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大幅に値下がりしたMeta Quest Proを初体験。仕事やプライベートで活用の可能性を見出したハイエンドHMD

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MetaのスタンドアローンVRヘッドセット 「Meta Quest Pro」 。もともと 「Project Cambria」 というコードネームのもと開発が行われていたが、昨年10月に 「Meta Quest」 シリーズの最上位モデルとして発売した製品だ。

Meta Quest Proには、Meta Quest 2の特徴に加えて、空間オーディオや表情トラッキング、MR、高解像度のフルカラーパススルーなど、さらに高度な技術が搭載されており、より高い没入感が得られる機能が多数搭載されている。

今回、筆者はMetaの東京オフィス内にあるデモルームにご招待いただき、Meta Quest Proを試すことができた。実際に使ってみると、Meta Quest Proはプライベートはもちろんのこと、ビジネス用途として大きな可能性を秘めたデバイスであると感じた。本稿では、その際の感想をレポートしたいと思う。

なお、Meta Quest Proは今年3月15日に大幅値下げを行なっている。また、販売チャネルも4月3日からMetaのオンラインストアだけでなく、Amazon.co.jpなど正規販売パートナーのECサイトに拡大する予定だ。

Meta Horizon Workrooms

Meta Horizon Workrooms (以下、Workrooms) は、Metaが配信しているバーチャル会議室アプリ。現在はベータ版が日本を含む22カ国で提供されており、Meta Quest 2とMeta Quest Proで利用可能だ。

ユーザーはアバターとしてオンライン上の仮想空間 (VRオフィス) に参加することができ、まるでチームメンバーが現実のオフィスに集まって仕事をしているように、1つのVRオフィスの中で仕事や会議などをすることができる。チームメンバーが世界各地に散っていても、ヘッドセットを通じていつでもVRオフィスに集まることができる画期的な会議室アプリだ。

同じVRオフィス内にいる仲間たちはアバターとして表示されており、ヘッドセットのマイクを通じていつでも会話ができる。オフィスの中には複数の机が用意されており、同じ机に座ったチームメンバーと対話したり、雑談することが可能だ。

今回、このWorkroomsをMeta Quest Proで体験することができた。

Meta Quest Proを装着すると、湖と木々に囲まれた自然あふれるVRオフィスに到着。オフィスの窓から見える風景はたくさんの種類が用意されており、自分たちの好きなロケーションで仕事をすることができるとのことだ。

VRオフィスの中では、自分もチームメンバーも全員がアバターになってコミュニケーションを取ることになる。

1つ目の注目ポイントは、Meta Quest Proの表情トラッキング機能。アバターの目線や口といった顔のパーツが細かく動くことで、本当にその人と会って話をしているかのように感じられること。

人の表情は、相手が何を考えているのかが伝わるとても重要な情報だ。とりわけビジネスシーンにおいてはコミュニケーションを円滑に進めるために大事な要素となりうる。今回のデモでは、実際にReality Labsの解説担当の方もVRオフィスに入った状態で説明をしてもらっていたのだが、相手がどんな表情をしながら話しているのかがわかることで、どこか安心感を感じながら説明を聞くことができた。

Meta Quest Proでは指先のトラッキングもできるようになっていて、コントローラーを持ち続けずとも、指の動きなどを相手に伝えることができる。VRオフィス上で何かに指を差したり、身振り手振りで相手に何かを伝えることが可能だ。遠くの机に座っているアバターに手を振って合図することもできてしまう。

リアルなオフィス感を出すための工夫として、空間オーディオを活用しているところも注目ポイントのひとつ。オフィス内には複数の机が用意されていて、自由に席を移動しながら仕事することができるのだが、左側の席に座った人からの声は、きちんと左耳側から聞こえてくる。その人が向かい側の席に移動すると、今度は正面の少し離れたところから声が聞こえてくる、といった具合だ。

別の机に座った人の声はかなり遠くで話しているかのように小さくなり、何を話しているかの詳細はうまく聞き取れないが、何か話をしているんだな、と感じる程度に。ただし大きな声は聞き取れることが多いため、「お、なんだかあっちの机で盛り上がってるな」 と感じることができるはずだ。

席や机を移動することで声の音量や聞こえる位置が変わり、あちこちからチームメンバーの声がしているというのは、まさに現実のオフィスそのものの風景だ。

オフィスにはホワイトボードが用意されており、チームメンバーが会議などで意見をまとめるために、Meta Quest Touch Proコントローラーを使って自由に文字や図を書き込むことができる。

コントローラーをペンモードにすると、自分の机の手元に液晶ペンタブレットのようなスペースが用意される。コントローラーを鉛筆のようにもち、この中に書き込むことで、ホワイトボードに自分が書いたものを反映させることが可能だ。

今回、筆者はリアルの机に座った状態でWorkroomsに参加したのだが、机の何もないところにコントローラーで文字を書いているにも関わらず、コントローラーの微細な振動などによって、まるで本物の紙に書いているかのような感覚で文字を書き込むことができた。

Arkio

次に体験したのは、VR空間の中で建物や都市計画などの3Dデザインを行うことができるデザインツール 「Arkio」 。ユーザーは、Workroomsと同じようにアバターを介してVR空間に参加することができ、複数人のユーザーで協力・相談しながら同時にプロジェクトの構想を練ることができるツールだ。

今回のデモでは、VR空間の中にミニチュアの都市のようなものが置かれていて、その都市を色々な目線で見てみたり、壁や木といったオブジェクトを自由に置くという体験をすることができた。

都市構想などをするためのツールということもあり、ユーザーは自由に目線を変えながら都市を見ることができる。空から都市全体を俯瞰してみる (解説担当の方いわく 「神の目線」 ) のはもちろん、地上からビルなどの建物を見上げるなど、実体験に近い感覚で都市を見ることも可能だ。

コントローラーを持ったまま手首を自分に向けるようにすると、パレットのようなものが出現し、木や壁といった様々なオブジェクトを自由に配置できる。指でピンチしてサイズを変更し、コントローラーで置く位置を決定すればオブジェクトが配置される仕組みだ。

ヘッドセット外部中央にあるフルカラーのパススルーカメラを利用して、現実世界を見ることができる窓のようなものも配置できる。この機能を利用すれば、現実の部屋の中に家具を配置してデザインや大きさなどをチェックするといった使い方もできるため、部屋の改装などのアイデアを練ることにも使えそうだ。

Arkioを本格的に使うユーザーは、おそらく建築関係の仕事をしている人などに限られるとは思うが、直感的にオブジェクトを置いて都市や部屋のデザインを考えることができる体験はVRヘッドセットならではの体験と言えるだろう。

特にMeta Quest Proはフルカラーのパススルーカメラが搭載されているため、現実世界の部屋を使うことができるのが特徴。ただし、現実世界を見ることができる窓は、部屋が暗いと少し見えづらくなってしまうため、できるだけ明るい部屋で実施した方が良さそうだ。

The World Beyond

最後に、MRデモコンテンツ 「The World Beyond」 をプレイすることができた。

「The World Beyond」 は、もともとMeta Quest Pro向けに開発されたMRデモコンテンツで、周囲の様子をフルカラーで映し出すことで、VRとARを同時に表示するMR (複合現実) が楽しめるというものになる。

現実世界と仮想空間を同時に表示させる体験はArkioでも一部体験することができたが、The World Beyondは開発者がMRのコンテンツを構築するインスピレーションを得るためのテクニカルデモとなっており、よりMR体験にクローズアップしているのが特徴だ。

本コンテンツには 「Oppy」 という可愛らしいキャラクターが登場し、ツールなどを使って彼と交流することが目的となっている。

コンテンツをスタートすると、まずはパススルーカメラによってリアルの周囲の様子が映し出される。ぐるぐると周囲を見回していると、部屋の中に突如として魔法の懐中電灯が出現するので、それを入手してデモがスタートだ。

このとき、現実世界の部屋の中に、魔法の懐中電灯というVRオブジェクトが出現し、ユーザーはそれらがミックスされたものをMeta Quest Proを通じて見ている状態となる。

懐中電灯を使ってエネルギーボールを探すとOppyと出会うことができ、見つけたエネルギーボールをOppyに与えると交流できるようになる。

Oppyとはボイスコマンドを使って遊ぶことができ、筆者が 「ジャンプ!」 と言うと、Oppyが反応してジャンプしてくれていた。Oppyに近づいて撫でることも可能だ。

懐中電灯を部屋の壁や天井に向けると、壁や天井を別の風景に変えることができる。実際にMeta Quest Proを装着して体験していると、部屋の壁がなくなって突然広い空間が目の前に現れるような感覚だ。

前後左右の壁を別の風景に変えると、奥の方に宇宙船があるのが発見できる。この状態でOppyにさらにエネルギーオーブを与えると、Oppyが宇宙船に乗って宇宙に帰り、壮大な音楽とともにデモは終了となる。

The World Beyondはあくまでテクニカルデモということで、このデモを使って何かをすることはできないのだが、Meta Quest Proのパススルーカメラの高い性能を活かし、高品質なMRコンテンツを体験することができる。Meta Quest Proを購入したら、ぜひ体験してもらいたいコンテンツのひとつと言えるだろう。

まとめ

今回は、Meta Horizon WorkroomsとArkio、The World Beyondの3つのアプリを通して、Meta Quest Proの特徴である空間オーディオや表情トラッキング、MR、高解像度のフルカラーパススルー機能などを体験することができた。

VRヘッドセットはゲーム用途のイメージが強いかもしれないが、一方でMeta Quest Proにはどちらかというとビジネスにも利用できる機能が多く搭載されている。特に、今回体験したMeta Horizon WorkroomsとArkioは共同作業に対応したアプリということで、Meta Quest Proの機能をフルに使って複数人で作業できる仕組みが整えられていた。

ここ数年で一気にオンライン会議や在宅勤務を導入する企業が増え、会社に出社しなくても働くことができる環境が整えられたものの、おなじ職場の仲間たちとのコミュニケーション不足の問題を指摘する声もある。

Meta Quest Proの機能を活かせば、オンライン上であっても、同じ仕事場の仲間と現実に近い形でスムーズなコミュニケーションを取ることができる。これからの時代における新しい働き方を確立することができるはずだ。

また、Meta Quest Proは、発売当初は20万円強で販売されていたものの、3月15日から新たに159,500円(税込)の新価格で購入できるように。6.7万円の大幅値下げとなったことで、かなり購入しやすくなった。

もしMeta Quest Proを活用した新しい作業環境に興味があるなら、ぜひこの機会に導入してみてはどうだろうか。

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(画像提供:Meta)

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。