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【レビュー】10.5インチ「iPad Pro」スペースグレイモデル ベゼルが狭く大画面化、リフレッシュレート120Hzで画面描写がヌルヌルに

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今月6日、Appleは「WWDC 2017」の基調講演で新型10.5インチ「iPad Pro」を発表。すぐに予約受付を開始し、そして6月13日に販売を開始した。

今回新たに販売が開始された10.5インチ「iPad Pro」は、従来の9.7インチ「iPad Pro」をアップグレードしたモデルで、デザインに大きな変更はほとんどないが、ベゼルが狭くなり、画面が0.8インチだけ大型化した。

そのほか、プロセッサやGPU性能を向上させ、名前の通り「プロ向け」の端末へと昇華した。僕も今回の10.5インチ「iPad Pro」にとても興味があったので、予約開始と同時に注文。本日午前中に自宅に届いたので、早速使用してみた。

当記事では、10.5インチ「iPad Pro」のファーストインプレッション、そして半日程度だが実際に使ってみた感想をお届けしようと思う。先に言っておくが、10.5インチ「iPad Pro」はスゴいです。

10.5インチ「iPad Pro」、従来モデルからの外見上の変化はかなり乏しい

上記左のパッケージが10.5インチ「iPad Pro」のもの。比較として右に9.7インチ「iPad Pro」のパッケージを並べて撮影した。

今回はカラーモデルによってパッケージの壁紙が異なるらしい。僕はスペースブラック/256GB・Wi-Fiモデルを購入したので、エメラルドな海岸が描かれていた。美しい。

中を開けると、10.5インチ「iPad Pro」が鎮座。本体の他には、充電器(出力は10Wから12Wにアップグレード)とLightningケーブルが同梱されていた。

10.5インチ「iPad Pro」の最大の特徴は、ベゼルを狭くしたことで画面サイズが大きくなったこと。端末サイズは一回り程度大きくなったが、ベゼルが少なくなったことで、むしろ全体的にスリムになった印象を受ける。

従来モデルと比較すると一目瞭然。左が9.7インチ「iPad Pro」で、右が10.5インチ「iPad Pro」。

一見するとそこまで差はないようにも見えるが、よくよく見るとベゼル幅は半分以下になっており、端末端まで画面領域が拡大。画面が広く、作業しやすくていい感じだ。

一時はホームボタンの廃止も噂されていたが、いざ蓋を開けてみるとホームボタンは引き続き搭載。ただし、あとで触れるが「Touch ID」は第2世代のものが搭載された関係で、指紋の読み取りはかなり早くなった。

おかげで、普段のロック解除やApple Payでの支払いなどが今まで以上にスムーズに。個人的にはパスワード管理アプリ「1Password」の起動時に指紋認証で引っかからなくなったのが地味に嬉しかった。

背面を撮影した様子はこちら。背面デザインは従来モデルからほとんど変更はなく、マイクの位置が端末上部と背面上部に移動になったくらいで、大きな変更点はほぼない。

スピーカーも今まで通り、端末四隅に配置。サラウンドな音質が部屋全体に響き渡るほどのパワーを持つ。本格的に音楽を聴きたいならワイヤレススピーカーなどが欲しいところだが、それらがなかったとしても迫力のある音質で音楽を聴けるところが「iPad Pro」の良いところでもある。ちなみに、音質は高音強め低音弱め。

背面カメラの大きさが地味に変化 性能も向上

10.5インチ「iPad Pro」の背面カメラは以前の9.7インチモデルに比べると若干大きくなった。といってもそこまで劇的に大きくなったわけではなく、隣に並べてみたときに初めて気付く程度で、さほど重要な変更ではない。

むしろ気になるのは、相変わらずのカメラの出っ張り。このカメラの出っ張りは、iPhoneやiPadシリーズでは当たり前になりつつあることから、違和感はすでになくなっているが、やはり気になるという人もいるだろう。僕も全く気にならないと言えば嘘になる。

今回も残念ながら本体から数mm程度カメラが出っ張ってしまっており、今後も改善される可能性は低そうだ。

ただ、その代わりカメラの性能は着実に向上しているのが憎いところ。背面カメラの開口部はƒ/1.8に変更されたことで、暗い場所でも明るい写真が撮りやすくなった。iPadの場合は室内でカメラを構えることが多いため、明るさが十分でなくても綺麗な写真が撮れるように。

また、内向きカメラ(FaceTimeカメラ)に関しては700万画素に向上。1080pでの動画撮影も対応したことから、より綺麗なビデオチャットを楽しむことができるようになった。使っている本人が体感しづらいのが少々残念ではあるが。

ちなみに、背面カメラが出っ張っているせいで、机の上に置いた時などレンズに傷がつくのではないかと心配している人もいるかもしれないが、そこはご安心を。

「iPad Pro」シリーズのカメラにはサファイアクリスタルのレンズカバーが使われているので、ちょっとやそっとのことでは傷がつかないようになっている。僕は1年以上、9.7インチ「iPad Pro」をケースなしで使用したが、傷は一切ついていない。

また、机などの平面に「iPad Pro」を置いて使用しているときに、カメラの出っ張りが原因で本体がガタガタすることもなし。「Apple Pencil」を使ってイラストを描いているときや、リズムゲームを遊んでいるときにイライラすることはないはずだ。

処理性能は従来モデルから最大80%向上

10.5インチ「iPad Pro」には、「iPhone 7」シリーズで採用された「A10 Fusion」の改良版である「A10X Fusion」プロセッサが搭載されている。

これによって、処理性能は従来よりも大幅に向上。特にマルチタスクをこなす際に真価を発揮することが明らかになっている。

実際どれほど性能が向上したのか。僕の方で「Geekbench 4」によるベンチマークスコアを計測してみた。

比較するのは9.7インチ「iPad Pro」。昨年3月に発売した当時のベンチマークスコアはシングルコアスコアが3072、マルチコアスコアが5243だった。

そして、お次は10.5インチ「iPad Pro」。計測した結果はシングルコアスコアが3928、マルチコアスコアが9250と、昨年に比べて最大1.8倍もの性能差がつけられていることが判明。搭載されているRAMは4GBと従来比較で容量が2倍に。

  10.5インチ「iPad Pro」(2017) 9.7インチ「iPad Pro」(2016)
シングルスコア 3928 3072
マルチスコア 9250 5243

さらに、グラフィック性能も従来モデル比較で80%も向上するなど、全体的に性能が向上していることが判明。3Dゲームなどの高負荷がかかるゲームをプレイしても、全く問題なさそうに動作していた。もしかすると、iPadだけで重い動画編集をマルチタスクしながらできるようになっているのかも。

これほど性能が高くなっている理由は、「iOS 11」を見越した性能になっているからだろう。実際のところ、現状の「iPad Pro」と「iOS 10」の組み合わせでは若干オーバースペックに近い。

「iOS 11」ではマルチタスクを基本として、ドラッグ&ドロップなどの新機能が多数利用できるようになる予定であることがアナウンスされている。今年の秋の正式リリースが楽しみだ。

画面のリフレッシュレートが60Hzから120Hzに 画面がヌルヌル動いて快適すぎる

10.5インチ「iPad Pro」のもう一つ最大の特徴。それは画面のリフレッシュレートが60Hzから最大120Hzにアップグレードした点だ。

この”リフレッシュレート”という言葉、少々聞き慣れない言葉だと思うので若干補足しておこうと思うのだが、要は画面表示の滑らかさに関係する数字。数字が大きければ大きいほど、画面がヌルヌルと動くという認識で大丈夫だと思う。

厳密に言えば「1秒間に何回、画面表示が更新されるか」という指標。60HzだったiPadシリーズが、新型「iPad Pro」で120Hzになったことから、2倍滑らかになったというわけだ。

実際に、10.5インチ「iPad Pro」を触ってみるとよく分かるのだが、ホーム画面の切り替えやアプリの起動など全てがヌルヌルとした描写に変化。さらに、Safariで見ているページをスクロールした時に動いている文字を視認できる。これは、最新の「iPhone」シリーズでさえ体感することができないことだ。

まだ動画やアプリはヌルヌルを体感できる機会は少ないが、今後は120Hzの高リフレッシュレートを最大限に活かせるコンテンツが増えてくるのではないかと期待。

新型「iPad Pro」が、最大120Hzのリフレッシュレートに対応した理由は、「Apple Pencil」の反応速度を高めるためでもある。実際に、Apple Pencilで文字や絵を描くと、今までになかったほどの滑らかさで描くことができるように。

今までも「Apple Pencil」の反応速度に対して問題を感じたことはなかったが、新型「iPad Pro」でApple Pencilを経験してしまったら、おそらく旧型モデルに戻ることができないだろう。ちょっとしたメモもApple Pencilでサラッと書くようになれば、いよいよ紙によるメモ書きは必要なくなるのかもしれない。

ちなみに、「iOS 11」ではApple Pencilでロック状態の「iPad Pro」をタッチすると、すぐにメモが開けるようになる。気になったことをすぐにメモ書きできるようになるので、「iPad Pro」with「Apple Pencil」の連携が最強になるのでは、と個人的には期待している。

「Touch ID」が第2世代に ソリットステートホームボタンにして欲しかった感も

現在、Appleが販売を行っているiPadシリーズには、全てのモデルのホームボタンに指紋認証を行うための「Touch ID」が搭載されているが、どのiPadも搭載されている「Touch ID」はいわゆる第1世代のもの。精度や認証速度は「iPhone 6s」シリーズから搭載され始めた第2世代より劣っていた。

しかし、今回発売された10.5インチ「iPad Pro」ではついに第2世代の「Touch ID」が搭載されることとなり、指紋認証は爆速に。

実際に「iPhone 6s」以降のiPhoneを触ったことがある人なら分かるとは思うのだが、ホームボタンに触った瞬間には認証が完了してしまうことが当たり前。最近では指紋認証に不満を感じている人も少ないのではないだろうか。

ただ、できれば個人的には物理式のホームボタンではなく、「iPhone 7」シリーズで採用されたソリットステートボタンを採用して欲しかった気もする。というのも、どうしてもホームボタンは押す回数が多いので、長期間使うと効きが悪くなったり、故障しやすいからだ。

最近のホームボタンは昔に比べるとかなり丈夫になった気もするが、押した感触を「Taptic Engine」が再現するソリッドステートボタンの耐久度は物理式のボタンに比べるとかなり高い。そういう意味ではソリッドステートボタンというチョイスもありだったのでは、と少し感じている。

まとめ 期待は今年の秋にリリース予定の「iOS11」

以上が、10.5インチ「iPad Pro」のファーストインプレッションと使用感まとめ。

端末サイズは若干大きくなったものの、処理性能や画面表示などあらゆる面で着実な進化が施されているのは間違いない。画面のリフレッシュレートが最大120Hzになったり、処理性能が従来モデルから80%向上するなど、例年のアップグレード以上の進化を体感することができた。

問題は、10.5インチ「iPad Pro」は買うべき端末なのかどうか。結論から言えば、僕は買うべきだと答えたいところだが、9.7インチモデルから劇的な変化があったわけではないため、すでに9.7インチ「iPad Pro」を購入してしまった人が買い換える必要は必ずしもないと思う。

また、個人的には10.5インチ「iPad Pro」はベゼルが狭くなることで若干使いづらくなるのでは、と心の片隅で懸念していたのだが、実際はそんなこともなく、手に馴染むサイズ感で最高のタブレットであることが判明。もし、9.7インチ「iPad Pro」よりも前の端末を持っているのであれば、ぜひ購入を検討していただきたいところだ。

さらに、iPadは今後間違いなく使いやすく、便利になる。理由は、iPad向けの機能が大幅に拡充される「iOS 11」のリリースが今秋に控えているから。

すでにその芽は10.5インチ「iPad Pro」に隠されており、開花は今年の秋と間もなく。もしiPadの購入を考えていて、いつ買うべきか悩んでいるのなら、2017年秋までに購入するかどうか決めた方がいいかもしれない。

▶︎ Apple公式サイトで各種「iPad」製品をチェック
 ・iPad Pro (11インチ / 12.9インチ)
 ・iPad Air
 ・iPad mini
 ・iPad (10.2インチ)
▶︎ Apple公式サイトで「iPadアクセサリ」をチェック
 ・Apple Pencil (第2世代) / Apple Pencil (第1世代)
 ・ケース&プロテクター / イヤホン / その他
▶︎ 「iPad」をAppleの学生・教職員向けストアで購入

ちなみに、10.5インチ「iPad Pro」の発表と同時に、12.9インチ「iPad Pro」も新型モデルが投入されている。この12.9インチモデルと10.5インチモデルにはディスプレイサイズ以外に大きな違いはないため、どちらを買うかは単純に大画面が欲しいかどうかを悩めばいいだけだ。

個人的にはベゼルが狭くなってスマートになった10.5インチをオススメしたいが、あとはお好きな方をチョイスしていただければと思う。比較記事も公開しているので、気になる方はこちらからどうぞ。

  10.5インチiPad Pro (2017) 12.9インチiPad Pro (2017)
ディスプレイ Retina ディスプレイ
耐指紋性撥油コーティング
フルラミネーションディスプレイ
反射防止コーティング
広色域ディスプレイ(P3)
True Toneディスプレイ
ProMotionテクノロジー
ディスプレイサイズ 10.5インチ 12.9インチ
解像度 2,224 x 1,668 (264ppi) 2,732 x 2,048 (264ppi)
プロセッサ A10X Fusionプロセッサ
M10モーションコプロセッサ
外向きカメラ 12Mピクセル(1,200万画素)
F値:1.8
クアッドLED True Toneフラッシュ
Live Photos
Focus Pixelsを使った
オートフォーカス
パノラマ(最大63Mピクセル)
サファイアクリスタル製レンズカバー
ビデオ撮影 4K HDビデオ撮影(30fps)
1080p HDビデオ撮影(30fpsまたは60fps)
720p HDビデオ撮影(30fps)
1080p(120fps)および720p(240fps)スローモーションビデオに対応
映画レベルのビデオ手ぶれ補正
連続オートフォーカスビデオ
内向きカメラ 7Mピクセル(700万画素)
F値:2.2
Retina Flash
1080p HDビデオ撮影
自動HDR
自動手ぶれ補正
センサー Touch ID(第2世代)
3軸ジャイロ
加速度センサー
環境光センサー
気圧計 
スピーカー搭載数 4
通信 Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac
MIMO対応
Bluetooth 4.2
バッテリー

ビデオ / オーディオ再生 : 最大10時間

インターネット利用
Wi-Fi : 最大10時間
4G LTE : 最大9時間

本体サイズ 250.6 × 174.1 × 6.1 mm 305.7 × 220.6 × 6.9 mm
重量 Wi-Fiモデル:469g
 Cellularモデル:477g
Wi-Fiモデル:677g
Cellularモデル:692g
カラー シルバー
ゴールド
スペースグレイ
ローズゴールド
シルバー
ゴールド
スペースグレイ
価格 Wi-Fiモデル
64GB:69,800円
256GB:80,800円
512GB:102,800円

Cellularモデル
64GB:84,800円
256GB:95,800円
512GB:117,800円

Wi-Fiモデル
64GB:86,800円
256GB:97,800円
512GB:119,800円

Cellularモデル
64GB:101,800円
256GB:112,800円
512GB:134,800円

▶︎ 10.5インチ / 12.9インチ「iPad Pro」の予約・購入は以下の公式オンラインショップから!24時間受付中!

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Apple、Appleのロゴ、Apple Pay、Apple Watch、FaceTime、GarageBand、HomePod、iMovie、iPad、iPhone、iPhoto、iSight、iTunes、Retinaは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
※iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※App Store、AppleCare、iCloudは、Apple Inc.のサービスマークです。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。