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Jaybird Tarah Pro レビュー|過酷なスポーツにも使えるアスリート向けワイヤレスイヤホン、雪山でも使えるのか試してみた

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昨年末、アスリートのためのイヤホンを開発するJaybirdから、新型イヤホン 「Jaybird Tarah Pro」 が発売した。

この 「Tarah Pro」 は、着け心地や音質、バッテリー持ち、防水性能などアスリートが求める特徴をすべて詰め込んだ、まさに 「アスリートのためのイヤホン」 。

運動する者にとって必携のアイテム。さすがにやや言い過ぎかもしれないが、少なくとも 「運動中に音楽を聴いて自分のペースを作りたい」 「音楽を聴いて競技に集中したい」 という方に、全力でオススメしたい製品となっている。

Jaybird Tarah Proとは

「Tarah Pro」 は、現在では主流となった左右のイヤホンを1本のケーブルで繋ぐワイヤレスイヤホンだ。昨年秋に 「Jaybird Tarah」 という製品が発売しているが、今回紹介するのはその上位モデルとなる。

「Tarah Pro」 が上位モデルたる所以は、プロのアスリートの使用にも十分に耐えられる性能が備わっているから。詳しくは後ほど紹介しようと思うが、高い防水性に豊かなサウンド、そして装着性、どれを取っても素晴らしい出来になっている。

だが、これらを紹介する前に、何事においてもまずは形から。というわけで、「Tarah Pro」 の製品デザインを紹介しておきたい。

今回筆者がレビューしたのはブラックカラーモデル。スポーツ向けイヤホンと聞くと、原色がバリバリ使われた派手なデザインがよくありがちだが、Jaybird製品はそれらに比べるとやや主張控えめ。今回の「Tarah Pro」 も一見するとシンプルそのものだ。

ただし、単に無駄を省いたというものではなく、チラリと魅せるクールさも併せ持つ。全体的に黒を基調としたカラーリングになっているが、イヤージェル内のステム部分にだけ黄色が採用されている。この部分はイヤホンを装着すると耳の中に隠れてしまうため外からは見えないが、外して首から掛けたときにチラチラと見え、さりげないオシャレ感を演出してくれる。

ケーブルもただ真っ黒なのではなく、よく見ると黒のほかに濃い灰色と薄い灰色の3色が規則的に編み込まれていて黒一辺倒なデザインにならないよう工夫がみられるなど、細かい部分までこだわりを感じる。しかも、編み込みのおかげでケーブルは強度も高く、断線の心配がないのもスポーツ向けモデルとして地味に嬉しいところ。

ケーブルの真ん中にはケーブルアジャスター 「スピードシンチ」 が用意されており、キュッと締めることで自分の好みの長さに調節可能。調節後はピタッとその位置から動くことなく、どんなに激しい動きをしても長さをしっかりと維持してくれる。

Jaybirdのロゴがあしらわれたハウジング部分にはマグネットが仕込まれていて、使わないときは左右のイヤホン同士をピタッとくっつけて首にぶら下げておける。この際、バッテリーの節約と再度装着した時のために、一時的に音楽再生が停止するという便利機能も搭載されている。

また、スポーツ向けイヤホンということで装着感を重視している点にも注目してほしい。

この手のワイヤレスイヤホンの装着方法は、耳上にケーブルをかけるように装着するオーバーイヤー方式と、ケーブルをそのまま下に垂らすアンダーイヤー方式の2種類があるが、「Tarah Pro」 の場合はイヤーピースが回転式になっているため、どちらにも対応可能。スポーツの種類や好みに応じて耳掛けスタイルを変えられるのが魅力的。

右耳側にあるリモコンはよく見ると緩いカーブを描いており、オーバーイヤー方式でケーブルを耳にかける際に邪魔にならないよう耳の形にピッタリ沿うようになっている。イヤホンのリモコンは激しい動きをすればするほど鬱陶しく感じるものだが、このわずかなカーブのおかげで、リモコンがあることすら忘れてしまうほどだ。

ちなみに、リモコンは3つのボタンが用意されており、端の二つは音量の調節と曲送り・曲戻しが可能。真ん中のボタンは音楽の再生・停止ができるほか、長押しで電源のオン・オフ、二度押しで音声アシスタントが起動できる。iPhoneの場合はSiriの起動だ。

そして、装着感の話をする上で外せないのが、フィット感抜群のイヤーピース 「イヤージェル」 について。激しい動きを伴うスポーツでも外れることはなく安心して使うことができる。このイヤージェルについては、後ほど筆者の体験も踏まえながらじっくりとご紹介したいと思う。

最大のアピールポイントはフィット感

製品名に 「プロ」 という言葉が入っている以上、この製品はプロユースにも耐えられなくてはいけない。そして同製品はアスリートに向けた製品。というわけで、性能や特徴を知るには、やはり実際にスポーツの中で使ってみるしかあるまい。

今回北東北のとあるスキー場に 「Tarah Pro」 を持って出かけてみた。スキーの腕前にちょっとだけ自信のある東北出身の筆者は、毎年冬になると雪山にスキーに行くのが恒例。ランニングやトレイルランなど雪のない地域でのスポーツ利用を最もプッシュしている印象の 「Tarah Pro」 だが、果たしてウィンタースポーツでも有用なのだろうか。

上の写真は実際に装着した際の様子。モコモコのスキーウェアや帽子、ゴーグルの下に装着しても邪魔にならないようになっていて、とても使いやすい。

ケーブルも長すぎず短すぎず丁度いい。長いと感じた場合は、スピードシンチでサッと尺を調節できる。スピードシンチは手袋をした状態でも使えるのが地味ながらグッドポイント。

また、「Tarah Pro」 は今流行りの完全ワイヤレスイヤホンではなく、ケーブルが存在する従来型ワイヤレスイヤホンだ。

このケーブルが1本あることは、実はスポーツをする上でとても安心感がある。なぜなら、左右のイヤホンを繋ぐケーブルを首の後ろにかけるようにして使うため、激しいアップダウンで耳からイヤホンがポロっと外れたとしても落としてしまう心配が少ないからだ。

上記写真は分かりやすくケーブルを前に出しているが、実際のウィンタースポーツ下ではフードやウェアの中に隠すようにして使うことになるだろう。

ただし、ケーブルがある安心感も重要だが、「Tarah Pro」 の場合はそもそもイヤホンを落とす心配すら無用かもしれない。

実際に 「Tarah Pro」 を装着して滑走してみたが、同製品のフィット感が非常に高いことに驚愕した。フィットの良さは同製品を受け取った時に既に気付いていたのだが、やはりそれはスポーツの中でも変わらず。

スキーは上体の動きが比較的少ないスポーツではあるものの、やや小刻みなパラレルターンやショートターンなど激しい動きをした時でも耳からズレることは一切ない。これほど高いフィット感があれば、おそらくマラソンやトレイルランで使用したとしても耳から落ちるといった心配はなさそうだ。

この高いフィット感を実現しているのは、前述のシリコン製イヤージェルのおかげ。このややシットリで柔軟性のあるイヤージェルがあることで耳にピッタリと張り付くようにハマり、ちょっとやそっとの動きではズレることがないのだ。

スポーツイヤホンを探している方にオススメしたいのは、まさにこの点。フィット感という点で同製品の右に出るイヤホンはそう多くはないだろう。最初は 「やや圧迫感があるかな?」 と感じることもあるかもしれないが、あまりのハマりっぷりに使っているうちに装着していることすら忘れるほど。時に耳と一体化したような感覚を覚えることある。

また、フィット感が高いこともあり、密閉性・遮音性もそこそこ高い。ひとたび音楽をかければ、そこはもう自分だけの世界。ただ、ノイズキャンセル機能などはなく、外の音を完全にシャットアウトするほどのものではないため、周囲で何か起きても反応することができるし、自分の名前が呼ばれたこともちゃんと気付くことができる。外で使う機会が多いイヤホンなだけに、そこそこの遮音性はむしろ安心と言えるかもしれない。

ちなみに、今回のテストは一般のスキーヤー、スノーボーダーがいるスキー場を使わせてもらったが、平日の早朝という人のほぼいない時間に、しかも周囲に人がいないことをしっかりと確認しながらの、安全に考慮した状態で行なっている。

また、多くのスキー場ではイヤホンの使用は禁止されていないものの、他のスキーヤーやボーダーとの接触の危険等もあるため、技量レベルや競技経験に関わらず、使用する場合はゲレンデの状況等を考慮して、混んでる時はヒュッテやリフト・ゴンドラに乗っている時に使用を留めるなどするのが最低限のマナーだろう。

14時間の驚異のバッテリー持ち

イヤホン、充電クレードルを持ち運ぶための小さいポーチが付属する

装着感の次に挙げるべき 「Tarah Pro」 の魅力は、最大14時間というバッテリー持ちの長さ。これはワイヤレスイヤホンの中でも驚異的な数字だ。参考までに、筆者がよく使っているワイヤレスイヤホン 「BeatsX」 は8時間で、その差はなんと6時間もある。

なぜこれほどまでにバッテリー持ちがいいのか。それはやはり 「プロのアスリート」 向けに作られているからだろう。プロのアスリートと言っても様々だと思うが、例えば筆者のように雪山で使用するプロスキーヤーは朝から晩まで雪山にいてもおかしくはない。

そうなるとやはり8時間程度のバッテリー持ちでは不安に感じる人もいるだろう。しかし、14時間のバッテリー持ちを誇る 「Tarah Pro」 であれば、仮に朝8時から使い始めたとしても、計算上は夜10時まで音楽を聴き続けられるはず。さすがに14時間ずっと音楽を聴き続ける機会はないためテストはできていないが、通勤・通学や日課のトレーニングをこなす程度であれば、場合によっては2~3日は充電せずに使えるでしょう。

実際、筆者はスキー場から宿泊地までの道のりや帰りの新幹線など、合計で10時間以上は使った気もするが、東京に帰ってきた時のバッテリー残量は20%ほどで、まだまだ余力あり。これほど長い時間駆動できるバッテリーを一体どこに隠しているんだろう。これはちょっとした驚きだ。

しかも、同製品にはクイック充電機能が搭載されており、バッテリー残量がゼロの状態でも5分間充電すれば最大2時間の再生が可能になる。もし、前日夜に充電し忘れたとしても、とりあえず朝ごはんを食べている間に充電しておけば、ひとっ走り分ぐらいはもつはずだ。

ただし、バッテリー持ちが長いのは非常に便利と感じる反面、代わりに不便に感じることもあった。それは充電する際に専用のクレードルが必要であるという点。

クレードルは、「Tarah Pro」 を上からカチッと重ねるだけなのでむしろ手間いらずなわけだが、泊まりがけの場合は必ずこのクレードルを持ち歩く必要があり、もし紛失したら充電できなくなるため、絶対に失くすことはできないという謎のプレッシャーを感じることもある。この辺りはやや煩わしく感じたりもした。

ただし、持ち歩きを想定しているためかクレードル自体をとても小さいものにするなどメーカー側の工夫も感じられる。バッテリー持ちの長さや防水性の高さなどを考えたら、この点はある意味仕方ないかなとも思える。

スポーツ向けイヤホンでは確実に上位に入る高音質

イヤホンのレビューなのに、「音質」 の紹介がなぜか最後の方に来てしまった。あまりに 「Tarah Pro」 のプロアスリート向け仕様が予想以上だったため、音質よりも前にその凄さを紹介せざるをえなかったからだ。まず、その点についてはお許しいただきたい。

さて、肝心の音質についてだが、搭載されている6mmのドライバーのおかげで、ダイナミックかつ豊かな音質を実現することに成功している。

特に、音の透明感は特筆すべきところで、他の高級イヤホンと引けを取らないほどのレベルだと感じた。また、オーケストラなど多くの音が重なり合う楽曲でも、ひとつひとつの音を鮮明に表現してくれるため、とてもリッチな音楽体験が可能だ。

もちろん、音質に関してはもっと上のレベルの製品がゴロゴロとあるのは事実ではあるものの、スポーツ向けイヤホンでこのクオリティは十分すぎるくらい。他社のイヤホンと比べても確実に上位に食い込むレベルではないだろうか。

個人的にはアップテンポで力強い音楽を聴くのに最適だと感じている。キツめの坂を一気に駆け上がるヒルトレーニングなんかに使うと、キツさを和らげられるかもしれない。

ちなみに、デフォルトの音質でも十分満足できるレベルではあるものの、スマートフォン向けに公開されている 「Jaybird MySound」 アプリを使えば自分好みにイコライザー (EQ) をカスタマイズできるようになっている。低音を強調したり高音を抑えたりなど、その時の気分や自身の好きな音楽に合わせて、音を変えることが可能だ。

また、Bluetooth接続はかなり安定しており、筆者が10時間ほど使った際に途中でブツブツと途切れたのはたったの2回。1回目はスキー場のリフトに乗っている時。2回目は東京駅という人が多い場所で。接続が不安定になることはほぼないため、この点を不安に感じている人は安心して利用していただければと思う。

全天候に対応する防水性能 「IPX7」

「Tarah Pro」 はトレッキングやトレイルランなど大自然との戦いの中で使用することを想定されているイヤホン。当然ながら、使用者の汗にまみれたり、時には豪雨の中で使われることもあるだろう。

そんな過酷な環境でも安心して使えるよう、同製品は 「IPX7」 相当の防汗・防水設計になっている。

このIPX7という数字は30分の間、水深1mに沈めても故障しない性能。たとえゲリラ豪雨に見舞われて、頭からつま先までぐっしょりになってしまったとしても無事なはず。もちろん、雪の中で転んでも生きているだろう。何から何まで安心なイヤホンだ。

スポーツイヤホンの決定版 「Tarah Pro」

最近はケーブルレス、いわゆる 「完全ワイヤレスイヤホン」 が増えている中、「Tarah Pro」 はあえてケーブルを残した状態で攻める。

ケーブルがあることで 「紛失しないという安心感」 が生まれるだけでなく、同時に 「驚異のバッテリー持ち」 も実現している。必ずしもケーブルがないことが良いわけではないはずだ。

さらに、上記特徴に加えて、IPX7の高い防水性能や他社の高級ヘッドホンに引けを取らない音質など。ガチのアスリートの方にはもちろん、軽いトレーニングをするライトなユーザーまで納得させられる性能だ。そういう意味では、今後間違いなく 「Tarah Pro」 は筆者のイチオシイヤホンとして君臨するだろう。

白銀の銀世界から帰ってきたのは少し寂しいところだが、せっかく「Tarah Pro」 という新しい相棒を手に入れたことだし、今度は軽いトレーニング程度にしていたランニングをさらに本格的に頑張ってみようかなと思う。マラソンはまだまだ初心者だけど、今後の目標は 「目指せ!フルマラソン」 だ。


「Jaybird Tarah Pro」 は、現在Amazonで販売中。価格は税込19,516円(2019年1月24日時点)。

カラーラインナップは今回レビューしたブラックの他に、チタニウムとミネラルブルーの計3色が用意されている。チタニウムとミネラルブルーは今月31日に発売予定。購入の際はぜひお好きなカラーをチョイスしていただきたい。

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AuthorNANA

東北出身の東京都在住(性別年齢は非公開)。趣味はガジェットいじり、旅行や料理、映画、ゲーム。イモリやサンショウウオが好きなので、家でよく愛でています。

同メディアで取り扱う情報は主にインターネットテクノロジー関連、AppleやGoogleなどの新製品やサービス。その他、今最も興味があるのは「VR/AR」「スマートスピーカー」。