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MagSafeバッテリーパック レビュー | iPhone 12のバッテリーを拡張する便利グッズ。その魅力を解説

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Appleは7月20日、iPhone 12シリーズのMagSafeに対応した純正アクセサリ 「MagSafeバッテリーパック」 を発売した。

今回、筆者は発売と同時に本製品を購入。iPhone 12 ProとiPhone 12 miniを使って動作を検証してみたので、本製品の仕様がどうなっているのか、実際に使ってみて実用的なのかなど、詳細についてお伝えしたい。

MagSafeバッテリーパックのデザインを細かくチェック

今回発売した 「MagSafeバッテリーパック」 は、iPhone 12シリーズの背面に内蔵されたマグネティック充電機構 「MagSafe」 に、磁石の力でピタッとくっつけて充電できるモバイルバッテリー。

ケーブルレスで充電できる手軽さに加えて、磁石の力で常に最適な位置でワイヤレス充電できるというメリットを享受できる製品だ。

大きさは名刺サイズくらいで、片手で持てるサイズ感。背面にはサラサラとした心地よい手触りの素材が使用されていて、iPhoneの背面に装着して一緒に持ったときに異物感を感じることはない。パッとみた感じはシリコン素材のように見えるが、爪で叩くとコンコンと音がするため、おそらくプラスチック素材が使用されているものと思われる。

iPhoneに装着する側には、見慣れた円状のマグネット機構が配置されている。この部分を、iPhoneの背面にピタッと装着して使用する。

純正アクセサリということで、マグネットの磁力はかなり強め。装着した状態で上下に振っても簡単に落ちることはなかった。ちょっと強めにチョップしたときにようやくはたき落とせるレベルの吸着力なので、相当ガサツに扱わなければ落っことすことはないだろう。

MagSafe対応のケースを使用している場合は、ケースを外すことなく本製品を装着できる。ただし、レザーケースを装着した状態で本製品を装着すると、MagSafeの丸型の跡が残ってしまうことがあるため、レザーケースを綺麗に使いたい場合はケースを取り外して使うことをオススメする。

もちろんだが、iPhoneの背面カメラに干渉しないつくりになっている。超広角レンズ使用時でもバッテリーパックが写り込まないのも地味に重要なポイントだ。

バッテリーパックの本体下部にはLightningポートが搭載されていて、ここにLightningケーブルを挿すことで、MagSafeバッテリーパック自体を充電できる。

ちなみに、Appleは20W出力以上の電源アダプタを使って充電することを推奨している。20W出力未満の電源アダプタを使用すると充電スピードが遅くなるとのこと。

また、のちほど詳しく紹介するが、20W以上の電源アダプタにUSB-C – Lightningケーブルを使って本製品を接続することで、最大15W出力のMagSafe充電器としても使用することも可能。つまり、本製品の力を最大限に引き出したい場合は、20W以上の電源アダプタを別途用意することを筆者としてはオススメしたい。

iPhone 12 miniに装着

本製品は、iPhone 12シリーズの全モデルで使用できるように設計されており、iPhone 12 miniの背面にピッタリ合うように作られている。

上記写真はiPhone 12 miniの背面に装着した様子だが、背面からはみ出ないようなサイズ感になっていることがお分かりいただけると思う。

iPhone 12 Proの背面に装着すると以下の写真のようになる。iPhone 12 Proよりも少し小さいこともあって、サイズがピッタリじゃないのがちょっと気になるところで、できれば専用サイズのものが欲しかった。

iPhone 12 Proに装着

MagSafeバッテリーパックの重量は115g。タマゴ2個分、あるいは文庫本よりも少し軽い程度なので単体での持ち運びはとても簡単だ。

ただし、iPhoneにくっつけるとやはりズッシリと重く感じることも。たとえばiPhone 12 miniの重量は133g。これにMagSafeバッテリーパックを装着すると248gとなり、普段の2倍くらい重くなった感覚がある。

さらに、iPhone 12 Pro Maxの場合はバッテリーパックとセットにすると341gで、350mlの缶ビールとほぼ同じ重さになる。もちろん持てないほど重くなるわけではないが、普段から同製品を装着して歩くのはちょっぴり辛く感じる人もいそうだ。

なお、以前のSmart Battery Caseのように、ワイヤレス充電器をつかってケースとiPhoneを同時充電するという芸当はできないため、Smart Battery Caseの完全上位互換とは言えない製品ではあるものの、とはいえ着脱が簡単、かつ、いつでもケーブルレスで充電できるというのはそれなりにメリットがあると、筆者は感じている。

MagSafeバッテリーパックの使い方

MagSafeバッテリーパックは、iPhoneにピタッとくっつけてワイヤレス充電できるという、見た目的にも分かりやすい特徴を持つ製品だが、実際にはいくつか機能が用意されていて、使い方はちょっぴり複雑。すこし本製品の使い方を解説しておきたい。

① iPhoneをワイヤレス充電 (通常5W)

iPhoneの背面にMagSafeバッテリーパックをピタッと装着。これがMagSafeバッテリーパックの基本的な使い方となる。MagSafeバッテリーパックからiPhoneに、ワイヤレスで電力を供給する。

このときのワイヤレス充電の出力は最大5W。充電スピードはあまり早くはないため、いくらか充電するにはしばらくiPhoneにMagSafeバッテリーパックを装着し続ける必要がある。

② 最大15W出力でiPhoneをワイヤレス充電する方法

もっと早く充電したい場合は、iPhoneの背面にMagSafeバッテリーパックを装着した状態で、20W以上の電源アダプタとUSB-C – LightningケーブルをMagSafeバッテリーパックに接続する。

この充電方法では、最大15W出力でiPhoneをワイヤレス充電できるだけでなく、MagSafeバッテリーパック本体も同時に充電できる。カフェなどで電源のある場所を見つけたら、2台のデバイスを同時に高速充電できるこの方法が便利だろう。

③ リバースワイヤレス充電でMagSafeバッテリーパックをiPhoneで充電

MagSafeバッテリーパックは、iPhone 12シリーズと接続することでリバースワイヤレス充電 (双方向ワイヤレス充電) が利用できる。

iPhoneにMagSafeバッテリーパックをくっつけた状態で、iPhoneにLightningケーブルを挿し込んで充電すると、iPhoneを充電しながら、同時にiPhoneからMagSafeバッテリーパックにもワイヤレスで電力供給することができる。

有線でCarPlayに接続したり、MacでiPhoneのバックアップを取るなど、iPhoneを別のデバイスに接続する必要があるとき、MagSafeバッテリーパックもついでに充電できて便利だ。

④ AirPodsやAndroidデバイスもワイヤレス充電可能

MagSafeバッテリーパックはQi規格に対応したワイヤレス充電器としても利用可能。実際にAirPods Proやワイヤレス充電対応ケースのAirPods(第2世代)を充電してみたところ、きちんと充電できることが確認できた。

今回は検証できていないが、Qi規格に対応したAndroidデバイスなども充電できるとのこと。覚えておけば、これらのデバイスの急なバッテリー切れにも対処できるはずだ。

⑤ おまけ:iOSウィジェットでバッテリー残量を確認できる

MagSafeバッテリーパックのバッテリーが無くなったことも分かる

MagSafeバッテリーパックのバッテリー残量は、iPhoneで視覚的に確認することが可能。

MagSafeバッテリーパックをiPhoneに接続すると、バッテリーウィジェットにMagSafeバッテリーパックのバッテリー残量が表示される仕組みになっている。

他のサードパーティ製品にはない機能なので、Apple純正アクセサリならではと言えるだろう。

MagSafeバッテリーパックで実際にiPhone 12を充電してみた

MagSafeバッテリーパックの詳しい仕様について紹介したところで、ここからは実際に使ってみた様子についてお伝えしていく。

まずは、MagSafeバッテリーパックのバッテリー性能について確認しておきたい。

MagSafeバッテリーパックのバッテリー容量は1460mAh (7.62V/11.13Wh)。これに対して、iPhone 12シリーズのバッテリー容量は2,227〜3,687mAh。

各製品のバッテリー容量
製品名 バッテリー容量
MagSafeバッテリーパック 1,460mAh
(7.62V/11.13Wh)
iPhone 12 mini 2,227mAh
iPhone 12 2,775mAh
iPhone 12 Pro 2,775mAh
iPhone 12 Pro Max 3,687mAh

MagSafeバッテリーパックのバッテリー容量が異常に少なく見えるが、これは電圧に違いがあるためで、細かくは割愛するが実際には3,000mAhくらいのバッテリー容量があることになる。

ただし、ワイヤレス充電は電力伝送にある程度のロスが発生することを踏まえると、ほぼすべてのモデルがフル充電できないことになる。

MagSafeバッテリーパックで 「iPhone 12 Pro」 を充電

まずはiPhone 12 ProにMagSafeバッテリーパックを装着して、5W出力でワイヤレス充電したときに、15分おきにバッテリー残量をチェックしてみた。

5W出力でiPhone 12 Proを充電
経過時間 iPhone 12 Pro
バッテリー残量
MagSafeバッテリーパック
バッテリー残量
0:00 9% 100%
0:15 21% 92%
0:30 30% 77%
0:45 39% 62%
1:00 48% 50%
1:15 56% 35%
1:30 63% 17%
1:45 72% 3%
2:00 75% 0%

計測結果は上記のとおりで、15分で約8〜9%くらいの速度で充電できていることが確認できた。

また、充電開始から1時間45分〜2時間の間にMagSafeバッテリーパックのバッテリー残量が0になってしまったようで、75%で充電がストップしてしまっていた。

MagSafeバッテリーパックはiPhone 12 Proを66%分しか充電できないことが判明。この結果から、MagSafeバッテリーは、iPhoneのバッテリーを回復するというよりも、持続時間を伸ばす側面が強い製品と言えるかもしれない。

MagSafeバッテリーパックで 「iPhone 12 mini」 を充電

ジーンズのポケットに入れる際には外れないように注意が必要

次に、iPhone 12 miniにMagSafeバッテリーパックを装着して5Wでワイヤレス充電してみた。

5W出力でiPhone 12 miniを充電
経過時間 iPhone 12 mini
バッテリー残量
MagSafeバッテリーパック
バッテリー残量
0:00 2% 100%
0:15 13% 92%
0:30 24% 78%
0:45 35% 63%
1:00 46% 49%
1:15 57% 34%
1:30 67% 18%
1:45 77% 4%
2:00 80% 0%

上記が計測結果で、およそ15分ごとに約9〜11%充電できていたことが確認できた。

計測開始から2時間後には、MagSafeバッテリーパックのバッテリー残量が0%になってしまい、充電は80%でストップ。

iPhone 12 miniはiPhone 12 Proよりも搭載バッテリーの容量が少ないため、回復量(%)は多かったが、やはりMagSafeバッテリーパックのバッテリー容量ではフル充電まではできないようだ。

20W以上の電源アダプタを使ってiPhoneを15Wワイヤレス充電

5Wでのワイヤレス充電を検証したところで、次は15WのMagSafe高速充電を試してみる。

iPhone 12 ProにMagSafeバッテリーパックをくっつけた状態で、20W以上の電源アダプタとUSB-C – Lightningケーブル経由でMagSafeバッテリーパックに給電。15W出力のワイヤレス充電を試してみた。

15W出力でiPhone 12 Proを充電
経過時間 iPhone 12 Pro
バッテリー残量
MagSafeバッテリーパック
バッテリー残量
0:00 10% 0%
0:15 28% 14%
0:30 46% 27%
0:45 61% 39%
1:00 74% 55%
1:15 86% 75%
1:30 96% 90%
1:45 100% 100%

結果は上記のとおり。5Wワイヤレス充電のときよりも、時間あたりのバッテリーの回復量が増えていることが確認できる。早くiPhoneを充電したいときには、やはり15Wワイヤレス充電が便利 (有線の方がもっと早いというツッコミはなしの方向で!) だ。

ただし、充電スピードが早いのは60%くらいまでで、そこからは緩やかに充電スピードが落ちていることが確認できる。充電スピードが落ちた理由については不明だが、このときMagSafeバッテリーパック本体を触ってみたところ、すこし熱を帯びていたことから、おそらく安全性考慮のためワイヤレス充電の出力を下げられたのではないかと筆者は予想する。

ちなみに、MagSafeバッテリーパックのバッテリー残量を0にした状態でiPhoneに装着し、MagSafeバッテリーパックに20W以上の電源アダプタを使って給電してみたところ、iPhoneを充電しながらMagSafeバッテリーパックも充電することができた。

このとき、MagSafeバッテリーパックが優先して充電されていたようで、15分で約20%の急速充電が行われていた。iPhone 12 Proはバッテリー残量は75%の状態から充電し始めたこともあり、5W出力で充電したときと同じくらいの充電スピードになっていた。

リバースワイヤレス充電

最後に、注目のリバースワイヤレス充電機能をチェック。

iPhone 12シリーズは、発売当初からリバースワイヤレス充電機能が搭載されていることが明らかになっていたが、まさかMagSafeバッテリーパックでアンロックされるとは思いもしなかった。おそらく注目しているユーザーも多いのではないだろうか。

検証は、MagSafeバッテリーパックのバッテリー残量がゼロ、iPhone 12 Proのバッテリー残量が30%の状態からスタートした。

検証の結果、iPhone 12 Proのバッテリー残量が80%を上回るころにMagSafeバッテリーパックの充電が開始された。

この仕様についてはAppleが公式サポートで明らかにしていることで、iPhoneのバッテリーが80%を上回るまで充電が始まらないことがあるという。iPhoneのバッテリーが十分にない状態でMagSafeバッテリーパックを充電する意味があまりないため、こういった仕様になっていると思われる。

なお、バッテリーの充電速度はそこまで早くはなく、フル充電に達するまで5時間以上かかった。Appleが意図的に出力を下げているのかは不明だが、日常で使うような実用的な機能とはやや言えず、Appleの案内どおり、有線でCarPlayに接続したり、MacでiPhoneのバックアップを取るときなど、iPhoneを別のデバイスに有線接続するときに便利な機能と言えるだろう。

MagSafeバッテリーパック:レビューまとめ

MagSafeバッテリーパックは、ワイヤレスモバイルバッテリーとして使えるだけでなく、20W以上の電源アダプタに接続することで、15W出力の高速ワイヤレス充電器としても使える便利アイテムだ。

iPhoneに装着した状態でも本体のバッテリーを充電でき、さらにiPhoneからの逆ワイヤレス充電に対応しているなど、どんな状況でもスマートに使える点は、さすが純正アクセサリといったところ。

バッテリー容量が少なめでiPhoneのフル充電ができないなどの物足りない部分はあるものの、iPhoneのバッテリー持続時間を伸ばすことができる上に、途中で電源アダプタから少しでも給電できれば、さらに長く使うこともできる。

iPhoneをガッツリ充電できるモバイルバッテリーというよりは、ユーティリティーさを兼ねそろえたバッテリー延長アイテムと考えて使うのが最も適しているのではないだろうか。

個人的に、本製品はiPhone 12 miniを使用するユーザーに最もオススメ。iPhone 12 miniはバッテリー容量が少ないので駆動時間が他モデルよりも短かく感じることがある。さらにデバイスサイズともあう上に、iPhone 12 mini自体が小さいのでバッテリーパックと同時に持った時に邪魔になりづらいからだ。

こうしてiPhone 12 miniに装着して持ってみると、なぜAppleはそれぞれのデバイスにあったバッテリーパックを開発しなかったのだろうと、ちょっとした疑問も感じてしまった。

iPhone 12 ProとiPhone 12はサイズがほぼ同じなわけだから、コストも多少抑えられるはず。6.1インチモデルに合うように少し大きめのバッテリーパックが欲しかったと思いつつ、筆者はiPhone 12 miniとセットで今回のMagSafeバッテリーパックを使うことにしようと思う。

MagSafeバッテリーパックは11,800円(税込)で販売中。購入は、Apple公式サイトやAmazonなどで可能だ。

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※iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※App Store、AppleCare、iCloudは、Apple Inc.のサービスマークです。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。