終始静かな環境で作業することが可能だ。仕事や趣味で楽曲制作をしていて、ファンの音が気になる方には嬉しい進化と言えるだろう。
Mac mini(M1, 2020)のBadなポイント
M1チップを搭載したことで驚異の性能を手に入れたMac miniだが、同チップの搭載によって不利益が生じていることも忘れてはいけない。
たとえば、M1チップ搭載MacではBootCampを使うことができない。BootCampはMacにWindowsをインストールし、起動時にmacOSとWindowsを切り替えられる機能だが、IntelからARMにアーキテクチャを変更したことが原因で利用できなくなってしまった。これまでのようにWindowsをインストールすることを考えていた人は注意が必要だ。
今後ずっとMacでWindowsが使えないのかというと、そうでもないかもしれない。MacでWindowsを利用できるようにするため複数の会社が動いていると聞く。また、そもそもM1搭載MacでWindowsを動作させること自体は技術的には可能であるとAppleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長Craig Federighi氏はArsTechnicaのインタビューに答えている。ただしそれを実現できるかどうかは、AppleではなくMicrosoftにかかっているともFederighi氏はコメントしている。
MicrosoftにはARM版Windows 10がすでに存在するため、あとは同社がARMベースのWindowsをApple Silicon搭載Macで利用できるようにするかどうかにかかっていると言える。もしかすると、将来的には再びMacでもWindowsを利用できるようになるのかもしれない。
eGPUが使えない
GPU性能の部分でも述べたが、M1チップ搭載MacではeGPUを使うことができない。
端末を買い替えてもグラフィック性能を底上げできるeGPUを重宝していたユーザーもいると思うが、残念ながら今回のMac miniでは利用できなくなってしまったため、もしeGPUを必要とするほど高いグラフィック性能を求めるなら、現時点ではIntel Macを購入した方が無難と言えるだろう。
ただし、今後登場することが予想されている上位のMacBook ProやiMacなどでeGPUが使える可能性は残るため、売却・廃棄の決断を下すのはとりあえず先延ばしにしておくことをオススメする。
ディスプレイは2台までしか出力できない
M1チップ搭載Macにおいて多くのユーザーががっかりすることになったのは、ディスプレイへの映像出力が従来よりも制限されたこと。
モデル名 | 出力仕様 |
---|---|
Mac mini (M1,2020) |
Thunderbolt経由 HDMI 2.0経由 |
Mac mini (Intel,2018) |
Thunderbolt経由 HDMI 2.0経由 |
MacBook Air (M1,2020) |
最大6K/60Hz:1台まで |
MacBook Pro (13インチ,M1,2020) |
最大6K/60Hz:1台まで |
MacBook Pro (13インチ,Intel,2020) |
最大6K/60Hz:1台まで もしくは 最大4K/60Hz:2台まで |
MacBook Pro (16インチ,Intel,2019) |
最大6K/60Hz:2台まで もしくは 最大4K/60Hz:4台まで |
Mac miniの場合は、本体に搭載されたHDMIポートから1台、Thunderbolt/USB 4ポートで1台の合計2台までの出力にしか対応していない。従来のIntel Mac miniでは、4K解像度であれば最大3台までの映像出力に対応していたため、トリプルディスプレイ環境が構築できなくなってしまったことになる。
これまで映像分配器などを使って1つのThunderbolt 3ポートから2台のディスプレイに映像出力をしていた場合、出力方法を見直す必要があるだろう。
Sidecarを利用して3台の画面に映像出力
抜け道的な方法として、AirPlayを活用したり、iPadに映像を出力するSidecarを使ってディスプレイを拡張することはできる。また、DisplayLinkディスプレイアダプタを利用することで3台以上のディスプレイに映像を出力をすることは可能だ。
ただし前者の場合はどうしても遅延が発生してしまうため、常時それでマルチディスプレイを実現するのはあまり現実的とは言えないだろう。後者の場合は別途費用がかかってしまう上に、Appleは公式発表として 「ディスプレイ2台まで出力できる」 としていて、DisplayLinkディスプレイアダプタを介した映像出力を公式にサポートしていないことに多少の不安がある。
もしディスプレイ出力の面で不安があるのであれば、今後登場するであろう上位Macの登場を待った方が良いかもしれない。
USB Type-Cポートが2ポートに減少
M1チップを搭載したMac miniは、Thunderbolt/USB 4ポート(USB-Cポート)の数が2つに減少している。
Intelプロセッサ搭載モデルは4つのThunderbolt 3/USB-Cポートが搭載されていたため、ポート数が半分になってしまったことになる。3ポート以上にアクセサリを接続して使う方は、別途USB-Cハブを購入するなどの対策が必要となった。
Mac miniはポート類がすべて背面側にあるため、配置の仕方によってはポートにアクセスしづらい場合もあるだろう。アクセサリやケーブルを繋ぎっぱなしで使うことが多い方は注意していただきたい。
Mac miniとMacBook Air/Proとの違い
やや番外編的なものになるが、おそらくこれからMacを購入しようと考えているユーザーの多くは、おなじM1チップを搭載したMacの中から好きな一台を選んで購入しようと考えているのではないだろうか。
M1チップを搭載したMacは、MacBook ProとMacBook Airというラップトップモデルが2機種。そして今回紹介したMac miniというデスクトップモデル1機種の合計3機種になる。ラップトップとデスクトップでは大きく役割が異なるのはご存知のとおり。
Mac mini | MacBook Air | MacBook Pro | |
---|---|---|---|
SoC | Apple M1チップ | Apple M1チップ | Apple M1チップ |
CPU | 8コア (高性能4/高効率4) |
8コア (高性能4/高効率4) |
8コア (高性能4/高効率4) |
GPU | 8コア | 7〜8コア | 8コア |
メモリ | 8〜16GB | 8〜16GB | 8〜16GB |
ストレージ | 256GB〜2TB | 256GB〜2TB | 256GB〜2TB |
持ち運び | × | ◯ | ◯ |
画面 | × | ◯ | ◯ |
映像出力 | 最大2台 | 最大1台 | 最大1台 |
キーボード | × | ◯ | ◯ |
トラックパッド | × | ◯ | ◯ |
マイク | × | ◯ | ◯ |
スピーカー | ◯ | ◯ | ◯ |
生体認証(Touch ID) | × | ◯ | ◯ |
カメラ | × | ◯ | ◯ |
価格(税込) | 80,080円〜 | 115,280円〜 | 148,280円〜 |
MacBook AirとMacBook Proにはバッテリーと画面が内蔵されているため、自宅外や別の部屋に持ち運んで作業することが可能だ。対するMac miniは持ち運びを想定したモデルではないためバッテリーどころか画面も搭載されていない。
つまり、Mac miniは1箇所に固定して使用することを前提としたモデル。もし購入するのであれば、外部ディスプレイが自宅にある、もしくは別途購入することが必要だ。
Mac mini(M1, 2020)の外部ディスプレイへの映像出力はHDMIとThunderbolt / USB 4ポートを使って最大2台まで(DisplayLink認定ディスプレイアダプタを利用することでもっと増やすことは可能だが)となっている。MacBook Air(M1, 2020)とMacBook Pro(M1, 2020)は最大1台まで画面出力が可能なため、純粋に合計ディスプレイ数ではどのモデルも2枚までということになるが、本体内蔵のディスプレイを使用しないのであればMacBook AirとMacBook Proはディスプレイの数がMac miniに比べて少ないことになる。
あと、Mac miniを使用するにはキーボードとマウスが別途必要だ。もしApple純正品で揃えたいなら、Magic KeyboardやMagic Mouse 2、Magic Trackpad 2をApple公式サイトで購入すると良いだろう。ちなみにApple製品以外であれば筆者ならLogicoolのMX Master 3 for MacやMX Anywhere 3あたりがオススメ。
また、Mac miniにはマイクとウェブカメラが搭載されておらず必要であれば別途購入する必要がある。
さらにTouch IDのような生体認証機能も搭載されていないため、MacBook ProやMacBook Airのように指を乗せるだけのスムーズな本人認証は利用できない。これらの機能が欲しいなら、MacBook AirやMacBook Proを購入するべきだろう。
まとめ:Mac mini (M1, 2020)は買いか
今回、M1チップを搭載したMac mini(M1, 2020)をレビューした。筆者にとってはあまり馴染みのないモデルではあったが、その実力は現行Macのラインナップの中でもプロレベルを名乗れるほどのもので、日常づかいだけでなくプロフェッショナルな作業にでも十分に対応できることが確認できた。
今回のレビューに使用した画像も、実はMac mini(M1, 2020)で編集したものだ。編集中の動作はかなりキビキビとしていて終始快適。この性能ならば、筆者のiMac(5K 2020, Intel)をMac mini(M1, 2020)に置き換えてもいいくらいだった。
もちろん、Appleは今後1〜2年でMacのApple Siliconへの置き換えを行う計画であるため、近いうちにMac mini(M1, 2020)のように大幅に性能が向上したiMacが登場することが考えられるが、写真や動画をサクサク編集できてしまうくらい高性能なので、メールを返したりブラウジングをしたり、動画を見たりSNSをしたりといった一般的な作業なら、Mac mini(M1, 2020)で必要十分と言えるだろう。
M1チップには正直驚かされた。アーキテクチャの変更はAppleにとって初めてのことではない。しかし、正直これほどまでにスムーズに移行できるとは筆者も予想していなかった。
おそらく同じようにIntelからApple Siliconに移行することによる弊害を心配している人も多かったのではないかと思うのだが、結果的にはほとんどのユーザーはその心配をする必要はなさそうだ。なにしろ、筆者の使っているアプリのほぼすべてがM1チップ搭載Macで動作していて、不便を強いられたことは数えるくらいしかない。しかもそれらの問題もアプリのアップデートによってすでに解消済みなため、もはやM1チップ搭載Macで困惑することはなくなっている。
搭載チップ | M1チップ | Intel Core i5〜i7 | |
---|---|---|---|
メモリ | 8〜16GB | 8〜16GB | 8〜64GB |
ストレージ | 256GB〜2TB | 512GB〜2TB | 512GB〜2TB |
カラー | シルバー | シルバー | スペースグレイ |
価格(税込) | 80,080円〜 | 102,080円〜 | 124,080円〜 |
これらを踏まえて、Mac mini(M1, 2020)は 「買い」 と言えるだろうか。その答えは間違いなく 「Yes」 だ。
Apple Siliconを搭載したMacはまだ3機種しかないが、これから1〜2年間で搭載モデルが増えることで、MacのメインストリームがIntelからApple Siliconに移行することはもはや目に見えている。動作速度は従来モデルより高速、アーキテクチャ変更による不安もほぼなし。正直、買わない理由が見当たらないくらいだ。
今回は貸与という形だったが、筆者的にMac mini(M1, 2020)はかなり魅力的な製品だと感じている。強いていえばディスプレイへの出力できる台数が限られていたり(とは言っても解決策はいくつかあるが)、eGPUをサポートしない、Windowsが使えないという問題は頭に思い浮かぶものの、これらの条件をクリアできる人になら勧めても大丈夫なはず。
まだまだ巣篭もりが続きそうな状況であることも踏まえて、Mac mini(M1, 2020)はデスクワーカーの方にぜひオススメしたい。少なくともすでに旧型Mac miniをお持ちの方は、今回の新型モデルへの買い替えを検討しても良さそうだ。
東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。
同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。