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【レビュー】12インチ「MacBook (2017)」ローズゴールドモデル CPUのアップグレード、第2世代バタフライキーボードでかなり快適に

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先日、Appleのデベロッパー向けイベント「WWDC 2017」で新型12インチ「MacBook (2017)」が発表。端末デザインや新機能などめぼしい変化がほとんどない同端末だが、内部のプロセッサやキーボードなど多くの箇所でマイナーアップデートが実施された。

その地味なアップデートは、12インチ「MacBook」をすでに持っている人、もしくはこれから買おうと考えている方にとって、どれほど魅力的なものだったのか。

今回のアップデートに合わせて、僕は12インチ「MacBook」の新型モデルをApple公式サイトで購入。気になる端末スペックやキーボードの使用感を含めて、同レビューで紹介していこうと思う。

外観の変更点は特になし 美しいデザインは健在

今回僕が購入したのは、「MacBook, 12-inch, 2017」のローズゴールドモデルで、メモリやプロセッサは購入時のCTOオプションで一部変更している。主なスペックは以下のとおりだ。

  • 1.3GHzデュアルコア Intel Core i5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)
  • 256GBのSSDストレージ
  • 16GB 1,866MHz LPDDR3メモリ

まずは、「MacBook, 12-inch, 2017」の外箱からご紹介。側面には「MacBook」の文字とAppleのロゴマークが、箱の正面には真横から撮影した「MacBook, 12-inch, 2017」の美しい写真が印刷されている。

早速開封してみると、中からローズゴールドカラーの「MacBook」本体が登場。Apple製品のローズゴールドカラーは、ピンク系統とはいってもかなり上品に仕上がっており、どちらかというと女性向けではあるものの、男性が使っていても特に違和感はない。

本体のデザインは、冒頭でも述べたように特に変更されていないため、2016年モデルとの違いはほとんどない。

重量は0.92kg、3本の指で持てるくらいの相変わらずの軽さ。ディスプレイサイズや解像度、本体サイズは全く同じで、USB-Cポートは相変わらず1つだけ。もし外部ディスプレイへの出力と充電を同時に行いたいのであれば、従来と同様、ポートを拡張するドックを購入する必要がある。

本体の他には、29WのUSB-C電源アダプタと2mのUSB-C充電ケーブル、そしてローズゴールドカラーのAppleロゴのステッカーが同梱。これらも従来モデルからの変更は特にない。

第7世代プロセッサ「Kaby Lake」が搭載

12インチ「MacBook」の性能は、2017年モデルになって若干向上した。

その一助を担っているのは、Intelの新プロセッサ「Kaby Lake」。2016年モデルは第6世代プロセッサ「Skylake」を搭載していたため、一つだけ世代が新しくなった形だ。

右側面には3.5mmイヤホンジャックが引き続き搭載

2017年モデルには、「m3/i5/i7」の3つのプロセッサが用意されており、どれを載せるかはユーザーが好きに選べるようになっている。

僕は今回のアップデートに伴い、「1.3GHzデュアルコア Intel Core i5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)」プロセッサを選択した。Geekbenchによるベンチマークスコアは以下のとおり。

  Intel Core i5-7U54@1.30GHz / Intel HD Graphic 615
Single-Core Score 3787
Multi-Core Score 7284
OpenCL Score 16901
Metal Score 15610

2016年モデルのベンチマーク結果と比べて、約25%〜30%程度性能が向上したことになる。またグラフィック性能もまずまずの健闘を見せており、4K解像度のディスプレイに画面出力しても余裕で作業ができるほどの性能を得ることができた。

以前のモデルも4K出力ができないわけではなかったが、時々パワー不足を感じることがあったので、やはり端末スペックの向上の影響は地味に大きかったように感じる。

ちなみに、今回僕が選んだ「i5」は厳密に言うと、「m5」に相当するプロセッサ(7Y54)で、Core iシリーズのラップトップ向けプロセッサの最下位モデルにあたる。名前こそ「i5」となっているが、一般的にイメージされる「i5」シリーズとは性能が少々異なる点に注意しよう。

さらに嬉しいことに、SSDの処理速度も大幅に向上している。SSDの性能を測ることができる「Blackmagic Disk Speed Test」で、「MacBook, 12-inch, 2017」に搭載されたSSDの性能を確かめてみた。

  2017年モデル 2016年モデル
Read 1284.2MB/s 919.5MB/s
Write 1037.8MB/s 688.1MB/s

結果は以上の通り。計測する端末によって若干の誤差はある可能性があるものの、「読み込み」と「書き込み」のいずれも40%近い性能向上がみられた。大きなデータを扱う機会が少ないため、効果を実感することはほぼないのだが、性能が良くなることは純粋に嬉しいことだ。

最大メモリ容量は8GBから16GBに

プロセッサやグラフィック性能は「Kaby Lake」への移行で、割と大きく向上した12インチ「MacBook, 2017」。しかし、これらのスペック向上よりも重要な変更点がある。それはメモリの最大搭載量の変化。

2016年モデルの時は、そもそも選ぶメモリに選択肢が設けられておらず、最大容量はデフォルトの8GBのみだった。

しかし、2017年モデルからはデフォルトの8GBの他に、16GBという選択肢が追加。これによって、複数の作業を同時に行う際の効率が上がり、12インチ「MacBook」であってもパワフルに作業ができるようになった。

しかし、メモリを8GBから16GBに増設するには、22,000円を追加で支払う必要あり。

個人的には作業効率が落ちるのを我慢するくらいだったらメモリを増やして、その分作業に集中したいと考えているため、メモリは多いに越したことはないと考えているのだが、実際のところ、メールを書いたりブラウジングをしたり、TwitterやYouTubeを見たり、音楽を聴いたりする程度であれば8GBでも問題なく使えるはず。

僕は16GBのメモリを搭載することを強くオススメしたいが、ライトに使うことを検討しているユーザーのことを考えるとマストではないとも思える。仕事などで「MacBook, 12-inch」をバリバリ使う方のためのオプションと考えたほうがいいかもしれない。

第2世代バタフライ構造キーボードでタイプが快適に

結構、マイナーなアップデートになるため、Appleは特にアピールしていないように感じるのだが、実は「MacBook, 12-inch」のキーボードは次世代のものに変更されている。

搭載されているのは、「第2世代バタフライ構造」のキーボード。これは従来の「MacBook」に搭載されていた「バタフライ構造キーボード」を改良したもので、「MacBook Pro 2016」で初めて採用された最新式のものになる。

「第2世代バタフライ構造キーボード」は、第1世代に比べてキーストロークが深くなり、ユーザーに対してリアルな打鍵感を与えることに成功。押した時に「カチッ」という確かな手応えがあり、文字を気持ちよくタイプすることができる。

第1世代バタフライ構造キーボードの浅い打鍵感は、個人的にはとても苦手だった。文字を打つ機会がとても多い僕としては、やはりある程度の深いキーストロークは重要で、「MacBook Pro 2016」を使ったあとに「MacBook 12-inch, 2015」を使うと物足りなさを感じていた。

しかし、「MacBook, 12-inch, 2017」からはキーボードが改良。メモリの最大容量が増えたことと同じくらい嬉しかった。

打鍵感は「MacBook Pro 2016」とほぼ同じ感じで、第1世代に比べて深いキーストロークでタイプ。若干「ペチペチ」という音が大きくなったような気もするが、「MacBook Pro 2016」で慣れてしまったので特に問題なし。初めて使う人は少し驚くかもしれないが、使ってくるうちにそれが当たり前になってくるので安心してほしい。

約2万円程度の値上げ 原因は為替レートか

今回の新型モデルの投入に関して、少々残念だったことがある。ほぼ全てのモデルに言えることなのだが、国内における販売価格が上昇してしまったということ。

「MacBook, 12-inch, 2017」も値上げが実施されており、従来価格に比べて約2万円程度の値上げとなった。

ストレージ容量 2017年モデル 2016年モデル
256GB 142,800円 128,800円
512GB 175,800円 158,800円

これは、おそらくドル円の為替レートが以前よりも円安方向に向かっているためで、その証拠として今回の値上げはあくまで国内のみ。米国内での販売価格は変更されていない。

性能が向上しているため文句はないものの、値上げのおかげでコストパフォーマンスもそこまで高いとは言えず。この点は少々残念だった。

ちなみに、今回のMacBookシリーズの一斉アップデートで、13インチ「MacBook Pro (2017)」のTouch Bar非搭載モデルには、128GB SSDのエントリーモデルが登場している。同モデルの価格は142,800円で、「MacBook, 12-inch, 2017」の256GBモデルと同じ価格。ストレージ容量以外は「MacBook Pro」のエントリーモデルの方が優秀だ。ディスプレイも「MacBook Pro」の方が1インチ大きい。

ただし、その代わりに「ゴールドモデル」と「ローズゴールドモデル」が存在しないなどのデメリットもある。もちろん、コンパクト性や重量に関しては「MacBook」の方が上だ。

同じ価格帯の「MacBook」と「MacBook Pro (Touch Bar非搭載モデル)」、コストパフォーマンスを取るか、それともコンパクト性やカラーなどを好むのか。どちらを選ぶかどうかはユーザー次第。

同レビューを読みに来ていただい方なら、おそらく12インチ「MacBook」の購入を検討されているのではないかとも思うのだが、もし端末の性能を重視するようだったら、ぜひ「MacBook Pro」のエントリーモデルを購入することも含めて検討してみていただきたい。

結論:12インチ「MacBook」、新型モデルは買い?

以上、今月発売したばかりの「MacBook, 12-inch, 2017」を紹介してきた。

新型モデルは、デザインや機能など何か新しい要素はほとんどなく、プロセッサやキーボードなどのマイナーアップデートが実施されただけで、面白みはほとんどない。外部ディスプレイへの外部出力をしている最中に充電することができない問題も残念ながら解決できていない。

その代わり、プロセッサやグラフィック性能など予想以上に堅実なアップデートが実施されていて、その点はとてもグッド。特に16GBのメモリが搭載できるようになったのは個人的にはとても嬉しかった。

まだ使い始めて日が浅いため、詳しい使用感をこのレビューだけで伝えるのは不可能だが、キーボードの改良など不満だった箇所がいくつか解消されていることもあり、購入した僕個人の印象はとても良い。

もし、「友人や家族に2017年モデルを薦めるか」と聞かれたら、僕なら間違いなく「Yes」と答えるだろう。十分、他の人にお勧めできる「買い」端末だ。特に、まだ12インチ「MacBook」を使ったことがない人、購入を見送っていた人にオススメしたい。

「MacBook」の取り柄は12インチという持ち運び性の高さと、カラーラインナップの多さ。Macをライトに使いたいユーザーにとってピッタリの製品だと思う。近場に出かける時などバックパックに入れて持ち運ぶことを考えているなら、「MacBook」の購入は真剣に考えてもいいでしょう。

ちなみに、2016年に発売した「MacBook, 12-inch, 2016」を購入した方に関しては、急いで購入する必要はないと思う。理由は2017年モデルには、2016年モデルから買い換えるほどの変更点や性能向上はないため。

むしろ、直近で2台目の「MacBook」を購入する予定なら、「MacBook Pro」など家でドッシリと構えて使える端末を購入してもいいのではないだろうか。

先ほども述べた通り、「MacBook Pro」のエントリーモデルに関しては「MacBook」と同じ値段で買える上に、「MacBook Pro」の15インチモデルに関しては独立GPUも搭載されているため、ゲームや動画編集もヌルヌル。

最近では、Apple整備済製品ストアに2016年モデルの「MacBook Pro」もたびたび追加されているので、こういったハイエンド端末を安く購入するという選択肢もありかもしれない。

最後に、「MacBook」の2016年モデルと最新2017年モデルのスペック比較表を作成してみた。記事最下部に掲載しておくので、購入の際の参考にしていただきたい。

また、各種「MacBook」シリーズのスペック比較も別記事にまとめてある。興味がある方はぜひこちらの記事も参考にしていただければと思う。

▼ Apple公式サイトでMacBook製品をチェック
MacBook Air
MacBook Pro

▼ Macアクセサリ
Magic Keyboard
Magic Trackpad
Magic Mouse
その他

▶︎ 学生・教職員向けストア

  12インチMacBook(2017) 12インチMacBook(Early 2016)
ディスプレイ 12インチRetinaディスプレイ
解像度 2,304 × 1,440ピクセル(226ppi)
ストレージ 256GB 512GB 256GB 512GB
プロセッサ 1.2GHzデュアルコアIntel Core m3(Turbo Boost使用時最大3.0GHz)、4MB L3キャッシュ

オプションで
1.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB L3キャッシュ
または
1.4GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、4MB共有L3キャッシュに変更可能

1.3GHzデュアルコアIntel Core i5(Turbo Boost使用時最大3.2GHz)、4MB L3キャッシュ

オプションで
1.4GHzデュアルコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、4MB L3キャッシュに変更可能

1.1GHzデュアルコアIntel Core m3プロセッサ(Turbo Boost使用時最大2.2GHz)、4MB L3キャッシュ

オプションで
1.3GHzデュアルコアIntel Core m7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.1GHz)、4MB L3キャッシュに変更可能

1.2GHzデュアルコアIntel Core m5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大2.7GHz)、4MB L3キャッシュ

オプションで
1.3GHzデュアルコアIntel Core m7プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.1GHz)、4MB L3キャッシュに変更可能

メモリ

8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ

オプションで16GBに変更可能

8GB 1,866MHz LPDDR3オンボードメモリ
本体サイズ 幅28.05 × 奥行き19.65 × 高さ1.31 cm
重量 0.92kg
グラフィック Intel HD Graphics 615 Intel HD Graphics 515
通信 Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth 4.2
Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth 4.0
カメラ 480p FaceTimeカメラ
ポート USB-Cポート × 1
オーディオ ステレオスピーカー
2つのマイクロフォン
3.5mmヘッドフォンジャック
キーボード 第2世代バタフライ構造 第1世代バタフライ構造
バッテリー ブラウジング:最大10時間
iTunesムービー再生:最大12時間
ブラウジング:最大10時間
iTunesムービー再生:最大11時間
カラー シルバー
ゴールド
スペースグレイ
ローズゴールド
価格 142,800円〜 175,800円〜 販売終了
(128,800円〜)
販売終了
(158,800円〜)

Apple公式サイトで各種Mac製品をチェック

▼ ラップトップMac
MacBook Air
MacBook Pro

▼ デスクトップMac
Mac mini
24インチiMac
Mac Studio
Mac Pro

▼ Macアクセサリ
Magic Keyboard
Magic Trackpad
Magic Mouse
その他

▶︎ 学生・教職員向けストア

▼ iPhone 15/15 Proの予約は公式オンラインショップから!

Apple、Appleのロゴ、Apple Pay、Apple Watch、FaceTime、GarageBand、HomePod、iMovie、iPad、iPhone、iPhoto、iSight、iTunes、Retinaは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
※iPhoneの商標は、アイホン株式会社のライセンスにもとづき使用されています。
※App Store、AppleCare、iCloudは、Apple Inc.のサービスマークです。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。