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【レビュー】爆速Wi-Fiルーター「NEC Aterm WG2600HP」に悩まされた

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今月の初めから、我が家でもようやく1ギガ回線を導入し、今までの100Mbps回線からすると格段と早い通信をすることができるようになった。

そこで僕は、そのスピードをWi-Fi環境でも実現するために、それまで使っていたNEC製「Aterm WR8750N」をやめて、最新のWi-Fi通信規格「IEEE802.11ac(以下11ac)」に対応した無線ルーターを導入することを決めた。

複数メーカーから「11ac」に対応している無線ルーターが数多く販売されているが、その中でもかなりの高速通信を実現するという噂の爆速無線ルーター「NEC Aterm WG2600HP」を使ってみたのでレビューとして紹介する!

最新規格「11ac」は最大6.9ギガbpsの通信を実現(理論値)

「NEC Aterm WG2600HP」を紹介する前に、まず無線LANの規格について復習がてらさらっと触れておこう。

Wi-Fi無線ルーターには多くの通信規格があるので混乱してしまうかもしれないが、現在の通信規格の中では2014年1月に制定された「11ac」が最新だ。それまで主流だった「IEEE802.11n」に比べると最大11.5倍、理論値では最大6.9ギガbpsもの速さで通信することができる。

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1ギガ回線が少しずつ普及し始めていることを考えると、今後の主流は間違いなく「11ac」になっていくだろう。

「11ac」を利用するには、受信側の端末も同規格に対応している必要があるのだが、僕の持っている「iPhone 6s」や「iMac」などが「11ac」に対応しているので前々から導入したいと考えていたところだった。

「WG2600HP」はデュアルコアCPUと無線用CPU搭載、4ストリーム対応

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「NEC Aterm WG2600HP」は、NECから販売されている「11ac」に対応した無線ルーターの中でもフラグシップモデルで、アンテナ数が4×4搭載していることで、無線LAN速度が「11ac」使用時で1733Mbps、「11n」仕様時で800Mbps(どちらも理論値)という爆速無線通信を実現している。

また同機種はデュアルコアCPUと無線用CPUを搭載している。そもそも無線ルーターにもCPUが搭載されているというのはご存知だろうか。通信処理についてもPCと同じくデータ処理が必要で、その処理能力がある程度高くないと速度の低下につながってしまう。

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「WG2600HP」はデュアルコアと無線用CPUを搭載し、5GHzと2.4GHzの同時接続を安定化させることに成功した製品だ。

「WG2600HP」の外観をチェック!

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まず開けた時に驚いたのはその高級感。無線ルーターなのにもかかわらず、黒くテカテカとした光沢がある表面と曲線を帯びたデザイン。以前使っていた「WR8750N」よりは若干大きめだが、性能の割に非常にコンパクトなイメージだ。

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側面には全ての端子が集合しており、下から電源ポート・USB 3.0ポート・WANポート・LANポート×4の順で並んでいる。我が家では有線ポートも全て使うため、全ポートをフル活用している。

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説明書については厚さもデザインも従来製品のものとほとんど変わらず。同梱されていたLANケーブルは「カテゴリ5e」のもの。

LANケーブルにも「カテゴリ」なるものが存在し、カテゴリによって伝送速度に違いがある。現在我が家で使っている回線速度は1ギガのもので、「カテゴリ5e」以降のバージョンであれば全て対応できる。なので「カテゴリ5e」以上のものなら、このまま使っても特に差し支えはないだろう。

ちなみに最新の「カテゴリ7」と「カテゴリ5e」のLANケーブルを両方使って試してみたが、どちらを使ってもほとんど通信速度の向上はみられなかったため、「カテゴリ6」以上のLANケーブルにする必要は今のところなさそうだ。

将来的に1ギガ以上の回線になるようだったら、全てのLANケーブルを「カテゴリー7」に変える必要はあるのだろう。

LANケーブルのカテゴリー別の仕様はこちらの記事で詳しくまとめられているのでご覧になっていただきたい。

スピードは爆速、複数端末を同時に接続しても通信速度低減はなし

「11ac」に対応した「WG2600HP」は一体どれほどスピードが上がったか非常に気になるところだ。説明書通りに接続して、実際に伝送速度を計測してみた。

今回は計測アプリ「RBB TODAY SPEED TEST」を使って伝送速度を計測した。スクリーンショットを掲載しておく。

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上の黄色い枠が「Aterm WG2600HP」、下の水色枠が「Aterm WR8750N」でどちらも5GHz帯で計測したものだ。

「11ac」に対応した「Aterm WG2600HP」で計測した結果、下り(ダウンロード)の速度が178.73Mbps、上り(アップロード)の速度が187.71Mbpsという結果になり、かなり早くなったことがお分かり頂けると思う。単純計算で5倍前後ほどスピードがアップしており、さすが爆速を謳っているだけのことはある。

我が家はマンションタイプの回線を利用しているのでこのような結果だったが、回線のタイプや状況によってはさらに早いスピードを叩き出すことができそうだ。

ちなみに「11n」で伝送速度をチェックすると、下りが40Mbps前後、上りが30Mbps前後と大して差がない結果になっている。たまに10Mbps前後良い結果が出る時はあるが、概ね「WR8750N」と変わらないか少し良い結果が出ている傾向にある。

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また、「Aterm WG2600HP」は複数端末の同時接続にも強みを持っている無線ルーターだ。普通ひとつの電波は一つの端末としか接続することはできず、その電波を複数端末で接続する場合、その回線を交代交代接続して電波を分け合う仕組みとなっている。

この「Aterm WG2600HP」は4ストリームの伝送に対応しており、複数の端末を同時に接続した時の待機時間が圧倒的に短縮されることになる。うちでは複数台のiPhoneやiPad、iMacにMacBookシリーズなど様々な端末がWi-Fiネットワークを使用している。同時接続数が増えたことで、今までの無線ルーターに比べると接続までの速さがかなり早くなった気がする(気がするだけ?)。

1日に1回接続が切れて、再起動を余儀なくされるという不具合に悩まれる

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「Aterm WG2600HP」は非常にスピードも早く僕のデスクワークはかなり進化した。調べ物をするときも、YouTubeなどの動画を見るときも快適で、ストレスのないネットワーク環境を手に入れたはずだった。

だが僕だけなのかどうかは分からないが、「Aterm WG2600HP」を使い始めてすぐに一つの問題が発生。1日に一度ほぼ決まった時間にネットワークが接続できなくなる現象に陥ってしまった。一度接続できなくなると数分間は全く接続ができなくなり、再起動が必要な状況になってしまう。

数日この現象を体験しているうちに「Aterm WG2600HP」が自動再起動していることに気がついた。毎日同じ時間になると再起動が必要になるのはあまりに使っていてストレスが溜まるため、一度NECのAtermサポートデスクに連絡してみることに。

サポートデスクのお姉さんが言うには、「Aterm WG2600HP」のファームウェアを最新のものに更新し、「PPPキープアライブ機能」をオンにして、「LCP ECHO 送信間隔(秒)」を初期値の「900」から「60」に変更すると改善されるかもしれない、とのことだったが結果は変わらず。

PPPキープアライブ機能
PPPコネクションの状態を監視して、障害が起きた場合に再接続を行う機能

翌日、サポートデスクのお姉さんに「言われた通りやってみたけど直りません」と伝えたところ、一度修理に出すことを薦められたので、買ったばかりの無線ルーターを修理に出すことに。ちなみにお姉さん曰く、こういった症状は報告例がないとのことだった!

修理に出してから約1週間ほど経った頃に新品交換となったものが家に到着し、再度接続してみたのだがやはり状況は変わらず。どうにもこうにも再起動が必要になってしまうので、僕自身で原因を探求することになってしまった。

一昔前に言われていたNAT溢れが原因?

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結論から言うと、この不具合(仕様)を解消することに成功した!

どうやって解消したかというと、「Aterm WG2600HP」の設定を行う「クイックWEB設定」内の設定を少し変えることで問題発生を抑えることができるようになった。

具体的には「クイックWEB設定」>「その他の設定」>「NAPT設定」の「TCPタイマ」を初期値「3600」から「900」に、「UDPタイマ 」を初期値の「300」から「75」に変更することで解消することができたのだ!

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僕もこの手の専門家というわけではないので問題発生の原因は詳しくは不明だが、ネットでこの問題を調べているうちに、ひと昔前に問題になっていたNEC製の無線ルーター特有の「Aterm病」という症状について思い出した。

NATとは現在世界で不足しつつあるグローバルIPアドレスを節約するため、グローバルIPとローカルIPを変換する機能で、通常、ルータには変換したIPアドレス履歴が保存されるNATテーブルというものが存在するが、テーブルの上限数よりも多くの端末がアクセスした場合、古いアクセス履歴から順に上書き保存されるため、NATテーブルに書き込みできなくなることはない。

NECのAtermは、その上書き保存ができない仕様であったため、上限数を超えると接続できなくなる「NAT溢れ(俗に言う『Aterm病』)」が有名だった。現在のAterm製品では対策が講じられているため、このような不具合は発生しないはずである。

しかし、毎日ほぼ同じ時間に勝手に再起動する現象を考慮すると、NAT溢れの可能性があると思い、NATテーブルの保存時間を短く設定してみたところ、勝手に再起動をしなくなったのだ。

「Aterm WG2600HP」が自動再起動をしなくなってから2週間ほど経つが、一度も再起動はしていない。

インターネットはかなり快適だが、複数台を接続しまくる人は設定が必要か

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「Aterm WG2600HP」にしてからというもの、伝送速度は格段に上がりインターネットは非常に快適だが、もし10台以上の端末を接続するとなるとNATテーブルの設定が必要かもしれない。

僕はガジェットが大好きなので大量の無線LANを利用するデバイスを持っているが、例えば家族みんなのデバイスを接続させるとなると、時々接続が切れることがあるかもしれない。もし僕と同じ現象が発生するようであれば、先ほどの対処法を取ってみることをお勧めする。

若干の問題はあったものの、設定をちょっと変えれば解決できるものなので、インターネットの速度を少しでも早くしたいという人には十分お勧めできる機種だと思う。検討している人は購入してもいいのではないだろうか。

要望があるとすれば、今後のファームウェアでこのNAT溢れ(?)問題が解決されることを望む!ちなみにNAT溢れのことを調べると、他にも解決策があるようなので良い解決策があったら是非教えてください!

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。